第3話 死地
轟音が鳴り響き、衝撃と共に全身に痛みが走った。
な!? 何が……起きた!?
か……身体が動かない……いや……動かせない! ……どうやら車が何かにぶつかり、その勢いで車体が横転してしまって、シートや内装に挟まれているようだ。
み……皆は無事だろうか……? ナメくん! ナメくんは!?
「にゅ〜! にゅ〜!」
よ……良かった! ナメくんは小さいから、何とか隙間に潜って難を逃れたんだな。
明るい方向を必死に見ると、隙間から少しだけ外の様子が見えた。
……逃げ惑う人々!
……焔!
……焔の中を悠然とこちらに向かってくる……
その口からは、下品にダラダラとヨダレが垂れている。
……! そいつが更に口を開けたと同時に大量のヨダレをこちらに吐き掛けた!
アルコールのような、ツーンした匂いか鼻を突いた。
こ……これ……ヨダレじゃ無い! 何か可燃性の液体だっ!
『ボーンッ!』という大きな爆発音と共に、急激に熱さが押し寄せた!
焦げ臭い臭いが辺りに充満した!
拙いっ! これは本当に拙いっっ!
……今まで経験したことの無い熱さと息苦しさで意識が朦朧としてきた……
「ナ……ナメくん……5分戻し……て……」……と、僕は最期の力を振り絞って呟いた。
『ブォーーーン』
……はっ!
よ、良かった! ついさっきまで聴こえていたエンジン音だ!
白樺先輩が「その『
……と、流れる涙を拭こうともせずに叫んだ。
そうだ、この直後に狭間さんが車を止めるように言ったけど間に合わなかったんだっけ。
僕は……
「見えたっ! 事故だ! 停めろーっ!」 ……と、短めの言葉を大声で叫んだ!
……狭間さんは僕の声を聞いて、即座に察してくれたようだ。 身を乗り出して運転手さんに停車するように伝えてくれた。
『キキーーーッ』……っというヒステリックな音がして車が止まった!
……頭を何処かにぶつけたが、さっきの状況よりは遥かに良い。
白樺先輩が涙を服の袖で拭いながら「りんね……急にどうしたの!?」……と聴いてきた。
……僕が答える前に狭間さんが……
「
狭間さんの指示に反応した白樺先輩が……「赤松! ヴェガ・トルテ!」と叫んだ。
「はっ!」
赤松さんが、何処からか光る剣のような物を重そうに取り出し、白樺先輩に捧げるように手渡した。
白樺先輩はそれを受け取ると軽々と構えた。 それは銃の一種のようだった。
……早速、狭間さんが例の『呪文』を唱えた
「リフテアリフテ! エンマ! ロフテ! ゾルフエンマ! エンマ!」
パーフェクト☆ 完璧な人生!?(仮) コンロード @com-load
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