伊達巻ですが、この度特級パーティ『おせち』から追放されたので新たなる活躍の場を求めます!

ねこのうえのいぬ

【短編】伊達巻ですが、この度特級パーティ『おせち』から追放されたので新たなる活躍の場を求めます!

「お前はこの特級パーティ『おせち』から追放する。2022年の正月にはお前はもう必要ない。」


「え?なんで?」


「最近の人間は栗きんとんにハマっているようだ。お前と栗きんとんは少々キャラが被る。お前の人気低下は避けられないんだぞ。」


「だからって伊達巻はあの伊達政宗公の大好物で歴史が長いんだぞ海老!!!」


「そういうのがお前はウザいんだよ。歴史がなんだ?昔より今なんだよっ!」


「んっ!黒豆か。」

 (陰の権力者だ。黒豆がこの話を進めたのか?)


「まぁお前がいくらここでわがまま言っても俺らはこの方針を変えることはない。」


俺の名は伊達巻 特級パーティ『おせち』の元隊員だ。

元って言ってもたった一分前に追放されたんだけどな。


俺が栗きんとんとキャラ被りってあいつの目正気かよ!?

どう見たって似てないだろ。

どうせ子供から人気のある俺を追放して海老人気を子供まで広めようっていう魂胆だろうな。


「さっきの話聞いてたぞ。お前この特級パーティ『おせち』から追放されるんだってな」


「数の子・・・お前聞いてたのか。」


「まぁお前とは何だかんだ一緒に旅もしたし、相方として色々お世話になってたからな。海老とお前の話してるの偶々聞いちゃってショックだったよ。」


「そうか。このパーティメンバーの中で確かにお前と一緒にいることが多かったな。あの外様合戦は楽しかったな。いきなりマイナーなおせち料理の小魚とかが大量に突っ込んできて大変だったな・・・」


「あれは確かに面白かったな。」


「ところでお前は次どうするんだ?」


「就職先の事か?」


「あぁ」


「伊達巻はおせちでしか活躍できない。無職かな(笑)」


「笑い事じゃないだろ。どっか探さなくちゃいけないんじゃないか!?」


「もう無理だ。おせち系パーティは全部海老の支配下にある。」


「いやそれだったら俺が何とかしてやる。」


「数の子、気持ちはありがたい。が、そんなことしたらお前も追放されちゃうだろ?」


「それでもいい!お前が助かれば」


「そこまでしてやらなくていいよ。」



~それから3日後~ 送別会


「この度は伊達巻がこのパーティから追放されることになった。」


「「えぇぇぇぇ!?」」


「伊達巻からの言葉だ。」


「えーとみんなと共に正月を賑わせる事ができて幸せでした。今までありがとうございました!」


「「パチパチパチ」」


「伊達巻さん今までありがとうございました。」


後輩たちが続々とあいさつに来る。


「伊達巻・・・うぅぅぅ本当に今までありがとうな。」


「数の子!どうしたんだよっ!」


「今までお前のみんなを引っ張ってく姿に尊敬していた。本当に今までありがとうな・・・何もできなくてごめんな。俺がお前の意思を次いでおまえの分まで頑張っていくからな・・・」


「あぁよろしく頼むな。」

(数の子ってクールな奴かと思ってたけど案外熱狂的な性格なんだな。)



「伊達巻君、君新しい仕事してみる気はあるかい?」


「紅かまぼこさん!新しい仕事なんてあるんですか!?」


「ありますよ。伊達巻君。私らが良くいく店が君を受け入れてもよいと言っているのです。」


「紅かまぼこさんと白かまぼこさんの行きつけの店が!?」

 (紅かまぼこさんと白かばぼこさんは二人とも70歳を超えてる。老料理ホームとかの仕事かな・・・)


「その仕事というのは?」


「パフェです!!」


「んー?パフェ?」

(パフェ?この俺がパフェ??おせちからパフェ!?)


「早速今日そのパフェパーティのリーダーが会いたいと言っているのだが、伊達巻君今日は空いてるかね?」


「もちろんです会いたいです!!!」



~5時間後~


「伊達巻君、入りますよ。」


「はっはい・・・」

(めっちゃ緊張する・・・)


カチャ ドアを開ける


「いぇーい待ってたぞーん!!!僕がこの1級パーティ『パフェ』のリーダー 『生クリーム』だよん!!!今日は伊達巻君の甘さをパフェにも生かせると思って呼んだよん!!!」


何だこの人?? この人がリーダーなのか・・・めちゃくちゃ癖がありそうなパーティだな。てかかまぼこさんはこの人と知り合いって人脈すごすぎだろ。 でもなんか『おせち』と違ってワイワイしてそうで楽しそうだな。


「よっよろしくお願いします!伊達巻です。」


「ふふん!君のその目気に入ったよ~ん!!!もう君はこのパーティに入ること決定ね!!!」


「はっはい!よろしくお願いします。」


「早速だけどこのパーティの目的は『特級になる』ことさ。今1級なんだよん!!!」


「はっはい!」

(特級か、すごいな。でもこのパーティならいけるかもしれない。)


よしこのパーティで励んでみるぞ!


~1年後~

俺の事を追放した特級パーティ『おせち』は俺が今まで監修してきた料理界の財務大臣 栗きんとんの悪癖を俺の後の者がしっかりと監修することができず、『おせち』の資金をすべて栗きんとんが脱税し栗きんとんは海外へ逃亡した。


一方資金を取られた『おせち』側は破産し4級パーティへと降格した。

しかも、一部の人間は俺を追放したのが原因だと考え、紅白かまぼこ、栗きんとん一派は今俺が所属している特級パーティ『パフェ』へ移籍した。


何故、『パフェ』が特級なのかというと『おせち』が降格したことにより特級の少なさに懸念を抱いた料理界が1級のパーティで最も特級にふさわしいパーティを決める総選挙を行った結果、過半数以上を獲得したのが1級パーティ『パフェ』だったからだ。


今では俺はパーティの特攻隊長に任命され、パーティの幹部となった。

俺の甘さは若者に大ヒットしたのだ!


俺は1級パーティ『パフェ』を特級にした立役者として料理界の殿堂人となった。


これからも俺は人類を甘さで元気にしていくぜ!!!








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

伊達巻ですが、この度特級パーティ『おせち』から追放されたので新たなる活躍の場を求めます! ねこのうえのいぬ @2118765

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