第5話 早口言葉


 月曜日って、どうしてこんなにも憂鬱なんだろう。土日は良かった。朝ごはんさえ準備しておけばいくら寝ていてもミランダ様に叱られないし、セーレムと遊びながら発声練習や課題の練習できるからすごく楽しくて。でも、月曜日になったら学校とアルバイト生活が待ってて。アルバイトで働いたところで半分は学校代で取られて、残り1割ずつスマートフォン代、交通費、親に送るお金があるから自分が使えるお金はたかが知れてるし、あーあ。今日のどんな課題が出されるんだろう……。電車の中に設置されたモニターが今日の日付と時間を表した。ああ、もう月の真ん中か。早いなぁー。こうやって20歳になっていくんだろうなぁー。早いなぁー。


(……あれ、待って。今日この日付ってことは……)


 あたしは電車の中で抱きしめてたリュックからスケジュール帳を取り出す。


(……特別講師教室だ!)


 うわあ。一週間前の予定表と勘違いして余計な教材持ってきちゃった!


(今年もやってきたか。特別講師教室……)


 プロの魔法使いが数人、一週間学校に来て生徒達の勉強を見てくれる。今までは学生だったからたったの一限だけで終わってたけど、研究生クラスに上がったあたしは、もっと見てもらえるというわけだ。


(へえ。今年はどんな人が来るんだろう。事前情報無い分、結構楽しみなんだよなぁ!)


 最近活躍してる人かな。テレビに出てる人かな。それとも口コミの評判だけで個人依頼のみ受けてる人かな。色んなパターンで稼いで活躍している人たちが来る。しかもプロ。現役魔法使い。


(ミランダ様とはまた違う先生に見てもらえるなんて、今考えたらすごくありがたい機会だよな。この機会にわからないこといっぱい質問して吸収しないと)


 ――電車が止まった。


(え?)


『ただいま、中央区域行き電車で、緊急ボタンが押されました。確認中ですので、しばらくお待ちください』


(……うわぁー。まじかー……)


 結局電車がかなりの遅れで動き出し、遅延証明書を貰い、あたしは駅から出た。


(こういう時、飛行魔法覚えてれば楽なんだよな。ミランダ様に訊いても『お前にはまだ早いよ』って言われてお終いだからな。はあ。……よし、諦めて明日も電車通学だ……)


 完全に遅刻の状態で魔法学校にたどり着く。遅刻してきたのはあたしだけのようだ。歩いてる人が居ない。あたしは今日の特別講師教室の場所を階段横にある掲示板で確認する。


(……六階講義室……了解)


 エレベーターが来てあたしはそれに乗り込んだ。閉じるボタンを押そうとすると、横からマリア先生が走ってきたのが見えた。


(あ)


 あたしはすぐに開くボタンを押し、エレベーターの扉を開けた。


「おはようございます」

「おはよう。ルーチェ。ありがとう」

「何階ですか?」

「職員室」

「13階ですね。先生も電車遅延ですか?」

「電車遅延? あら、遅れてるのね。私は違うの。用事があって」

「ああ、そうなんですか」


 あたしが言いながら階のボタンを押すと、マリア先生達がエレベーターに乗りこんだ。あたしはもう乗る人がいないのを確認して閉めるボタンを押して、エレベーターの扉が完全に閉じられた――その瞬間、


「っっっっっっっっっっ!!!!??」


 突然――ぞくぞくと背筋を走るような悪寒、寒気を感じ、あたしは息だけの悲鳴を上げた。マリア先生が驚いて顔の青いあたしに振り向く。


「あら、ルーチェ、どうかした?」

「な、な、なんか、なんでしょう……?」


 あたしの体中がぶるぶる震え出す。


「急に、その、寒気が……」

「……あ、さ、寒気?」

「お、悪寒……? 寒気……? なんか……背中を舐められてるような……」


 ぞくぞくぞくぞくぅ!


(ひいいい!? 何、何、何、何!?)


