第5話 春一番と共に

 神社参拝後、一層南向きに風が強まった。

 

 マスクをしていたが、pm2.5や花粉などの微粒子が少し鼻に入ったようで、大きなクシャミをした征嗣。

 すぐ近くでも、この時期らしく、少し控え目なクシャミが聴こえた。


 鼻を噛もうとポケットのティッシュを出そうとした時、春一番が吹き荒れ、ティッシュを飛ばした。

 そのティッシュを追いかけると、やはり風に飛ばされたティッシュを追う女性とぶつかった。


「ごめんなさい」


 2人は同時に謝り、交差してキャッチしたティッシュをそれぞれの手に、見つめ合って笑った。


    【 完 】

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

神様との会話 ゆりえる @yurieru

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