第3話 出会い

出会い

「あなたはここで死ぬべきではないわ」


目の前には雪の様に真っ白な毛を持ったキツネの魔物がいた。



「だって私に必要だもの」


彼女は不遜な態度でそう言い放った。


(何者だ?一瞬にして大型カマキリを倒してしまうなんて……)


「私はイナリ族シルヴィア種のハルカよ」


(なっ…!)


「私が名乗ったのだからあなたも名乗りなさい見たところマク族のルビー種といったところでしょうか」


(何だ…?何のことを言ってる…?心が読めるのか…?)


「あなたの想像通りよ。それより早く名前を教えてちょうだい?」


(ヤミルだが……心が読めるのなら名前も解るはずじゃないのか?)


「どうもそううまくはいかないみたいね。ところで提案があるのだけれど」


唐突に彼女は話を持ちかけてきた。


「あなたは見たところこの森から出たいけど周辺の地理が全くワカラナイというところでしょうか。私は出口を知っているの。でも私だけでは心もとないからあなたについてきてくれると助かるのだけれど」


たしかに俺はこの森のことを殆ど知らない。

こいつの言い分は怪しいが、今は付いていくしかないな。


「じゃあ、決まりね」






森を抜けるにはまずこの辺りを抜けたら毒沼があるのでイカダを作って通り、その後岩山を登り真っ直ぐ行けば森から出られるらしい。



「イカダを作るには大樹型モンスターのレントを倒して加工しなければならないわ。アレは物理攻撃が効きにくいから‘‘魔法’’で攻撃した方がいいわ」


ん?マホウとはなんだ?そんなもん見たことも聞いたことも……「あなた魔法を知らないの!?」


まあ……そうだが……



「あなたの種族で魔法を使わないっていうのは相当損をしてるわよ!?」


そもそも魔法っていうのは何なんだ?



「あぁ……そこから教えなきゃいけないのね……」






“魔法“とはありとあらゆる場所にある“魔素“を利用することを指すらしい。

そして俺の種族はその“魔法“の使用に長けた種族みたいだ。





「それじゃ今日から魔法の使い方を教えてあげます」














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捨てられた悪魔の放浪冒険記 @kane0tarou

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