言葉

(!?)


 生まれて1ヶ月が過ぎようかという頃、朝に異変が起こった。

 起きてみると、体中の鱗が剥がれ落ちていたのだ。

 病気か、この年でハゲてしまったのか、と気を揉んだが、母竜が教えてくれた。


「脱皮だな。新たに強靭な鱗に生え変わるのだ。少しずつ成体に近づいている証拠だ」


 竜も脱皮で成長するのか。

 脱皮というと蛇のようにズルリと皮が剥がれるのを想像していたが、こういうものもあるのかと思った。

 床に散らばった黒い自分の鱗は、見た目は魚の鱗に似ているかもしれない。大きさは手の平くらいだ。


 脱皮が終わり、新しい鱗に生え変わるまで3日ほどかかった。

 黒い色も濃くなりツヤが増し、前より硬くなった気がする。

 剥がれ落ちた鱗は薄く、光を反射すると虹色にきらめき、とても綺麗だったので捨ててしまうのがもったいなく、住処の隅に小さく穴を掘り、定期的に脱皮で剥がれる度にその穴にしまって貯めておくことにした。


 人間だった頃に抜けた歯を縁の下や屋根の上に投げるということをしていたが、その時ももったいなく思っていた。

 捨てられない性格なのだろうか……。


 爪も硬くなっており、岩肌を爪で引っかくと岩に鋭い傷跡が残った。

 少し引っかいただけのつもりだったがかなりザックリと切れる。

 柔らかいものを触る時は注意が必要だろう。


 体も幾分大きくなり、岩壁が若干低くなっているような気もする。

 間違いなく成長はしているようだ。


 そんな驚きのイベントがあった以外には特に何事も無く、相変わらず外に行く許しは出ないので、今日も住処すみかの中を走り回る。

 最近は力の出し方もわかってきて、早く走ることやジャンプすることなどが以前よりスムーズにできるようになった。


 どこまでやれば疲れるのかと岩壁に張り付いたまま、家庭内害虫のゴキ●リさながらにガサガサと壁を走りまわる。

 壁に張り付いたまま走る自分を見て相変わらず何も言わないが呆れ気味な視線を母竜に向けられたが、自分の体のスペックを知るためにも限界まで走ってみたかった。


 中天にあった太陽が岩壁に隠れて見えなくなるまで走り回ってみたが、結果はほとんど疲れることもなく息も切れなかった。さすがは竜の身体、かなりの体力があるようだ。


(運動終わり。次次)


 動き回ることに慣れてきたら次はやはり飛ぶ練習だ。

 早く大空を自由に飛んでみたい。

 以前よりは翼を意識的に動かせるようにはなってきた。


 バッと翼を広げ、何とか前後に動かし羽ばたく動きを真似てみる。

 が、体が浮く様子は全くない。

 確かに母竜に比べ大きさは小さいが、体と翼の大きさの比率はそんなに違っているようには見えないのだが……。


 動きがぎこちないのは仕方がないと思うが、力強さが足りないのだろうか。

 何とか浮かび上がらないかと試行錯誤しているのを見て、飛びたいという意思が伝わったのか母竜に、


「まだクロ坊では飛ぶことはできないな。もう少し成長したら飛び方を教えよう」


 と言われてしまった。まだ無理なのか……。


「ただ練習することは悪いことではない。翼の動かし方は慣れておくに越したことはないからな」


 なるほど、無駄ではないようだ。

 じゃあ大空を舞うその時のために地道に努力しよう。


 ◆


 そんなこんなで2ヶ月くらいが過ぎた頃だろうか。

 あまり話すこともなかった母竜から食事後に声をかけられた。

 1ヶ月半を過ぎた頃から満腹になってもすぐ寝てしまうような強い眠気は来なくなっている。


「少し早いが、クロ坊に星術を教えよう。他の竜に比べて成長が早い上、暇をもてあましている様だしな」


(?)


