第546話 サブイベント進行状況
「……さて、どうするか。もう戻るか? サブイベント途中だけど」
俺はそう言った。
本来はカルツ山道での《虫の魔物》退治がサブイベントだったわけだが、《
そして結構な先頭を行ったので、かなり気疲れしていた。
このままサブイベントを進めても、集中力が保てないような気もした。
加えて、今回得た情報については賀東さんや相良さんなど、大規模ギルドにも早めに共有しておきたかった。
こんなところにあんな風に出現したと言うことは、他の場所でも今後、普通に出現する可能性がある。
今回、
《虫人》……いや、《蟲族》と言うのが適切か……がいる、という話は聞いていたが、あそこまで強力な存在だとは思ってなかった。
舐めすぎていたのかもしれない。
そういう諸々もあって、戻った方がいいだろう、という気になっていた。
そんな俺に、雹菜がステータスプレートを見ながら言った。
「戻るのは戻るでいいと思うんだけど……創、ステータスプレート確認した?」
「え? いやしてないけど」
「じゃあ見てみて」
そう言ってきたので確認してみる。
すると……。
「あっ」
カルツ山道の魔物退治:カルツ山道にて《虫の魔物》の出現が相次いでいるという話を聞いてきたものの、そこにいたのは《蟲族》の先兵だった。多数の《虫馬》を連れてきていた彼らの目的が何なのかは分からない。ただ、そこには何かしらの危険な企みがあることは確実だろう。とはいえ、当初の目的は達成した。街に戻って報告し、報酬を受け取ろう!
そんなことが書いてあった。
最初の記載と大幅に変わっている。
他のサブイベントでも、報酬を受け取ろう、みたいな部分とかが変化していたことはあった。
しかし、ここまで大幅に、かつ知らない情報まで付け加えられて変わっていたことは流石になかった。
だから俺は言う。
「これって……本当の話なのかな?」
「ステータスプレートが嘘を付いたことは今まで一度もなかったからね。本当のことなんでしょう。《蟲族》の先兵ね……何か目的があって、ここにいたと。普通に考えると、馬を連れてきた兵士のやっていることって、偵察とかそういうことよね」
奴らに人間の理が通用するのかどうかという問題はあるにはあるが、それはとりあえず置いておく。
そうでないと話が進まないからだ。
それに会話していて、そこまで価値観が大幅に異なっていると言う感じもしなかった。
これは他の他種族、ゴブリンとか蜥蜴人でもそういう傾向がある。
人型で、文明を築いている以上、ある程度の共通性はあると言うことかなとか思う。
「そうなるな……しかも危険な企みって。まぁでもそもそも蜥蜴人たちを攻めているわけだし、今更と言えば今更だが」
「それはそうね。ただ、早めに共有した方がよさそうだわ。街に戻って賀東さんたちを探しましょう」
「あぁ」
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