あとがき。

パチンコ・パチスロの小説を「学び」を切り口に書いてみようと思いました。


登場人物の名前を解説してみると、博士こと恵那寛夫(えなひろお)は「エナ・拾おう」。つまり、パチンコ・パチスロの期待値を拾っていく、悪く言えば『ハイエナ行為』をイメージした名前で、博士の期待値等々に関する考え方は、作者である私の考え方が反映されております。


大木太一(おおきたいち)君は、「大きい期待値」という意味です。それは、パチンコ・パチスロの美味しいハイエナ、高設定を指しますが、学ぶことで得られる人生の期待値というのも含ませたつもりです。学ぶことの楽しさや、勉強して得する経験を得れなかった結果として、最終学歴が中卒ということにしました。


この物語で描いた『勝つために必要なこと』というのは、スマートフォンで検索すれば、だいたいのことが出てくるので難しいことではありません。しかし、実際にパチンコ屋に行ってみると、検索すれば分かることを放棄した結果に出くわします。美味しいです。


ただ、勝てる方法に簡単にアクセスできるので、徐々に学びを放棄してパチンコしている人は減っているように思います。



この物語を書こうと思った理由の一つは、小説の『君たちはどう生きるか』でした。内容は全然違うようですが、宮崎駿さんがアニメにされるそうです。読んだことのないという小説の作品紹介などの概要から書いてみようという試みです。徹底できてなかったかもしれませんが、児童書のような、分かりやすい文章表現にしたつもりです。


パチンコ・パチスロ小説のテーマを「学び」として描いたのは、学んだ結果が、出玉という形でダイレクトに反映されるからです。勉強することに喜びを見いだせずに、アルバイト先で言うことを聞いていればお金が貰えるという価値観だった太一君でしたが、知ること、学ぶことの大切さに気付くきっかけとして、パチンコ・パチスロを描きました。



前回の話で完結しておりますが、本編で描けなかったものとして「勇気」があるかもしれません。博士は、低レートも打ち、ハイエナ主体のスタイルですが、時には勇気を持って行動することも大事なのじゃないか?と、私のパチスロを振り返って思います。博士は、私の分身のような存在なので、勇気が足りてません。


しかし、私が持ってなくて、博士にはあるものは、太一君というスロ友です。この物語は、作者である私にスロ友がいれば……という物語でもあります。3月3日は、まさにそんな感じで描きました。


勝つために必要なモノは「学び」という切り口でしたが、実際にパチンコ屋に行くと、コミュ力なんかも必要だと思います。勝ってる人は、友達も多い。私は勝ってますけど、完全にソロプレイです。スロ友ほしー。多分、バイト代払って友達引っ張って来ている奴もいます。


私がパチンコ屋で見かける人々で、最強なのは恋人か夫婦の連れ打ちで勝っている人だと思います。ただ、その両方を兼ね備えている人は少なそうです。女連れでハーデス(パチスロ)を打っていて、男1000G、女700Gハマって並び打ちしている様子を見て、地獄だな……と思いました。


そう言えば、作中に女性キャラは出ませんでした。しいて言えば、地の文は女性のイメージだったかもしれません。


博士と太一くんは男友達ですが、太一くんを女性キャラにする発想は、なぜかなかったです。恋愛が絡む現代設定の話を書くのは、ちょっと苦手な気もします。男女だと、恋愛に発展する可能性を感じて、「学び」というテーマがブレるからかもしれません。多様性の現在ですから、太一くんと博士が恋愛したとしても、受け入れられる世の中になっている気がしますが、めんどくせー。



最終話は、突発的な思いつきで、スティール・ボール・ランの最終回っぽいパロディにしました。急に「願い」とか言い出したのはそのためです。その関係で、26話までは三人称の視点だったのに、最終話だけは、太一くんの一人称になりましたが、雰囲気を重視しました。


このくだりを書きながら、24巻、最終話をもう一度読みました。スティール・ボール・ランは、最高の作品です。

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君パチはどうスロるか? ナカノ実験室 @yarukimedesu

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