エッセイジャンルであるため、実体験をベースにされているのでしょう。
しかしその表現スタイルはどこまでも台詞だったり緻密な心情描写によって彩られ、作家志望な一人女性の苦しみと悦びを描いた、濃密な短編小説でもありました。
他人の言葉に否定され、心折れそうになり、それでも自分の内面から湧き出てくる欲求や願望・憧れは誰にも止めることができない。親からの厳しい言葉や対応があったというのに、ペンネームの由来や終盤でのやり取りなども、実にドラマチックで感動しました。エッセイジャンルで感動を味わったのは初めてかもしれません。
作家を目指す多くの人に、そして周囲から見下されたり・思うような結果が出せず悩んでいる全ての『物書き』さん達に読んで欲しい内容でした。
自分とどこか境遇や信条が似ていて、とても共感しました。素晴らしいエッセイです。