 思わず頭の上にクエスチョンマークが浮かぶ。

 星術? 何だろうかそれは。まだ言葉すら覚えていないのに何かの技術を教えようとして大丈夫なのか……。


「クロ坊には私の声が届いているだろう?」


 うんうんと首肯する。確かに届いている。

 人間の口の動きとは程遠いのに意味がわかる。

 自分がしゃべろうとすると獣じみた鳴き声しかでないのに、ずっとなぜだろうと思っていたことだった。


「これは【伝想】という星術だ。相手に自分の考えや思考を理解させる術で、種族や言語が違っていても相手に考えを伝える事ができる。応用すれば言語基の違う言葉を発しても相手に通じ、また自分が理解できるようにもなる」


 テレパシーのようなものだろうか。

 いや、言葉でも通じるようになるということは翻訳機械と同じような物だろうか。

 竜はいわゆる超能力を使える生き物なのか。


「星術とはこの星に流れる星脈から星素をすくい取り、様々な現象を引き起こす術だ。我々古竜種は星術と呼んでいるが、竜、それも古竜種しか扱う者がいなくなったために獣種や人種などの他種族は竜魔法、あるいは竜語魔法などと呼んでいる」


 魔法……魔法があるのか。

 確かに説明を聞くと超能力というよりはゲームや物語などに出てくる魔法のような感じだ。

 いやそもそも竜がいる時点でもはや常識の範疇はんちゅう外だし何があっても不思議じゃないか。


「竜は生まれてから体の成長がある程度進むまでは、星術を使えない。星脈から星素を掬い取るための器である肉体が成長しなければ術を使うことはできないからだ」


 なるほど。星素とやらを取り込めるような体になるまで待っていたということか。

 またふんふんと首を振って話しについていっていることを示す。


「通常、星素を感じられるようになるには早くてもクロ坊の数倍の時を要するはずなのだが、見たところ既に下地は出来上がっているようだ。まずは星脈を感じ取れるようにならねばならんがな」


 魔法というとゲームなどの影響か、魔力を使って発動するという先入観があるが、星術とは星素とやらが魔力の代わりとなるようだ。


「星とはこの大地そのものといっていいものだ。星脈は他の生き物でいう血の流れのようなものと考えるといいだろう。星のいたるところに流れているが、大小がある。星素が満ちた場所では他の生物も繁茂する事ができる。逆に星素が少ない場所では土地も生き物も痩せ細ってしまう。今いるここは星脈の強い流れの上にあたる場所だ。練習を繰り返せばクロ坊もやがて星素を扱えるようになるだろう」


 生まれてから今まで自分の体のことばかり気にしていた。

 母竜が言うには今度は体の外に意識を向けていかなければならないということらしい。


「クロ坊は飛ぶ練習をしていたな。竜が空を飛べるのは翼があるためではない。星術を使って空を飛んでいるといっていいだろう。【飛翔】の術によって翼がなくともある程度は飛ぶことができる。翼は空中での自由な動きや、風を自在に受け術の負担を減らした飛行を行うために用いる。竜種以外でも空を飛べるものたちはいるが、やはり翼を持たぬ種族は自在に飛行することは難しい」


 確かにこの巨体を浮かすための力を生み出すにはこの翼では足りない。

 以前人間が鳥のように飛ぶためには人間のサイズですら身長の何倍もの大きさの翼と、人間の体に収まりきらないほどの強大な筋肉が必要となるという話しを聞いた事がある。


 鳥は骨の中を空洞にしたり、空気袋を体内に持つなど軽量化に軽量化を重ね、翼以外の筋肉を小さくし逆に翼を動かす胸筋を大きくするなどして自在に飛べるような体の構造になっているのだ。

 そういった体の構造をしていない人間や竜が体のみで空を飛ぶには魔法の力に頼るほかないのかもしれない。


「星素を掬い取り、術を使えるようになれば外の世界に連れて行こう。出られるようになったらまず行かなければならない場所もあるのでな。まずは星脈を感じ取り、星素を取り込めるようになること。そして一番に覚えなければならない【竜憶】の術を覚えることだな」


