冒険者レアリー

最近見つかったダンジョン。

まだ1階層すら攻略されていない。

稼ぐチャンスね!

私は冒険者のレアリー。

意気揚々と入ったけど…あとで後悔した。

ここは、今までのダンジョンと違っていた。




確認できた魔物は、ゴブリンとスライムとウルフ。

雑魚ばっかり。

私の火魔法で瞬殺。

楽勝楽勝♪

ダンジョンは死と隣合わせだけど、宝箱を発見すれば大儲け。

貴重な薬や魔法の装備が手に入る。

あとは、ダンジョンコア。

これが1番の大金になるのよねー。

最低でも数百億。

過去には、数千億で売れたとか。

欲しい!

冒険者なんて辞めて、一生遊んで暮らせるし。

あら?

男の冒険者達が、ゴブリン共と戦っている。

苦戦しているわね。

これだから男は情けない!

女性と違って、魔法が使えないから、しょうがないけど。

助けてあげましょうか。

「マナよ、火の矢となりて、敵を撃て、ファイヤーアロー!」

「「「ギャアアアアッ!?」」」

30本以上の火の矢が、ゴブリン共に刺さり燃やした。

ふふん!

どんなもんよ!

魔法は魔力が高い程、威力や数が増える。

「た、助かった。」

「すげえ、あれが魔法か。初めて見た。」

「あいつは…レアリー!」

「レアリー!?Bランク冒険者の!?」

私も有名になったものね。

冒険者にはランクがあり、大半の者はDランク止まり。

Bランク以上は少なく、ほぼ女性の冒険者が占めている。

「レアリーさん、助かりました。ありがとうございます!」

リーダーっぽい男が、お礼を言ってきた。

彼らの実力からして、冒険者ランクはDからEかな?

ちなみに、最低ランクはG。

「気にしないで。じゃあ、私はこれで。」

立ち去ろうとして、足元からカチッと音が鳴る。

しまった!?

踏んでいる床の一部が沈んでいた。

罠のトリガー!

素早く魔法で、身体を強化する。

ダンジョンの罠は油断できない。

嫌がらせ程度から即死級まで、様々だ。

1階層で、即死級は無いと思うけど、念の為に。

次の瞬間…私は炎に包まれた。

「レアリーさん!?」

「床から炎柱が!?」

「馬鹿!近づくな!お前まで燃えるぞ!」

「こんな強力な罠が1階層に!?」

あー、死んだかな。

男達の悲鳴にも似た叫び声が聞こえた。

さすがに強化しても…大火傷は免れない…うん?

熱くない?

炎が収まると…無傷な肌を晒している私。

火傷はどこにもない。

ほっとしたけど、安堵したけど、嬉しいけど。

服や下着は!?

焼け焦げた防具の残骸が、床に転がっていた。

ひょ、ひょっとして、装備品だけを燃やす罠?

そんなの聞いた事ないんだけど!?

「ぶふっ、鼻血が…。」

「おっぱいでけー。」

「しーっ!黙っとけ!」

「レ、レアリーさん…大丈夫ですか?」

い、いやああああああああああああああああああああっ!

裸を見られた!

大事なところを隠して、しゃがみ込む。

はっ!

恐ろしい事に気がついてしまった。

私…裸のまま街に戻るの?

噓でしょ!?

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