多様なパターンの人生が綴られた『憶本』それは人の不幸も幸せも一冊の本になっている。女性司書さんが幕間でナビゲーター的な役割をしており、この本を読んでいくとどうなるのか?という不思議で怪しい世界観を作り出しています。1話ごとに題名があり、短編集のようでとても読みやすいです。あなたもぜひ『憶本』を手にとってみませんか?
この「本」で読めるという感覚が作品の肝だと思います。実際に図書館で本を読みはじめ、司書に話しかけられ現実に戻され、また本に没頭する……その感覚をまさに味わえます。もちろん没頭できるのは「本」が面白いからです。人の一生が狂気的偏執的なまでに描かれており、すさまじい圧量を感じます。まるで図書館の本棚を相手にしているかのような。ラストがどうなるか楽しみです。
ボクはどうしても物語にハッピーエンドを願ってしまう。悪い癖です……しかし、幸せだけが人生では無く、時には不幸な心を満たしてくれる、そういう作品に巡り合う。マッチ売りの少女…人魚姫…幸せとは何か人生とは何かそんな大切な感情が、この図書館(ライブラリ)にはあると思います(ᐡ o̴̶̷̤ ﻌ o̴̶̷̤ ᐡ)