思い出の散歩道
ももいくれあ
第1話
午前1時の雨音は、
隙間を埋めるためだった。
優しい飛沫になぐさめられて、
苦笑いでごまかした。
とまどいたちに鍵を預けて、
手ぶらで思い出を散歩した。
冷たく笑うその唇は、
思いの全てをかき消した。
遠くの笑顔にそっと近づき
抱きしめたなら、崩れそうで、
振り返る距離も知らずに、
足早な時間に紛れた。
思い出の散歩道 ももいくれあ @Kureamomoi
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