「か、風邪を引いたかもしれません……! でも、あれ、おかしいな……? 鼻水が出てない!」

「ふふっ」

「あー……エレベーターって、ほら、急に寒くなったりするから……」

「でも、まだ春になったばかりですよ……?」

「ルーチェ、六階に着くわよ」

「あ……」


 エレベーターが開いた。


「今日の授業も頑張ってね」

「ああ、はい……頑張ります」

「じゃあね」

「うん。じゃあね」


 エレベーターの扉が閉まった。


(……あれ?)


 あたしはちらっとエレベーターに振り返った。


(今……あたし誰に返事したの?)


 ……?


(本当に風邪引いた?)


 あたしはクソ重たい石で出来たドアを押して入り、ろうそくが灯された薄暗い六階講義室に入った。既に皆席に座っていて、あたしも空いてる席に向かって歩く。歩いてる時に10歳からのクラスメイトに挨拶された。


「ルーチェおはよー」

「おはよう」

「ママおはよー」

「おはよう」

「おばさんおはよー」

「おばさんって言わないの。おはよう」

「ルーチェちゃんおはよう」

「おはよう」


 魔法学校のクラスに年齢は関係ない。10歳で上がれる子もいれば、20歳になっても学生のままで終わる人もいる。あたしのような19歳の人は、10歳位の子からはどうしてもママ認定されてしまう。いい? 君達もいずれ19歳になるんだからね。ベリーを素通りして、あたしは年の近い子の近くに行く。


「隣、い、いい?」

「うん。ルーチェ、おいでー」

「ありがとう」


 あたしが席に座ると隣の席の子が声をかけてきた。


「電車?」

「そう。遅延。まだ先生来てない?」

「うん。まだ」

「そっか」

「楽しみだね。今年は誰来るんだろう」

「知らない人だったら後で調べないとね」

「マリア先生のことだから有名な人連れてくると思うけどね。……私のクラス、去年はホーリー・マロックが来てくれたの」

「ホーリー・マロック……? あのホーリー?」

「そう! すごかったよ! 地面からこう、一気に草がにょきにょきにょきーって伸びたかと思えば、辺り一面花が咲いて!」

「あたしのところはベネル、ル、……ルゼ・リュートンだった」

「え、来てたんだ?」

「クラスによって先生分かれるからね。すごい人が来てても気付かないよね」

「ええー。見たかったな。電気魔法どうだった?」

「電気魔法はやっぱり痛い。……あたしは正直……もうやりたくないな」

「あ、……来た!」


 教室の後ろにある扉が開く音が聞こえて、あたし達は背筋を伸ばして授業を受ける体制を取る。手元にはペンとノート。よーし、いっぱい話聞くぞー。フィリップ先生が入ってきて、あたし達に振り返る。


「おはよう。諸君。今日は皆待ち焦がれていた特別講師教室の初日だ。この一週間、先生から様々なことを吸収するように」

(吸収するのは良いけど去年みたく痛い電気魔法をやらされるのは嫌だな。三日は痛み消えなかったもん。あれ)

「それでは先生、お願いします」


 皆がにこにこして振り返った。あたしも笑顔で振り返った。

 皆が目と口を開けて硬直した。あたしの笑顔が一気に凍りついた。

 扉から入ってきたのはプロの魔法使い。薄い桃色の長髪をなびかせて、可愛いデザインの靴のかかとの音を響かせ、大きくて丸くて可愛らしいぱっちりした瞳に、長くカールされたまつげ。

 クラスメイト全員(あたしを除く)が、興奮に胸を弾ませた。


「皆はもちろん知ってると思うが、今を生きる現役魔法使い、氷魔法使いのパルフェクト先生だ!」

「皆さ~ん、初めましてぇ〜!」


 ――六階講義室から大歓声が響き渡った。悲鳴のような声を荒らげ、拳を握り、涙を流し、喜び合って友達同士で抱きしめ合うクラスメイト達。まるで動物園。まるで幼稚園。まるで保育園。彼女にしたい魔法使いランキング第一位のパルフェクト。結婚したい魔法使いランキング一位のパルフェクト。今年一番女優の仕事をしていた魔法使いランキング一位のパルフェクト。流行魔法使いと言ったらランキング一位のパルフェクト。全てが完璧。パーフェクトの氷魔法使い、パルフェクト。


