【おまけ】立花里奈のセリフより、一部抜粋

(立花里奈のセリフより、一部抜粋)


「お兄ちゃんはすごいだよ。小学校の時から歴史の勉強をしていて先生にもいろいろ聞いていたんだよ。四年生の時は社会の先生が女の人だったのが気に入らなかったけど。あの先生絶対お兄ちゃんに変な事しようとしていたもん。お兄ちゃんに笑いかけたり、優しい声で話したりしてたし。里奈もお兄ちゃんに歴史を教えてもらったから社会の成績は良かったんだけど、お兄ちゃんにはかなわないなぁ。だってお兄ちゃんは天才だもん。歴史だけじゃなくて国語も数学も英語も理科も全部成績が良かったもんね。毎日勉強を欠かさずにしていて、その背中をずっと見ていたんだ。でもその間は里奈は独りぼっちだったけど問題ないよ。だってお兄ちゃんの背中とか横顔とかずっと見ていたもん。勉強が終わったら里奈と話をしてくれたし。そんなお兄ちゃんだから成績は常にトップで全国模試もかなりの成績だったわ。一位になったことはないけどお兄ちゃんは特にこだわらなかったの。勉強は自分の為であって知識は誰かと競うための物じゃないって。その言葉を聞いたときすごく感動したの。だってみんなテストの点数とか順位とかでぎゃあぎゃあ言ってるのにお兄ちゃんはそんな価値観とは関係ない場所を歩いているんだもん。これこそ本当に頭のいい人なんだなぁって里奈も納得したし、里奈もそうなりたいって本気で思ったの。だから里奈も数字にはこだわらずに自分を鍛えるために部活ができたわ。お兄ちゃんがいなかったら数字にこだわりすぎて自分を見失っていたと思う。お兄ちゃんの背中を見てすごいなって思うことは成績だけじゃないわ。苦手なことを苦手と認めることなの。確かにお兄ちゃんは運動が苦手でほかの人達と比べて体力もないけど、それも個性の一つと認めて受け入れていたわ。運動の事で小ばかにされてもそれを笑って受け入れるだけの強さがお兄ちゃんにはあるの。もちろんその馬鹿にした人はあとで後悔させてあげたわ。自分より低学年の女に運動能力で劣ることを示されてプライドばきばきに叩き追ってあげたの。お兄ちゃんはやりすぎだって言ってたけど里奈はもう少しやってもよかったと思う。だってお兄ちゃんを馬鹿にしたんだから一生後悔するぐらいの心の傷を負わせないと。だって私はお兄ちゃんに近づいて色目を使おうとする女性とかお兄ちゃんを馬鹿にする人とかずっと覚えているんだから。そうしないと割に合わないと思うわ。あとお兄ちゃんはずっと夢を追い続けているところも尊敬できるの。小学校卒業の時に書いた作文なんだけど『ぼくの将来の夢は歴史博士になることです。昔の時代の事はまだわかっていないことが多いけど、それを解明していきたいです。昔の事を知ることは未来への道標になる。だからぼくは歴史を勉強していきたいです』っていうのがあるんだけど、お兄ちゃんは小学校からの夢をずっと追い続けているの。中学校の時も歴史の勉強を続けて、高校の時には有名な歴史の先生とお話をして、大学も歴史の学科で勉強しているわ。一つの事をずっと追い続けるその姿を見て、里奈はすごく感動したの。だってほとんどの人は途中で夢をあきらめたりするし熱意が冷めて別の道に行くのが普通なのにお兄ちゃんはずっと歴史の事を追い続けているんだもん。その熱意を里奈にももう少し向けてほしいと思うけど、でもその歴史に対する熱意こそがお兄ちゃんなんだからと思うとそれも違うかなって気がする。でもお兄ちゃんにずっと研究され続けるとか考えると里奈はすごく嬉しいしそうして欲しい。こんな気持ちにさせるなんてやっぱりお兄ちゃんはお兄ちゃん。私にとってお兄ちゃんは道標で目標で憧れで神。知ってる? 兄っていう字は昔の人が神にささげる言葉を乗せた器を持つ人が成り立ちなんだって。つまり兄と言うのは神様に仕える人なの。でも私にとってはお兄ちゃんが神。本当の神様なんてどうでもいい。お兄ちゃんより上には人はいない。お兄ちゃんが最高。ふふふ、当然だよね。だってお兄ちゃんはお兄ちゃんなんだもん」


