インターミッション

第10話「パチンコの大当たり確率が2倍になる魔法を使えたらどうする?」

「太一くん、もしもパチンコの大当たり確率が2倍になる魔法が使えたら、どうする?」


玄関で靴を脱いでいる太一くんに、恵那博士は言いました。


「博士、いくら僕がバカだとしても、そういう魔法がないのは知ってますよ?」


太一くんの最終学歴は中卒ですが、現実は異世界ファンタジーとは違って、魔法などは実在していないことは知っています。


「いや、単なるお遊びみたいなもんだよ。そういう魔法が出てくる小説をカクヨムで読んだんだよ」


「パチンコの出てくる小説ってあるんですね」


「そうみたいだね」


博士が読んだ小説には、パチンコの大当たり確率が倍になる魔法が出てきます。魔法の効果は、1時間単位で発動するようです。もうちょっと細かい単位で使えたら便利なのにな、と博士は思いました。


「当たりが倍になるのはパチンコだけですか?」


「残念ながら、パチンコ限定の魔法のようだね。パチスロで使えたら最高だけどね。例えば、ジャグラーだったら、どの設定を打ったとしても、設定6以上になるだろうし、楽しいだろうなあ」


「パチスロのことは分からないけど、僕だったら、やっぱり大工一択ですかね。4円パチンコで。倍当たるってことは、玉も倍出るってことですよね。楽しいですね。博士は、どう使いますか?」


「うーん。そうだなあ」


博士は、上を向いて少し考えてから、話し出しました。


「多分、期待値的な部分ってのは、どういうタイミングで使っても、プラスになるんだろうけど、ちょっとでも有利に使いたいって思うかな。大工のやつとかは、ラッシュに入ったら約2分の1で大当たりだし、それが倍になったら、魔法の効果がある間は、ずっとラッシュが続くんだろうねえ。ただ、私の性格からすると、遊タイム狙いから入るかなー。天井いってから魔法を使う。そうすると、魔法が発動している時間は、ずっと当たり続けるだろうからね。まあ、通常時から使っても、期待値のマイナスはないんだろうけど、大工のやつで初当たりが倍になっても、ラッシュに入らなかったら、やきもきするだろうしね。あとは、どの店で使うかも問題だね。カクヨム小説にも書いてあるけど、不自然に出しすぎると、お店に怪しまれるかもしれないし、ユニバースⅢくらいの店だったら、あんまり出しすぎるのもあれだし、釘もよくないしね。例えば、来店イベントとか行ってみるかなあ。例えば、パチスロ・ステーショナリーのみそまるくんの来店とかね。そもそも出玉感のある日だから、私がもりもり出していても、怪しまれないだろうし、出玉感があった方がお店も喜ぶだろうしね。そういう日は、遊タイム狙いとか辛気臭いことはしないで、通常時から全ツッパするかなー。でも、初当たりでもやもやするのは嫌だから、ライトミドルの歌うやつとかを狙っていくかなー。ラッシュが始まったら無限ってのは、不自然に思えたら、適度に魔法の効果をオフにするかなー。後は、魔法をくれた奴と相談して、1分単位で魔法を使えるようにしたり、パチスロもありにしてくれるように、頼んでみるかなー」


博士は、小説を読んでから考えたことを、太一くんに一気に話しました。ぶっちゃけ、太一くんは若干、ひいてしまいました。普段は、適度な会話を重視する博士ですが、わりとそういうところもあります。


「ま、まあ、ファンタジーの話だけど、こういうことを考えてみるのも、思考実験と言うか、色々と考えてみるのも楽しいって話がしたかったんだよ」


「そうですか。まあ、魔法なんてないですけどね」


大当たり確率を操作したい。パチンコを打つ人なら、一度は考えることだと思います。博士と太一くんは、今日も、人生や学びに関して話し合います。特に意味のないような話でも、二人は楽しんで話します。


「そう言えば博士。魔法を使えば設定6以上って、どういうことですか?」


「ああ、パチスロってのは6段階の設定があってだね。ジャグラーの設定1の合算確率が倍になったとしたら……」


これまでパチンコに関して話し合っていた二人ですが、遊タイムの期待値の話もしたので、パチスロの話もしていこうと博士は考えていました。パチンコに勝つために必要なものは学びでしたが、パチスロもまた、学びがあれば勝てると、博士は考えます。


そんな話をしながら、パチンコ以外の話もしたりしつつ、今日もユニバースⅢに向かう二人なのでした。



博士が読んだカクヨム小説。

https://kakuyomu.jp/works/16816700428851143868/episodes/16816700428997465746

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る