登場人物紹介・第五章まで

 年齢は、第五章終了時点(1417年)。

 ネームドキャラクターは実在した人物です。

 名前を検索すると、生没年などネタバレ込みで詳細なプロフィールが分かります。


 作者の力量不足で、時代考証が甘い部分もありますが、ストーリーに支障を来さないようにわざと簡略化している部分もあります。ご容赦ください。



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王太子ドーファンシャルル(Charles le Dauphin、14歳)

本作の主人公。狂人王シャルル六世の10番目の子で、第五王子。

王立修道院で育つ。両親、兄、姉、宮廷生活を知らない。

兄たちの相次ぐ死去で、唯一の王位継承者となり、王宮へ連れ戻された。

1403年2月22日生まれ。称号はポンティユ伯とベリー公。


▼デュノワ伯ジャン(Jean de Dunois、15歳)

主人公の従兄。王弟オルレアン公の庶子。

主人公とともに修道院で育つ。ゆるい主従関係。騎士になることを夢見ている。

王太子専属の侍従長に就任した。

1402年11月23日生まれ。


▼タンギ・デュ・シャステル(Tanneguy du Châtel、48歳)

ブルターニュ出身の騎士。ブルトン人。

王太子専属の護衛隊長。唯一の王位継承者となった主人公につかず離れず守っている。

1369年生まれ。


▼アルマニャック伯ベルナール・ダルマニャック(Bernard d'Armagnac、57歳)

ガスコーニュの中心アルマニャック出身。ガスコン人。

賢明王シャルル五世時代の名将ゲクランから知略を学んだ。老獪な宰相。

亡き王弟オルレアン公の家臣と、反ブルゴーニュ派の貴族を取り込んで「アルマニャック派」を形成。ブルゴーニュ公に対抗している。1360年生まれ。




【アルマニャック派】


▼クレルモン伯シャルル・ド・ブルボン(Charles de Bourbon/Comte de Clermont、16歳)

ブルボン公の嫡男。いつも派手な服を着ている裕福な貴公子。

1401年生まれ。


▼アラン・シャルティエ(Alain Chartier、32歳)

宮廷詩人。ノルマンディー地方カルヴァドスのバイユー出身。

いまはパリ大学ソルボンヌに在籍している。1385〜90年ごろ生まれ。




【フランス王国、ヴァロワ王家】


狂人王ル・フーシャルル六世(Charles VI/Le Fou、48歳)

主人公の父。フランス王国ヴァロワ王朝、第四代国王。

生まれつき精神が弱く、統治能力に欠けている。たびたび問題行動を起こす。

1368年12月3日生まれ。


▼イザボー・ド・バヴィエール(Isabeau de Bavière/Reine de France、46歳)

主人公の母。シャルル六世の王妃。

王弟をはじめ、名のある貴族たちと見境なく関係を持つため、淫乱王妃と呼ばれる。たいへんな浪費家で、王子王女の養育費まで使い込む。

1370年4月28日生まれ。


▼ジャンヌ王女(Jeanne de Valois、26歳)

主人公の姉。第二王女。ブルターニュ公ジャンの妃。

おっとりしている。1391年1月24日生まれ。


▼マリー王女(Marie de Valois、24歳)

主人公の姉。第三王女。ポワシー女子修道院の院長。

母性的な包容力がある。1393年8月22日生まれ。


▼ミシェル王女(Michelle de Valois、22歳)

主人公の姉。第四王女。ブルゴーニュ公の嫡男フィリップの妃。

勝ち気な性格で、母イザボーとよく衝突する。1395年1月11日生まれ。


▼カトリーヌ王女(Catherine de Valois、16歳)

主人公の姉。第五王女。姉マリー王女とともにポワシー修道院で暮らす。

泣き虫。第一王女イザベルに生き写しと言われる。1401年10月27日生まれ。


▼オデット・ド・シャンディベール(Odette de Champdivers、27歳)

狂人王の世話をしている侍女。タロットカードが好き。1390年生まれ。


▼オルレアン公シャルル・ドルレアン(Charles d'Orléans、22歳)

