第4話

さくさくとショボクックさんを狩ってしまった。

まさに瞬殺。

これぞ僕TUEEEEEE!!!

きんもちいいいい!!

異世界で初めてモンスターを狩ったことで僕のテンションは爆上がりだ。

ゴブリンはチュートリアルだからノーカンで。

これだよ、これ。

僕が夢見てたのは。

このショボクックさん(たぶんレッドドラゴン?)を持ち帰ったら、みんなおどろくんだろうな。

ふっふっふ。今から楽しみだよ。特に僕をおバカさんを見るような目でみた受付嬢

は驚きすぎて腰を抜かすんじゃないのかな。


「嘘!? サトゥーさん、Fランクなのにレッドドラゴンたおしたんですか!?そんなの前代未聞ですよ!」


みたいなことを言うに違いない。

そしたら僕はどや顔でこう言ってやるんだ。


「あれ、僕なんかやっちゃいました?」


ってね。

まさに異世界僕TUEEEのテンプレ。

これこそが僕の描く理想ムーブ。

それでは、さっそくショボクックさんを討伐した証拠を持ち帰るとしますか。

流石に全部は持ち帰れないから、一番目立つの持ち帰れば良いでしょ。

僕は首ちょんぱした顔を持ち帰ることにした。


「よいしょ、こらしょ、どっこいしょ」


うーん、重い。

顔、メッチャ重い。

多分これ、30キロ以上はあるんじゃない?

僕はこう見えても力はある方だと自負しているけど、さすがにこれを持ち帰るのは大変だな。

顔の中でも重要そうなパーツを持ち帰ろう。

よし! 君に決めた!

僕は重要だと思うパーツを持って不思議の森を抜けた。














そしてやってきました、冒険者ギルド。

ここから、僕の、僕による、僕だけの、僕TUEEEライフが今始まる!!


「サトゥーさん、こちらは何でしょうか?」


「そちらは、レッドドラゴンの眼球になります。簡単にいえば目ん玉です」


「それでは、その眼球はこちらで処分しておきますね」


「!?」


どうゆうこと!?

なんで処分されなきゃいけないの?

これはあのレッドドラゴンの目ん玉だよ。

貴重品なはずだ。


「処分とはどういうことでしょうか」


ここで怒るのは三流のすることだ。

僕は一流のハンターだから感情を表に出したりはしない。


「この眼球?の状態がとても悪く、どのモンスターのものか正確に判断できそうにないからです」


その言葉を聞いて僕はもう一度提出した目ん玉を見る


「・・・・・・なんかぐちゃぐちゃですね」


そうである。僕が受付嬢に提出したショボクックさんの目ん玉は、ぐちゃぐちゃして原型をとどめていなかった。

どうしてこうなってしまったんだろう。

僕は少し前のこと思い出してみる。


顔重いなー。このまま持ち帰るのはきついなー。 

そうだ、重要なパーツを持ち帰ろう。

どれにしようかなー。

そうだ、目ん玉にしよう(笑)


ショボクックさんの目ん玉をえぐる。

その時、力を入れすぎたのかちょっと目ん玉を潰しかける。

まだセーフ。

ポーチに入れる。

袋越しに目ん玉の感触を確かめる。

モミモミする。

「プチッ」と音がする。

気にしないでモミモミしなが帰ってっ来る。

ふむ、全く心当たりが見当たらないな。



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