~魅惑のマドモアゼル~

たから聖

第1話始まりの序章

~薔薇のマドモアゼル~


権力者に溺れる…。 それは果てしなき抗いであった。


ある晴れた日、父親と母親が、ドライブがてら出掛けようとリサに提案してきた。


リサは目をキラキラさせて…

『テーマパークに行きたいわ!お父様!』

と腕にしがみついた。 母親は

『お出掛けの準備しなくちゃね?』

ちょっと疲れ気味の母親は…父親の高級外車の助手席に乗った。 リサは、くまのぬいぐるみを持ち、お気に入りのピンクの肩下げ型バッグに飴玉を忍ばせた。


リサは後部座席で、窓越しの風に花の匂いが、ブロンズの髪に絡みつくのが心地良かった。 リサは景色を見ながら、はやる気持ちを押さえていた。


『お父様!お母様!まだなの~?』

権力者の父親はリサの猫なで声がイライラする原因だった。


夫婦喧嘩の原因は…リサのうっとおしさにあったのだ。昨晩もそうだ。 父親は凄いけんまくで巻くし立ててくる。 母親は従うしかなかった。 リサを身ごもった時もそうだ。


『子供の為に豪邸を建てるんだ。良いアイデアだろ?わっはっは』

と高笑いをし、


『私の子はさぞやモテるんだろうなぁ。この子を嫁にやるには選りすぐりのを見繕ってやらんとな?んん?』 自慢気に赤子のリサを、さもいとおしげに接し周囲にはそんな茶番劇で、誤魔化していた。


しばらくドライブして…テーマパークへ着いた。催し物で沢山の景色に…リサは目がクラクラしていた。リサは、


『サーカスが見たいわ!お父様!』


とちょこまかとまとわりついてきた。 父親の逆鱗に触れる態度をリサは読めなかった。

『リサ、ちょっとおいで。ピエロさんが待ってるよ。』


父親がサーカス団員にチップを多めに渡していた。サーカス団員と父親が怖い表情を浮かべて密談をしていた。


リサは、ドキドキしながら隠れてその場面を見ていた。





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