4-166 檻の感触だきしめて②




 そして翌朝。

 数時間しか寝てないせいで荒れ気味の肌をスキンケア呪符で修復しつつ手入れの面倒な長い黒髪をトリシューラに任せて身支度を行う。端末を机に置いて自動でニュースを流していると、今日の地下アイドルランキングが発表されていた。


「上位はおおまかに変動は無し――いや、十位と十一位が入れ替わってるな」


 十位がラリスキャニアで十一位がスマルトになっている。どうやら昨晩対決した結果、順位が変動したようだ。元々ラリスキャニアはスマルトに対して勝ち越しているし、十分に起こり得る事態だった。

 それで昨晩の接触が腑に落ちた。おそらくスマルトは敗北した直後に続けて転落することを防ぐため、挑戦権を持つこちらに先制される前に牽制してきたわけだ。


「どうする、トリシューラ」


「追い打ちをかけるなら今だね」


 俺の主はやる気に満ちあふれていた。

 昨夜の一件はかえって彼女の闘争心に火をつけてしまったらしい。


「姫も仮想空間で新アピールの練習してるみたいだし、私の方も突貫工事でやれば3Dプリンタからパーツを出力して試作品を組み上げられると思う。あとは『きぐるみ妖精』のクローゼットにアップロードしてカード化。今日スマルトに連絡して、明日対決ライブっていう流れがいいと思うかな」


 なら決まりだ。

 迷いはない。感情は凍らせればいい。

 凍結したこの心のありようが、俺のアピールを完成させるだろう。

 『マジカルアピール』のイメージは既に固まっていた。

 首筋に一度だけ触れて、瞳を閉じる。

 そして俺は、架空の道場でイメージの訓練を繰り返す。

 加速した思考速度で、何回も何回も。




 そして、決戦の時がやってきた。

 毒々しい照明と死臭、猥雑な話し声と床をステップする音がBGMと混ざり合う混沌とした地下空間。大量の白骨が埋め込まれた不気味な外壁はどこまでも広がり、高い天井にコウモリとフクロウが乱舞する。ここは死人たちが踊る悪夢の底だ。


 今回はオーディションや企業が協賛するイベントというわけではなく、純粋にこの白骨迷宮におけるランキングを決定するための対決ライブだ。当然それ自体に興行としての価値が発生するため、多くの観客が動員され巨額の資金が動く。ネットで配信される映像を楽しみにしているファンも数多いとか。


 ステージに注目が集まる中、颯爽と現れたのはモデルとしては小柄な夜の民。

 浮遊しているため歩く仕草は形だけにすぎないが、音楽に合わせて踊るように進んでいくそのさまは不思議と目を惹き付けた。

 仮面の奥で青い炎が燃え上がる。

 スマルトの曖昧な身体を絶対的な自信が満たしていくのがはっきりとわかった。


 形の曖昧な両手が勢い良く広げられ、その衣装が存分にアピールされた。

 形の無い身体を曖昧に覆う形の無い衣――それは風に煽られるようにスマルトの周囲に『散布』された。

 その正体は『霧』だ。

 『霧状の衣服』が三次元空間に散布され、多方向から投影された映像がフォグスクリーンと重なり合う。スマルトの細い身体の各所についている気流操作ボタンが霧を誘導し、均質な状態を保ったまま衣服としての機能を維持。

 頭の上のシルクハットすら変幻自在に姿を変えて、王冠や角、光輪や逆さの大剣などの映像を次々と映し出す。


 スマルトが専属契約を結んでいる企業『ボロームピクチャーズ』はこうした『着る立体映像』で知られており、古くからある呪的ボディペイントのファッション性を高めたり、映像作品などのコンテンツを身に纏うというスタイルを提唱したことで少なくない支持者がいるそうだ。


 新人ながら既存の枠に囚われない着こなしでファンを獲得したスマルトは『自由なモデル』として期待されている。そうした評価は、これから繰り出される『マジカルアピール』にも反映されていた。