 笑顔を浮かべ、教室内全体に美しい声を響かせる。


「先生になるのは初めてですが、皆さんのお力になれるよう授業をさせていただきますので、一緒に頑張りましょうね!」


 あたし一人、ガタガタと体を震わせながら顔を俯かせ、両手でしっかりと自身を抱きしめる。


(わかった。さっきエレベーターで妙な悪寒と寒気がした理由。そうだ。マリア先生がエレベーターに乗る時に)


 マリア先生以外で、誰か乗ってた。


(マリア先生が魔法をかけたんだ。生徒のあたしが驚かないように。どんな人が目の前に居ても視界に入らない魔法。そうだった。マリア先生お得意のやつじゃん……!)


 ってことは、エレベーターに乗ってたのは、マリア先生と、あたしと……。


「今日は初日なので」


 ――ぞくりと、寒気がして――ゆっくりと顔を上げると――桃色の瞳と目が合った。


「わたくしがどんなお仕事してきたか、お話したいと思いまぁ〜す♡」


 ――あたしは固唾をごくりと飲み込み――青い顔のままパルフェクトを――睨みつけた。



(*'ω'*)



「パルフェクト先生、僕ね、経験不足ってよく言われて悩んでるの!」

「大丈夫ですよ! 経験はこれから積むものなのですから! あなたの場合まだお若いでしょう? 今までの人生だって経験ですこれからも色んなものを見て、聞いて、どんどん積み重ねていきましょう?」

「パルフェクト先生、この魔法、先生だったらどんな風に見せますか?」

「あくまでわたくしだったらのお話ですよ。わたくしであれば、氷の結晶のパズルを作り出します。氷の結晶って一つ一つ形が違って、絶対に同じものがないのは知ってますか? こうしてお客様を魅了させますね! うふふ!」

「パルフェクト先生ー!」

「先生、次は私!」

「はいはい! 順番に聞いていきますよー!」


 あたしは奥歯でガムを噛む。ひたすら噛む。噛んで噛んで噛みまくる。噛みすぎて下顎が崩壊しそう。でもガムがないと歯が砕けて無くなりそう。歯を食いしばらないとストレスで頭がどうにかなりそう。質問し終えた年齢の近いクラスメイトが声をかけてきた。


「ね、ルーチェも質問しておいでよ」

「早口言葉で言いづらいのあるって言ってたよね? 小さなことでもいいから訊いて来た方がいいよ。プロの人と話すのもやっぱり大事だよ」

 ……いや、あたしは、今……ほら……ガム噛んでるから……。

「それにしてもびっくりだったね。パルフェクトさんが来るなんて!」

「テレビで見るよりずっと綺麗!」

「ね! 本当! 生で見た方がずっと、やばい!」

「手足がもうほっそいの!」

「ルーチェ、勿体ないよ。せっかくあのパルフェクトがうちのクラスの特別講師になったのに!」

 いや、本当に、あの、自分のタイミングで行くから……。大丈夫だから……。

「他に質問ある人いませんかー? みんな、大丈夫ー?」


 パルフェクトが手を挙げて教室内にいる皆に確認する。皆はこれ以上の質問は出ないようだ。よし、じゃあパルフェクトの授業はこれで終わりだ。よし、平和に終わって良かった! じゃあ次の授業までの合間の休憩時間で、あたしはゆっくり課題で出された早口言葉の読み方を調べよう。それでいい。それで大丈夫なの。あたしは一人で何でもできるの。


「パルフェクト先生、この子が早口言葉で言いづらい部分があるそうですー!」


 パルフェクトが瞬きした。あたしはきょとんと声を出したクラスメイトを見上げた。クラスメイトは、ぱちんとあたしにウインクした。ルーチェ、声かけてあげたよ! 私、良い仕事するでしょ! お礼はアイスでいいよ!


