第6話 オトラル戦3
人物紹介
ホラズム側
スルターン:ホラズム帝国の君主。
イナルチュク・カン:オトラルの城主。カンクリ勢。
人物紹介終了
イナルチュクが見下ろす先には、信じ
その後は、かなり距離を開けて集結する様を見せておった。こちらの奇襲を警戒してのことであろうと想われた。
しかし、今ではその距離を縮め、続々とここを囲む如くに軍を展開しておった。その軍勢の規模は明らかに、チンギス・カンがオトラルに主力を振り向けたことを示しておった。スルターンのおるサマルカンドへ攻め入ることを前提とするならば、ホジェンド経由の方が明らかに近い。あえてオトラルに進軍した理由は、恐らくただ一つ。まさに、
イナルチュクは、スルターンから聞いておった。チンギス・カンが
イナルチュクは正直、想わざるを得ぬ。こちらが殺したのは、隊商の百人ちょっと、それに先の使者1人。そのわずかの仇を討つために、あの遠き地から、これほどの軍を率いて来たのか。恐らくチンギス・カンという男はまともな人間ではないのであろう。そう想うとともに、まさにその男に己が
(後書きです 本話中の使者のエピソードは1部の『問責の使者1』『同2』に記しております)
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