 ランウェイの先まで進みきったスマルトに突如としてのし掛かる重苦しい鋼鉄。

 音楽と合わせるようにして響くのは鎖と手錠がかかる音。

 檻の中に閉じ込められたスマルトは囚人服を着せられて苦しげに身を捩る。

 しかしそこでぐっと力を溜めるように身を縮こまらせる。

 一瞬の間、檻の真上から降り注ぐ光。

 解放はその直後だった。


 鉄格子が勢い良く砕け散ると共に、スマルト自身もまた内側から弾け飛び、霧状衣服と共に風に吹かれて膨張・拡散していく。

 形の無い種族だからこそできるポージング。

 薄く巨大に誰より高く。

 なにものにも束縛されない有り様をその堂々たる立ち姿で示した巨大な幻影は、砕けた鉄の破片を背中に集めて漆黒の翼を広げていく。

 天井すれすれの場所から決める迫力満点のアピールは初めて見るものの度肝を抜き、二度目以降であってもなお感嘆させるほどの『圧』を有していた。

 それはきっと単純に大きいからというだけでなく、スマルト自身の意志がアピールと同時に解き放たれているからだ。あれは一種の呪い――邪視に他ならない。


 曲のクライマックスと同期するかのように爆発する観客たち。

 実際に脳漿や内蔵を飛び散らせて感情を露わにする再生者までいるほどで、もはや会場は燃え上がっていると形容しても差し支えない。

 そして、ステージは燃え尽きるように終わった。

 しばしの休憩を挟んで次のステージが始まる。

 俺は舞台袖で待機しながら呼吸を忘れていた。


 勝てない、のか?

 強いだろうとは思っていた。

 事前に対戦相手のライブ映像を何度も見て勝つためのイメージを膨らませながら特訓を重ねた。だが画面越しに見るのと実際に見るのでは大違いで、肌で感じるライブの熱気は想像上のそれよりも根本から質が異なっていた。

 ファンを湧かせ、会場を盛り上げる。

 人の心が生み出す呪力を牽引することがアイドルにとっての強さだ。

 己の世界を演出する技術。その一点において、スマルトは俺を凌駕している。

 研鑚が、足りない。

 『サイバーカラテ道場』による上積みでもまだ足りない。集合知による最適化、効率化で到達できるのはここまでだ。この先にひしめく『本物』たちには付け焼き刃だけでは敵わない。そのことがわかってしまう。


「やれやれ、この程度で自信喪失とはらしくないな。慣れない舞台で緊張しているにせよ、それは『サイバーカラテ』の使い手としては失格の態度だと思うが」


 横合いからかけられた声に、思わず息を呑む。

 ようやく呼吸を思い出して、慌てたように気息を導引して心身を正常化していく。落ち着いた頭を声がする方に向ければ、そこには長い髪を束ねた褐色の美男子が少し呆れたような表情で立っていた。


「カーイン、どうして」


 男は俺の曖昧な問いかけには答えず、目を閉じて教え諭すように言った。


「付け焼き刃では届かないなら、更なる鋼を足せばいい。刃が折れたからといって真の強さや本物になるための修練を積み重ねるのはシナモリアキラの戦い方ではないはずだ――受け取るといい」


 投擲されたのは、カシュラム十字が刻まれた懐中時計のような呪具。手に取った瞬間、俺の思考に流れ込んでくる凄まじい量のイメージ。

 これは、記憶か?

 老師オルヴァとその弟子カーインがヴァーチャル山奥で滝に打たれたり素手で崖を登攀したりタイヤを引き摺ったり巨岩を足に乗せて逆立ち腕立て伏せをしたりといった無茶な特訓をしている光景が目に浮かんでくる。え――なにやってんのこいつら、と思ったが考えるまでもなかった。

 オルヴァは『シナモリアキラの代替品』として活動し、『サイバーカラテ道場』にその経験を反映させている。つまりこれは、アイドル活動なのだ。

 俺がアイドルとして更なる高みに立つために、二人は俺に変わって過酷な修行を積んでくれていたのだ。しかも、オルヴァの呪術によって時空をねじ曲げているためその修行効率は常人のそれを遙かに凌ぐ!