(お前何してくれとんじゃぁああああああああ!!!!!)


「い、いや! 早口言葉は練習の数だからぁ……!」

「どれどれー?」


 ひいっっ!! パルフェクトが躊躇なくあたしの隣りに座ってきた。手元に置かれた早口言葉集を眺める。


「ね、どれのこと? 先生に教えて?」


(こいつ、よくもいけしゃあしゃあとあたしに声かけれるな……!)


「い、いや、け、けけ、結構です。本当に、練習すればいいだけの話なんで……」

「あ、もしかしてこれ?」


 美術室、技術室、手術室、美術準備室、技術準備室、手術準備室。


 パルフェクトがあたしに微笑んだ。


「貴女、お名前はぁー?」

「……ルーチェ・ストピドです。パルフェクト先生」

「そう。だったら、ルーチェ♡って呼びますね」

「……」

「一回聞かせてくれるかな? ゆっくり言ってみてください。噛んでも、『吃って』もいいから」

(……読みたくねー……)


 あたしは早口言葉集を見下ろし、読んだ。


「美術室、技術室、手術、しゅ、じゅ、しゅ……つ……」

「ああ、ルーチェ♡、有声音と無声音は意識してる?」

「……有声音と無声音?」

「……ここで質問です。有声音と無声音はなんでしょう?」


 あたしは無言のままクラスメイトに視線を送って助けを求めた。クラスメイトが言う。


「有声音は、声帯の振動を伴う音で、無声音は声帯の振動を伴わない音です」

「まっ、素晴らしいです!」

「……」

「ルーチェ、喉に手を当てて声出してごらん。例えば、『し』」

「『し』(うん。喉が震えてる。これが有声音)」

「で、今度はひそひそ話とかする時に使う音の、『し』」

「『し』(あー。ひそひそ話する時の『し』は確かに喉が震えない。音が空気としてしか出ないから無声音か……。……で、これが何?)」

「もう、これは基礎ですよ」


 ひっ! パルフェクトがあたしの太ももに手を乗せた。


「ルーチェ♡駄目ですよ。研究生であればこれくらい答えられないと」

「……」

「少し学校らしく基礎的な話をしましょうか。発音で、『a・i・u・e・o』のことを『母音』と呼びますね。それ以外の言葉が母音につくこと、か行であれば、『ka・ki・ku・ke・ko』となるのが『子音』。では、さっきの有声音と無声音、そしてこの母音と子音の仕組みを踏まえての質問。言葉は有声音と無声音の組み合わせとなる場合があります。『母音の無声化の法則』について、答えられる人」


 別のクラスメイトが手を挙げた。


「カ・サ・タ・ハ・パ行の時に、母音の『い』と『う』が来る時です」

「んー……確かにそれもありますけど、ちょっと足りないですね。正しくは、『キ・ク・シ・ス・チ・ツ・ヒ・フ・ピ・プ』それと『シュ』などの拍が『カ・サ・タ・ハ・パ行』の『直前』に来た時ですね! アクセント辞典にも詳しいこと書いてますよ」


 あたしはアクセント辞典をバラバラ! と捲った。


「例えば、『菊の花』の、く。確かめるの、たかめる。学者の、がしゃ。ね? 今のは、『か行』と『さ行』の直前だったでしょう? だから母音が無声化になります」


 あった!! 母音の無声化の法則! あたしはマーカーペンで真っ直ぐ線を引いた。


「それともう一つ法則があります。今言った、キ、ク、シ、ス、チ、ツ、ヒ、フ、ピ、プ、シュ、等の拍が、息の切れ目の直前に来て、その拍のアクセントが低い時。うーん。どう言ったらわかりやすいかな? 例えばなのですが、秋のあ↑↓。烏のか↑ら↓↓。敬語の、です、ますの、で↑↓。ま↑↓」

