優しさの代償について考えさせられました

物語自体が面白い上に心の在り方を考えさせられました。
主人公の善性っぷりには自身の心の醜さを自覚してしまい若干嫉妬と自己嫌悪に陥るところもありますが、それを押してあまりある憧れのようなものを抱きました。しかしながら優しさというのはやはり豊かな者には容易く、色々な面で貧しい身では難しいのだとつい言い訳を考えてしまう時点で向いていないのかもしれません。
それに優しさとは難しいものですね。主人公は襲撃犯を何度も逃がしますが、逃がしたせいでその後善良な市民が虐殺されたとしたら、自分のせいではないかと思うと私には敵を逃がす考えは持てそうにありません。これは優しさではなく自身に責任が生じるとこが嫌なだけですが、被害者側からしたら優しいのは敵を殺した方にもなりそうです。
主人公の周りに優秀でこれまた善性の人間が居なかったら、主人公の優しさは実現し得ないであろうところも考えると、やはり私のような小市民は少しばかり醜いくらいが丁度いいのでしょう。
と、まぁここまでの真面目ぶったこと言いましたが一言でいうと「小さな獣人をまとめて養ってこの世に悪など存在しないと思わせるまで甘やかしたい」って感じです。