 空を飛べるようになることと外に出られることを聞き、俄然やる気が湧いてきた。

 ただ言葉が通じるようになる【伝想】よりも先に覚える必要がある【竜憶】とはなんだろうか。母竜はまずは星脈が先だとそのことは詳しく教えてくれなかった。


「では、目を閉じて足元に意識を向けてみなさい」


 言われるまま目を閉じてみる。瞑想なんてしたことはなかったが心を落ち着け、足元の地面に意識を向ける。


「大地の奥底、星の体内には星素の流れがある。それが星脈だ。まずはそれを感じ取れるよう日々訓練することだ」


 目を閉じてどれくらい経ったか。

 ……眠くなってきた。

 その日は結局、目を閉じても真っ暗なだけで何かを感じることはなかった。

 早く覚えて空を飛びたいのに……。


「気に病むことはない。星脈を感じ取る事ができるようになるまでは訓練が必要だ。すぐにできるものではない」


 それから日々の日課に瞑想が加わった。

 やはり魔法みたいな超常の力を自分でも使えるかもしれないと思うと、やる気が出る。

 人間だった頃は自己スキルを磨くような練習や訓練、勉強なんかは全然やる気が出なかったが、寝る間も惜しんでやってしまった。


 朝起きて母竜から食べ物をもらってから運動をする。

 翼の動かし方にも慣れておきたいし。

 運動を程々に切り上げると、次は瞑想だ。

 目を閉じ、大地に意識を向け、何かを感じ取れないかと集中する。

 集中している姿はきっと寝ているワニのようなんだろうな……。


 瞑想を始めて何日か過ぎたが、一向に星脈とやらを感じられる気配は無い。

 辺りが暗くなり、母竜が眠っても瞑想をしているが変化はないようだった。

 そんな様子を見かねたのか瞑想している際に声をかけられた。


「焦りは良い結果を生まない。誰でも時間のかかるものだと言っただろう。他の竜たちでも、星脈を感じやすい大きな流れの上で訓練しても長い時間を費やしている。ゆっくりやることだ」


 そんな言葉に焦りの気持ちが少し落ち着いた。

 そのせいかはわからないが少しずつ変化が現れてきた。

 まず瞑想をしていると、足にぬるい水の流れるような感触が時折感じられた。

 はじめは何だと思い瞑想を中断して確認したが、足元に特に変化は無く、瞑想をやめるとそんな感じもなくなった。


 しかし、日々の瞑想を続けていると徐々に感じる頻度が増え、やがて足だけではなく、手や尻尾、頭など体の各部分でもそんな感触を感じるようになった。

 それを気にすると意識が乱れるのでなるべく気にしないように瞑想に集中した。

 そんな水のような感触を気にしないようにし、更に深く深く意識を集中する。


 瞑想を始めた当初は目を閉じてもただ暗いだけの時間だった。

 だが最近は目を閉じて集中すると、まるで暗い海に沈んでいくような、真っ暗な森の中に分け入っていくような、そんな感じ方をするようになった。

 そんな深い瞑想をしていると、あのぬるい水のような感触が一段とはっきり感じるようになる。


 足元に集中し、深く深く意識を潜らせる。潜る深さが深くなるごとにあの水のような感触が強くなる。体全体で流れを感じられるほどに。まるで温かい温泉の川に身を浸しているような気分だった。


