第3話

本番ですよ。本番。

僕は本番にはめっぽう強いんだ。

リオ〇ウスを狩るためひたすら森の奥に進んでいく。

不思議の森は歩きにくいがどうってことない。

ただひたすら進んでいく。

たぶん方向は合っている・・・・・はず。

メイビ―だぜ、ベイビー。

木の根をジャンプして飛び越え、森の奥へ奥へ進んでいく。

足音はなるべくたてずに。気配を殺して進んでいく。


癖になってるんだ。足音消すの。

っていうやり取りにあこがれて常日頃から足音を消す練習中です。

何事も練習が大事。


そうして、森の奥へ進むことしばしば。


そしてやっと見つけました。



「・・・・・・・・・・・クックじゃん」


そう、そこにいたのはリオ〇ウスなどではなく、●ャンクックさんがいました。

全身が赤い小型竜。赤い悪魔と僕は言っていたあいつです。

見た目は少し違うけれど、印象としては顔がいかつくなったクックさんです。

そして僕が求めていたレウス君はどこにもいませんでした。

他の生物の気配は感じられません。

もしかしたら、クックさんがレッドドラゴンなのかもしれません。

信じられないけど。

クックさん、3ランク昇格!!て感じだよ。

初心者の登竜門的なモンスターだったのにいつのまにか偉くなってまあ。

僕は感動だよ。

しばしば、感動の余韻に浸っていると、クックさんがこっちに気が付いた。


「シュルルルル」


もっと迫力のある鳴き声だと思ったけど、そんなことはなかった。

ドラゴンというよりヘビみたいな鳴き方だった。

うーん、あんまり強そうには見えないな。

正直、ちょっと、いや、かなりショボい。


これからは、レッドドラゴンなんて強そうな名前ではなくショボクックとでも名乗った方がいい。

絶対そっちの方が人気出ると思う。


そんなことばかり考えていたら、ショボクックさんが火を吐いてきた。


「あぶなっ!」


こら、火なんて吐くんじゃありません。

ママはそんな子に育てた覚えはありませんよ。


火に触れると熱そうなので、ショボクックさんの火を吐く攻撃をひたすらに避けていく。

けれど、あまり頭が良くないのかショボクックさんはひたすら火を吐いて攻撃してくる。

森の中で火なんか吐いて大丈夫なのか心配だけど、ちらっと避けた火を確認したら森に燃え広がってないみたいだから安心だ。

何か不思議パワーで気が守られているみたいだ。

森が火事になる心配がなくなったから僕はショボクックさんを狩ることにした。


「トシチャンブレイド!」


そういいながら右手を上から振り落とす。

たったそれだけでショボクックさんの首が飛んだ。








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