第339話 スキル確認

名称:*****《霙》

種族:竜(無)《幼体》

レベル:3/100

種族固有スキル:《滅尽吐息》《下級属性吐息》

一般スキル:《下級無術》《下級氷術》《下級爪術》《下級牙術》


「……やっぱり、レベル低いうちは簡単に上がるのかな? また上がってるな……」


 みぞれのステータスを意識すると、レベルの数字が3に上がっていた.

 まぁでも、スライムを倒して一つ上り、オークを倒してさらに一つ上がった、と考えると、レベルアップのペースは鈍化していると言えるのかもしれない.

 オークはスライムよりも二段は格上の魔物で、それを倒してなお、一つしかレベルが上がらないのであれば、ここから先、またレベルを上げるのは厳しくなっていくはずだと推測できるからだ。


「レベル上がって、スキルはどうなったの?」


「いや、今回は特に何か変化はないな。最初に《下級属性吐息》を覚えたのは、サービスみたいなものだったのかも。ゲームやっててもあるだろ。初期の方にちょっとレベル上がっただけでなんか有用なスキル覚えたりとか」


「……そうなの? あんまりゲームはやらないから……」


 雹菜がそう言った。


「私は山奥で暇だったのでかなりやりましたので分かります」


 静さんが続けてそう言った。

 そういえばこの人はあの山奥で引きこもりニートみたいな生活をしていたんだったな。

 とはいえ、一回鑑定すれば数百数千万のお金を手にできていたわけだし、ニートではなかったんだろうが。

 

「……まぁ、わかってもわかんなくてもいいんだけどさ」


「そう? ともあれ、そういう事なら、ここからはスキル覚えにくくなるのかしらね」


「どうだろうな。人間みたいに行動とかで覚えられたりする可能性もあるが……」


「他にはキリのいい数字で覚えるというパターンもありますね。最初だけサービスで例外、なら5とか10とかで覚えるとか」


「あぁ、あり得そうだな……じゃあもう少しレベル上げ頑張るか。だがその前に……」


「無術と氷術を試してみた方がいいわね。ここら辺なら誰にも見られないでしょう。特に無術の方は気になるわ。聞いたことのない術スキルよ、それ」


「だよな……静さんはスキルの詳細とか見られますか?」


「いえ、それが……霙ちゃんのスキルは詳細どころか、持ってるスキルすらやはり全く……役に立てず申し訳ないです」


 そう言って深く頭を下げるが、俺は慌ててフォローする。


「いやいや、霙の場合、存在そのものがよくわからないですから……それに、普通に鑑定しようとしても出来ないってわかったんですから、それだけでもいい情報ですよ。他の鑑定士に見られたときに何を言えばいいのか分からないじゃないですか」


「そう言ってもらえると助かります……ですが、無術ですか。本当に聞いたことがないですね。たくさんのスキルを見てきた私ですら」


「近いスキルとかも静は聞いたことがないの?」


 雹菜が尋ねる。


「はい……私は立場上、様々なギルドのスキルリストを手に入れることが出来ましたし、積極的に手に入れて確認してきましたが、その中にはないものです。《無》がつくスキルはいくつか浮かびますが……《無音〜》とか《無形〜》そういうものばかりで、《無》そのものがスキルの根幹のようなものはないですね」


「あぁ、無音暗殺術とかそんなのね。確かにそれなら私も聞いたことあるわ」


「だが流石に関係なさそうだな……まぁ、使ってみて貰えば、分かるか」


「そうね……じゃあ、創、それに霙、お願いできる?」


「あぁ」

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