「ふむ。早いな。もう星脈を感じ取れるようになってきたのか」


 これが星脈……温かい……温度の温かさとは少し違う。

 心に染み入るような感じだ。


「星脈を感じる事が当たり前のようにできるようになれば、星術を使う準備が整う」


 こうして、少しずつ星脈に体の感覚を馴染ませていく。

 毎日の瞑想も変化が顕著に現れたことで更に身が入った。

 やがて目を閉じなくても意識を集中すればあの温かい流れを感じ取れるようになってきた。


 それを何日か続けていると、星脈を感じているときに目でも何かを感じ取れるようになってきた。

 透明な湯気というか、夏場にアスファルトから立ち上る陽炎というか、そんなもやもやしたものが視界に映るようになった。

 視界には入っているのに、視界がそれで揺らいだり視界が悪くなるということは無く、なんとも不思議な感覚だ。


「いよいよ星素をとらえることができるようになってきたな」


 目をこすったりしばたかせたりしていると、そんな様子から判断したのか母竜から言われる。

 このもやもやが星素なのか。集中していないと確認はできず、意識を切ると途端に見えなくなってしまう。


「その透明な揺らぎが星素だ。星素を操れるようになれば、星術を使う事ができるようになる」


 星素は地面のあちこちから漏れ出ている。

 透明なので近くないとよく見えないが、空の上にも漂っているのかもしれない。

 星素に触れようと手を伸ばすが、やはり湯気に手を伸ばすようなもので、触ったという感じは無い。

 また暫くは星脈と星素を感じる訓練に明け暮れる。


 そんな訓練をして更に日々が過ぎていく。

 もう慣れたもので、普通にしていても少し意識を集中すれば星脈の流れも、星素の揺らぎも感じ取れるようになった。


「よし。そろそろ頃合か。では今日から星術の訓練をしよう」


 いつもの食事の後、今日からは術を教えてもらえるということを告げられる。


「初めに言ったな。まずは【竜憶】を使えるようにならなければならない。【竜憶】とはすなわち、この術を使い始めた原初の竜から今の時代の竜に至るまでの長い時間に蓄えられた竜たちの知識を引き出す術だ。我々の胸には竜核という命の源となる石が埋まっている」


 胸にある命の源……。

 心臓みたいなものだろうか。

 そんな風に思い自分の胸を見て撫で回す。


 そういえば心臓の鼓動のようなものは感じない。

 鱗や皮膚が厚いから手まで伝わらないのだろうか。

 竜でも血は流れているようだが……。


「竜核には歴代の竜たちの知識が納められている。他の生物も本能として生きるために必要な情報を生まれたときから備えているが、それは必要最低限で極僅ごくわずかなものだ。竜核はそれとは比較にならない情報を収めている。私やクロ坊も死ぬ時になると、竜核に今までの知識や経験、技術といったことが書き込まれる。肉体が死した後、竜核に蓄えられた情報は次世代の竜たちに引き継がれていく」


 説明を聞いていて現代社会のサーバーに似ているなと思った。

 様々な情報を書き込み、蓄え、アクセスすることで必要な情報を引き出す。

 どんな原理かはわからないが仕組みは似ている気がする。


 言語を獲得し、文字や絵といったもので情報を後世に残す事ができるようになった人間は、獲得した知識技術を失うことなく子の世代に受け継がせたり、長い時間を超えて残すといったことができるようになった。

 竜は文字や絵の変わりに竜核に知識や技術を残すことで高い知性と技術を受け継いでいるようだ。


「【竜憶】には星術に関する様々な情報も含まれている。言葉を交わすための【伝想】、飛ぶための【飛翔】も入っている。すなわち【竜憶】さえ使えるようになれば、基本となる星術は使えるようになるということだ」


 それひとつができるようになれば、いよいよ念願の大空へ舞い上がる事ができる!