主人公の従兄。ジャンの異母兄。王弟オルレアン公の嫡子。

詩を好む穏やかな貴公子だが、ひそかに両親の敵討ちを誓っている。

アジャンクールの戦いで捕虜となる。ロンドン塔に幽閉中。

監視をごまかして大鴉レイブンクロウを手なずけ、秘密の通信手段を作る。

1394年11月24日生まれ。




【ブルゴーニュ派】


▼無怖公ブルゴーニュ公(Jean de Bourgogne/Jean sans Peur、46歳)

フランス最大勢力の貴族。淫乱王妃イザボーの愛人。

王弟オルレアン公を殺害して以来、宮廷の実権を握っている。

ひそかに反乱を組織したが首謀者であることが発覚し、王都から逃亡。

1371年5月28日生まれ。


▼シャロレー伯フィリップ・ド・ブルゴーニュ(Philippe de Bourgogne/Comte de Charolais、21歳)

ブルゴーニュ公の嫡男。宮廷の内乱を憂いている。

1396年7月31日生まれ。


▼アルテュール・ド・リッシュモン(Arthur de Richemont、24歳)

ブルターニュ公の弟。ブルゴーニュ公やイングランド王家とも縁が深い。

ケルトの伝説の王アーサー王の末裔で、周囲から羨望とやっかみを受けやすい。

アジャンクールの戦いで捕われ、虜囚の身となる。ロンドン塔に幽閉中。

1393年8月24日生まれ。




【アンジュー家】


▼アンジュー公ルイ・ダンジュー(Louis d'Anjou、40歳)

マリーとルネの父。

マリーとの婚約を名目に、主人公を修道院から引き取った。

大諸侯のひとりだが気さくな性格。子供たちの養育と領地経営に専念している。

1377年10月5日生まれ。


▼ヨランド・ダラゴン(Yolande d'Aragon、33歳)

アンジュー公の妃。アラゴン王国の王女。マリーとルネの母。

マリーとの婚約を名目に、主人公を修道院から引き取った。

慈愛と聡明さを兼ね備えた美しい貴婦人。王太子になった主人公を心配している。

1384年8月11日生まれ。


▼マリー・ダンジュー(Marie d'Anjou、13歳)

アンジュー公とヨランドの長女。主人公の婚約者。

1404年10月14日生まれ。


▼ルネ・ダンジュー(René d'Anjou、8歳)

マリーの弟。騎士道物語が好き。ちょっと寒がり。

1409年1月16日生まれ。


▼シャルル・ダンジュー(Charles d'Anjou、3歳)

マリーとルネの弟。愛称はシャルロット。

1414年10月14日生まれ。




【イングランド王国、ランカスター王家】


▼ヘンリー五世(Henry V/King of England、30歳)

イングランド王国ランカスター王朝、第二代国王。

休戦協定を破棄し、フランス王位を要求して宣戦を布告。百年戦争を再開した元凶。アジャンクールの戦いで大勝利を治める。

1387年9月16日生まれ。




【故人】


▼王弟オルレアン公(Louis d'Orléans、享年35歳)

狂人王の弟。主人公の叔父。ジャンの父。

ジャンが5歳の誕生日の当日、王妃の愛人ブルゴーニュ公に暗殺される。

1372年3月13日生まれ。1407年11月23日没。


▼王太子ルイ・ド・ギュイエンヌ公(Louis de Guyenne、享年18歳)

主人公の兄。父王に統治能力がないため、国王代理を務める。

義父ブルゴーニュ公の謀略を暴き、宮廷から追放した。称号はギュイエンヌ公。

1397年1月22日生まれ。1415年12月18日没。


▼イザベル王女(Isabella de Valois、享年19歳)

主人公の姉。第一王女。

百年戦争休戦の証しとして、7歳でイングランド王リチャード二世の妃になる。

クーデターでリチャードが餓死するとフランスへ帰され、従兄弟シャルル・ドルレアンと再婚するが、ひとり娘を出産した直後に亡くなる。

1389年11月9日生まれ。1409年9月13日没。

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