第9話 ファーストキス

それから数か月が過ぎ、私の知らないところで―――



「優哉、父さん転勤が決まったんだが、お前、どうする?学校も慣れただろうし、また、転校となると大変だろう?そのまま居て貰って良いんだが、お前の率直な意見を話して欲しい」



「別に良いよ。俺も一緒に行くから」

「良いのか?」

「全然、大丈夫」




そして、優哉は私にもクラスのみんなに会わず、突然の急な転校に皆が驚いていた。


私は一緒にいたのに気付かなかった自分が腹ただしく情けないと思った。


それから優哉がいなくなり私は寂しさを感じる中、気付けば優哉の事ばかり考える事が増えていた。





『ただいま』


『おかえり』



毎日のやりとりがなくなる



バイトから帰って来たら


出来ていた晩ごはん


毎朝の朝ごはん




ねえ……


    優哉……


あなたは今……

 

      何処にいますか?







12月


クリスマスの時期。




「クリスマス…か…何の予定も入らない…淋しいクリスマスなんだよね?……優哉に逢いたい……」




一日一日 過ぎていく毎日。


クリスマスシーズンだからか



優哉に逢いたい……



その想いが募る中


アイツへの想いも


更に強くなる




12月24日。


クリスマス・イブ。



バイトが終わり、その途中、空から雪が降り始める。




「ホワイト…クリスマス…か……」




街のイルミネーション


明々と光り輝き


カップルだらけの街


私はそんな中


夜の街を


寂しく帰るのだった。






バイトから帰って部屋のドアの前に人影。





ドキン


胸が大きく跳ねた。




「優…哉…?」


「よう!お帰り。痲由佳」


「ただいま…って…違う!!な、何してんの!?風邪ひ…く…」




グイッと私を抱き寄せた。



ドキン…


胸が大きく跳ねた。




「その時は、お前が温めてくれよな!」


「えっ…!?温め…?いやいや…連絡してくれば寒い思いしなくても」


「イブだからサプライズも良くね?」


「いや…それはそうだけど自分の体大切にしなよ!」




私は部屋を開ける。




「相変わらず散らかってるよ」


「今に始まった事じゃねーし」


「でも、優哉、突然いなくなったから驚いたよ。クラスのみんなにも会わずにいなくなるって急過ぎるし。そうしたら私の前に突然現れるし。またすがにいなく……」




背後から抱きしめた。



ドキン


胸が大きく跳ねた。




「優…」


「お前に会いたくて仕方がなかった」





ドキッ


意外な言葉に胸が大きく跳ねる。




「…優哉…」




振り向く私に背後から抱きしめた状態でキスされた。



そして、至近距離で




「お前が好きだ!」




ドキン


まさかの告白に胸が大きく跳ねた。



「優哉…私も…す…」




言い終える前に、唇を塞がれ、私達は唇を何度も交わす。


私達は、成り行きで1つになった。



その後、1月から優哉は再び編入してきた。


私達は付き合いは始まったばかりだよね








〜 E N D 〜












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同・居・人 ハル @haru4649

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