 思わず目を輝かせてしまう。


「【竜憶】は星術の一つだ。まずは星術を使うために必要な星素を集めなくてはならない。星素はこの世界に満ちているが、ある程度の量を体内に取り込んで蓄えておく事が必要だ。

 星術には星素を体内に蓄えて使うものと、大気になどに満ちたものを集めそのまま使用するものとがある。【竜憶】の術や身体強化の術などは体内に取り込んでから星素を使う。逆に外界に働きかける種類の術は取り込む必要は無く、辺りにある星素を直接利用し使用することができる。

 例えば───」


 そういうと説明を止め、鼻の先に小さな火を灯す。

 何も無い空中に突然小さな火が生まれた。

 それにそれに驚き目をまん丸にして火を見つめる。

 決して大きくはないが確かに燃えている。


「これは火というものだ。クロ坊は火を見るのは初めてだったな」


 驚いたのは火を初めて見たからだと思ったのか、そう付け加えた。

 当然火ではなく、何も無い場所に突然現れたことに驚いたのだ。


 それにしてもこんなものを見せられるといよいよファンタジーな世界に来たのだということが現実味を持って感じられるようになってきた。

 いや、自分が竜になった時点でファンタジーなんだけど……。

 実際に物語のように術で火が起こるとやはり感じるものが違う。


「火を起こす、水を生み出すなど外界に直接干渉して何かを引き起こす種類の術は辺りにある星素を体の回りに集め、使う事ができる。【竜憶】や身体強化などのような自身の体に干渉するような術を使う場合はまず体内に星素を集めなくてはな」


 そう言うと静かに燃えていた火が消える。

 目をキラキラ輝かせそれを見ていたが、いよいよ自分の番だと気持ちを切り替える。


「流れを感じた星脈からは大量の星素を汲み取れる。辺りに漂う星素でも可能だが体内に取り込むときは星脈を意識すると良い。自分の体にその流れが入ってくるイメージで意識を集中させると、やがて体の中に充溢じゅういつしてくるのがわかるようになるだろう」


 言われた通り、今までしていたように瞑想の姿勢をとり、星脈を感じる。

 普通にしていても感じることはできるが、やはり瞑想をしている時は集中できる。

 温かな流れが足や尾から腹に、胸に、頭に流れ込むイメージ。

 あの温かさが静かに体に満ちてくる。


「そうだ。それでいい。その感覚を忘れないことだ。

 これで星術の準備は整ったな。術を使うときは星素が足りていればイメージすることで使うことができる。知識を引き出したい時は知りたいことをイメージする。肉体を強化したいときは強靭な肉体をイメージする。視覚を強化したいときは物をはっきりと見ることをイメージする。

 まずは【竜憶】だ。自分の胸にある竜核を意識し、知りたいことを思い浮かべるだけでいい。それができたら【伝想】をやってみるといい。相手に気持ちを伝える、言葉を交わすことをイメージしてみなさい。慣れれば無意識的にできるようになるだろう」


 そういわれて目を閉じたまま、まず【伝想】を知りたいと強く思う。

 すると母竜が言ったように【伝想】の使い方が頭に入ってくる。


 母竜が説明してくれた通り、【伝想】を使うには体内に星素を集め、伝えたい相手に自分の考えや言葉を送るイメージをすればいいようだ。

 それを基にして会話をする様子を思い浮かべる。人間だった頃のイメージだったが大丈夫だろうか。


「あー。おー。母上」


 声が出た。

 意味がある言葉だ。

 何度声を出そうとしても「ギャァ」だの「キューン」だのといった獣の鳴き声だったのに。


 母竜の呼び方をどうしようかと考えていたが、母上にした。

 母さんでは人間だった頃の母親を思い浮かべてしまう。

 ママ……は、ちょっと……。精神的にはそんな年でもないし、今までで親をそう呼んだこともない。恥ずかしかった。


 お袋、おかん、これも違う気がした。

 先生や師匠のような敬うような存在であったし、母親。そう思ったら母上がいい気がした。


「おお。物覚えがいいな、クロ坊」


 嬉しそうな声音に思わず今まで言えなかったことを吐き出した。


「母上! 母上! 持ってきてくれた肉を食べられなくてごめんなさい! 果物美味しかったです! ありがとうございます! 色々教えてくれてありがとうございます!」


「ふふ。親が子をいつくしむのは当たり前だ」


 こうして言葉の壁の問題がなくなり、色々なことを自由に聞けるようになった。

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