「そんなお兄ちゃんだからいろんな人もその魅力に気づいているんだ。だけどお兄ちゃんの事を一番知っているのは当然里奈んだよ。幼馴染で一つ年上の愛子姉さんもお兄ちゃんと長い付き合いだけど里奈にはかなわない。その事は里奈が懇切丁寧に何度も何度も何度も何度も説明して納得してくれたの。お兄ちゃんの魅力に気づいて好きになるのは仕方ないけど、無駄な時間を使う前に分不相応だと気づかせてあげるのは妹の務めだもんね。そんなの当然じゃない。他にもさっき言ってた小学校四年生の時の歴史の先生も先生と言う立場を利用してお兄ちゃんに迫ってきたんだけど里奈のm戦に気づいて1m以上は近づこうとはしなかった。さすが大人の人は空気が読めるって里奈感心した。逆に空気が読めてなかったのは中学校の時の生徒会書記だった子。あの子の目はお兄ちゃんを奪おうとする目だったから里奈は容赦なく無駄だってことを説明してそれでも隠れてSNSでアタックしていたみたいだけどそんなのお見通し。お兄ちゃんのスマホチェックは欠かさないからね。兄妹だからスマホ見ても構わないもん。里奈もお兄ちゃんにスマホ見られても構わないよ。お兄ちゃんのこれまでを記録したお兄ちゃんファイルとかいつだって見てほしい。高等部に入ってからはお兄ちゃんにアタックする人が多くなって大変だった。里奈が中学部で高等部の校舎に入りにくい隙を狙って2人がお兄ちゃんにアタックしてたの。一人は歴史同好会の先輩、もう一人はお兄ちゃんと成績を張り合っていたクラスメイト。油断も隙もあったものじゃないわ。確かにお兄ちゃんと張り合えるだけの歴史の知識もあるし、頭のいい人なんだけど貴方達が見ているのはあくまでお兄ちゃんの頭の良さ出会ってお兄ちゃんの本質を見てるんじゃないってことを教えてあげたの。里奈の熱意とお兄ちゃんの愛に気づいたのか、2人とも首をものすごい勢いで縦に振って納得してくれたわ。さすがは高校生の先輩。自分を客観的に見ることができるなんて年齢相応ね」


「当然皆川さんも高校生で分別が付く人だから里奈の言いたいことは理解してくれるって信じてる。水着にブレザー羽織っただけの痴女かもっていう印象だったけどしっかりとしたものの考えをする人だっていうのはわかったし。これが見た目通り第一印象通りの人だったら自慢の女体をさんざんいたぶってそんなものじゃお兄ちゃんの木を惹けないしそういう恰好をすることでどんな目にあっても仕方ないっていう現実を教えないといけなかったんだけど、世界がこういうことになった以上は仕方ないってお兄ちゃんの意見は正しいから里奈も納得する。だってお兄ちゃんの言うことは全部正しいんだもん。生まれた時からずっと一緒にいるお兄ちゃん。これからもずっと一緒にいるお兄ちゃん。世界がこんなことになったけどそんなの関係ない。だってお兄ちゃんが一緒にいるんだから。だからこれからも大丈夫。むしろお兄ちゃんの邪魔をする女がいなくなったからより良い世界になったかもしれない。こんなこと言うとお兄ちゃんは不謹慎だって怒るんだけど思うことは自由だもん。好きな人と一緒にいたい。好きな人との時間を邪魔されたくない。それは人として当然の感情。だよね?」

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