用語索引

アイダカズキ

用語索引

 ※50音順です。(ルビではなく日本語読み準拠とします)

 ※今後変更される可能性があります。


 ・ヴィヴィアン・ガールズ

 元米軍特殊部隊に属していた女性兵士、メアリ・バーキンズと彼女によって人身売買組織から救出された少女たちにより結成された少女だけの都市ゲリラ。

 日本各地で警察特殊部隊や自衛軍と数度に渡って戦闘を繰り広げる。

 メアリは自衛軍によって射殺されるが、残された「娘」たちはなおも多数、都市部に潜伏している。

 多くの犠牲者を出した警察・自衛隊の軍事請負会社ミリセク依存と未成年者への厳罰化、そして犯罪予測システム導入の潮流を作り出す。


 ・〈王国キングダム

〈犯罪者たちの王〉プレスビュテル・ヨハネスが作り上げた、テロと暗殺、薬物・人身売買、違法火器・技術流通の国際犯罪ネットワーク。(〈王国〉は便宜上の呼び名であり、ヨハネスがそう名づけたわけではない)

 百合子の祖父が創設に関わっており、彼女は自分の命と引き換えにこれを殲滅しようとしている。


 ・〈機関エンジン

 謎の超国家的組織。龍一の母、白木透子が属していること以外に現時点での詳細は不明。


 ・第二次オキナワ上陸戦

 17年前、沖縄各地の米軍基地を襲撃した国籍不明の特殊部隊と米海兵隊の戦闘についての俗称。一部は市街地で海兵隊と激しい戦闘を繰り広げたのち、持ち込んだ小型戦術核を那覇市中心部で起爆。これにより米軍は沖縄全土から全面撤退、中国系住民の保護を名目に上陸してきた中国人民解放軍にその管理を委ねることになる。

 米側は中国軍の特殊作戦部隊による攻撃と発表しているが、中国側は米軍の自作自演と否定している。


 ・〈月の裏側ダークサイド・オブ・ザ・ムーン

 高塔家当主・高塔百合子が結成した、犯罪者たちを狩る犯罪者の組織。規模はミドルクラスの軍事請負会社程度だが、百合子の資金、〈ヒュプノス〉との連携により未真名市を巡る暗闘で無視できない存在となる。

 マルスとの戦いには勝利するが〈夢遊病者たち〉の投入と〈ヒュプノス〉の大量死、治安機関の猛攻を受けてメンバーの大半が射殺または捕縛される。百合子と崇は生死不明。龍一は以前逃亡中。


 ・〈のらくらの国〉

 未真名市の中に位置するもう一つの独立自治区。元は放棄された魚市場。違法火器や薬物、また職業犯罪者たちの交流の場となっており、市当局の頭痛の種でもあった。

〈月の裏側〉とマルスの抗争、そして異形と化した龍一により灰燼と帰す。

 そして跡地に生じた巨大な〈割れ目〉からは、何かが這い出てこようとしている。


 ・〈ヒュプノス〉

「苦痛なき、眠るがごとき死を」を唯一の信条に、徒手による殺害と脅威的な依頼達成率を誇る暗殺者。正体は宇宙から飛来した粘菌により人格共有能力を獲得した集合知性ネットワーク。

 ヨハネスの「猛毒」によりアレクセイ一人を除いて死亡する。

 なお母体となった粘菌を発見した研究機関は、百合子の祖父がスポンサーとなっていた。


 ・マルス

 犯罪企業複合体。広告戦略請負会社〈ミーメットワーク〉、監視システムと人工知能を統合したITセキュリティ企業〈ARMS〉、そして中国系医療複合企業〈蒼星医療公司〉の頭文字を並び替えた呼称。〈月の裏側〉と〈ヒュプノス〉の共同作戦で首脳陣は一掃され、組織は崩壊する。


 ・未真名市

 物語の舞台。本作はここから始まり、ここで完結する。

 犯罪多発都市の(あまり有難くない)仇名を冠されてしまった日本海沿岸の地方都市。

 当初は外資誘致のための優遇策が、違法企業や犯罪結社を大量に呼び寄せてしまう。企業にはExtra Territoriality――「企業私有地における免責特権」により軍事請負企業ミリセクとの契約に基づく企業財産の防衛が認められているが、それが他企業や犯罪組織との暗闘を加速させているとの批判もある。

 市当局は不名誉な仇名を返上すべく全国に先駆けた犯罪予測システムの導入に踏み切ろうとしているが、それが市警察も巻き込んだ政治的暗闘を引き起こしている。

 なお、市の地下には(文字通り)巨大な秘密が眠っている。


 ・〈夢遊病者たちスリープウォーカーズ

 HWの上位機種。未知の技術を用い、世界中のあらゆる地点に一瞬で転移できる。

 HWと違い自分の意思があり、耳障りな笑い声を上げながら殺戮を行う。

 反面、異形に変貌した龍一を一目見るだけで恐慌に陥り、ほぼ一方的に全滅させられる。


 ・〈四騎士フォーホースメン

 HWと並ぶヨハネスの切り札。単体で軍事基地を制圧し、米第7艦隊を壊滅に追い込める4人の強化人間。反面、維持だけでも莫大なコストを要する。〈王国〉はその維持費捻出のために生まれたと言っても過言ではない。

 生きている(生きていた)人間がベースなのか、時折過去の記憶が蘇る。


 ・〈ドラゴン

〈のらくらの国〉崩壊時に相良龍一が変じた異形の姿。

 無限に近い再生能力だけでなく原子レベルからの肉体再構成、HWに対して畏怖で身をすくませ死すら命じる無制限の支配力、空間や時間すら歪め得る原理不明の兵装など、生身の歩兵どころか地球上のあらゆる兵器が太刀打ちできる存在ではない。

 ヨハネスはこの姿を〈悪竜〉と呼び、異様なまでの戦意を滾らせている。


 ・〈割れ目クラック

〈のらくらの国〉消滅後、その上空に現れた次元の亀裂。幅は数百メートル程度だが、高さは成層圏近くにまで達する。

 各国研究機関が共同で調査に当たっているが、はかばかしい成果は上がっていない。また大型研究施設の建設も、住民の反対運動により停滞している。

「〈割れ目〉の向こう側から巨大な目が覗いていた」「けたたましい笑い声を聞いた」など周辺住民が訴える精神的負担も深刻であり、〈のらくらの国〉に代わる未真名市当局の新たな頭痛の種となりつつある。


【A-Z】

 ・〈HWハイブリッド・ウォリアー

 材料さえあれば幾らでも量産・交換・アップグレード可能な人造の兵士たち。情報共有により濃密な電波妨害下での綿密な作戦行動が可能。

 その精製には女性の卵子が必要となり、初期は犯罪組織への依存を余儀なくされたが、民間からの提供により合法的な大量生産が可能となった。今や先進諸国の軍隊は大々的にその配備を始めている。

 ヨハネスの野望の一端を成す存在であり、龍一にとっては恩人を殺した憎悪の対象。「何」と「何」の交配ハイブリッドなのかはまだ不明。

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