「「おおーーー!」」

「基本的には今の二つが『母音の無声化の法則』となりますが、日々、発音する言葉というものは変わってきてますから、もちろん例外も存在します。気になった言葉があったらわかる範囲で教えますので、質問してくださいね!」


 ひっ!! 太ももを撫でられ、胸を押し付けられる。


「というのを踏まえて、ルーチェ♡。アクセント辞典で探してみましょうか。美術室は、なんて書いてある?」

「……美術、としか書かれてません」

「あ、本当だ。じゃあ『室』はなんて書いてある?」

「……室、は……」


 あっ! つって書かれてる!!


「ちなみに『室』のアクセントは何高?」

「……中高?」

「尾高ですね!」

「……(「美術室↑が↓……」本当だ。助詞に『が』をつけたら拍が下がる。……尾高だ……)」

「ちなみに『美術』のアクセントは何高?」

「……頭高」

「それに『室』をつけたら?」

「……頭高?」

「ルーチェ♡は美術館のこと、び↑じゅつかん↓って呼ぶの? び↓じゅ↑つ→か↓ん→じゃなぁい? び↓じゅ↑つ↓か→ん→でもいいけど。……中高です!」

「……(知らねーよ……)」

「はい。こんな感じで単語と単語を繋げるとアクセントも変わったりしますので呪文を唱える時には要注意です。それを踏まえてルーチェ♡、『美術室』の発音は?」

「……び↓じゅ↑つ→↓つ→」

「「おおー!」」

「そうそう! 良くできました! じゃあその調子で次の『技術室』も調べてみましょうか!」


(『技術』も同じだ。『技術』のままだと頭高だけど、『技術者』『技術室』っていう単語になった瞬間に中高に変わる。ややこしいなぁ。もう。技術室は、ぎ↓じゅ↑つ→↓つ→。手術室はしゅ↓じゅ↑つ→↓つ→)


「はい。ではルーチェ♡、無声化された、つまり、ひそひそ話をする時の音、そして、アクセントを意識して『ゆっくり』言ってみると、どうなるの?」


 あたしは息を吸い込んで、『ゆっくり』言ってみた。


 ――美術室、技術室、手術室、美術準備室、技術準備室、手術準備室。


「わあ、すげえ!」

「あの吃りルーチェが喋れてる!」


(うわ……。さっきよりも言いやすくなってる……。キモ……)


「無声化なのに有声音を使ってしまったり、アクセントを間違えてたりすると途端に言葉って言いづらくなるんです。だから言葉を噛んでしまう。正しい言葉の発音が出るアクセントアプリを使用しながら、自分の声を録音して聴き比べたりしていると、だんだん正しい音がわかってくるようになりますよ。ぜひ試してみてくださいね。アクセント辞典に詳しいことは載ってますが、それでもわからなかったらすぐに聞いてください!」


 ひっ!!! 腰をなでなでと撫でられる。


「ルーチェ♡もわからないことがあったら、すぐに聞いてくださいね。わたくし、一週間この学校で、このクラスの、先生……ですから」


 予鈴が鳴った。


「では初日の授業はここまでです。この後の授業も頑張ってくださいね!」


 笑顔のパルフェクトが荷物を持ってとっとと教室から出ていくと、クラスメイト達が一気に喋りだした。


「すげー。本当にパルフェクトだー……」

「ボク、パパに自慢しよ!」

「ママに言わなきゃ!」

「ね、パルフェクトさんもランチ食堂で食べるのかな?」

「お昼、誘ってみる?」

「ドラマの話聞きたーい!」

「あれ、ルーチェママ、どうしたの? なんで顔青いの?」


(……春が一瞬にして冬になった……)


 あたしの体がぶるぶる震えて止まらない。


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