空想殺人

第4話 罪悪感はある

　何人か殺したり見殺しにした私だけど、罪悪感はあるよ。だから、今回も殺人をやめない。

　私はたくさんの人に傷つけられたが、逆に傷つけもした。あとになって思えば、あれは最悪の言葉だと思ったりしている。なのに、自分の事しか考えてこなかった。ずっと良いところだけ見ていたい、利用するのに相手の事を悪くいうのは嫌だ、愛が欲しい、人間になりたい。周りに与えていた害の事を考えていなかった。なんて都合の良いのだろうか。周りにされた悪いところばかり恨んで、周りは良いことをすることを望んで。

　そんな私にまた罰を与えるのだ。今まで甘ったれていた私達。何度殺してもまたわいてくる。なんということなのか。殺してもいっときにしか安らぎは来ないし、傷つけた人達は傷ついたままだ。

　この何をしてもどうにも出来ない罪悪感、止むことのない欲望、枯れることのない心の泉。どうにか折り合いをつけて、生きて行く道を見つけるまで私は殺し続けるだろう。