 カーインとオルヴァのトレーニング経験が『サイバーカラテ道場』経由でフィードバックされる。圧倒的なまでの自信が湧き上がってくる。修行をアウトソーシングすることで、俺は圧倒的速度で成長ができるようになっていた。

 改めてカーインを見ると、涼しげな表情の中に僅かな疲労が見て取れた。


「カーイン、なんで」


 よく考えると先ほどとまったく同じ意味のない問いかけだ。

 しかし今度はカーインも答える気になったようで、


「私自身の楽しみのため――という答えでは不満かな」


 とわかるようなわからないようなことを言ってきた。

 いつもの韜晦なのか、素直に礼を言わせまいとしているのか、いずれにせよ内心の読めない奴だという評価は変わらない。


「それならばそれでいい。それより、君の主が待っている。急ぐといい」


 気付けば時間が迫っていた。

 既に下に着る衣装は身につけているので、あとはトリシューラの指示に従って装着していくだけ――だとしても、もたもたしている余裕は無い。

 最後に一度だけカーインに「礼を言う」とぶっきらぼうに言い捨てて、俺はトリシューラのもとへ向かった。きっと奴は「やれやれ」みたいな表情で見送っていることだろう。本当に何なんだ。あとさっきから「今こそ特訓の成果を見せるとき」とか「あのときの経験が活きたな」という台詞を練習しているオルヴァはそういうポジションに収まるつもりなのか?




「じゃ、頑張ろうね、アキラ姫」


 舞台に上がる直前、『頑張ってね』ではなく『頑張ろうね』とトリシューラは言った。それはひとりで戦うわけではないという意思表示。

 小さな妖精が耳元で囁いた。


(一人じゃなくて)


「続いては、『きぐるみ妖精』の――」


 響き渡る司会の声はノイズにしか聞こえない。

 踏み出す足が軽い。身に纏う服は翼のよう。

 それはきっとこの歩みが複数人の力を束ねているからだ。

 ステージを往く俺はいつも通りの着物スタイル。

 ただし今回は十二単のような派手なテイストも取り入れた重めの衣装――というように見えていることだろう。観客席からは。

 トリシューラが授けてくれた秘策を隠しながら、それでいて大胆に進んだ。


(二人でもなくて)


 布に浮かぶ人工的で硬質な格子模様が淡い光を宿し、どこか未来的なデザインの着物が静かに目覚める。静かな駆動音とファンの回転する音が音楽に紛れた。

 曲は定番のアイドルポップ。きっと誰にとっても意外性が無い『歌姫Spear』の楽曲、『手を取り合って』――軽やかなリズムに伸ばしたてのひらを合わせてイメージを膨らませていく。このステージの序盤大事なのは、モデルとしての完璧なウォーキングじゃなくて、音楽に合わせたダンスアピールだ。計算され尽くしたリップシンクでポージングまでの道行きを緻密に構成して前へ。


 歌は春のように進行し、冬のような期待を含ませながら最高潮の盛り上がりへと向かう。振り付けもまた過剰なほどの動きで観客の目を強引に惹き付け、勝負所で何が飛び出してくるのかという予想を掻き立てていった。

 そして、その時は訪れた。

 俺たちは、心をひとつにして強く思う。


(三人で、このステージに立とう)


 凍れ。胸の内で小さく呟く。

 ここにいなくとも、『きぐるみ妖精』として共に戦えなくても、彼女の存在は確かに俺たちの深いところに根付いて切り離せない。

 だから、このステージにはコルセスカと共に臨む。

 首筋が呪力を宿すと同時、俺の情動は完全に凍結した。


 現実と重なるようにして視界に映し出された架空の道場で、シナモリアキラが氷でできた檻に閉じ込められる。

 心を抱きしめるその冷たさから、俺はけっして逃げることができない。

 血を啜る呪われた氷の美しさに目を奪われる。

 求めるべき心の居場所を見つけて、そっと安堵する。

 吐き出した息は、白く染まっていた。


 そして俺は肉体を開いた。

 胸の奥から溢れだす情動を全身の躍動で表現しようとして――その直前で情感を乗せるはずだった表現の全てを停止させる。

 パフォーマンスとは肉体の制御、そしてそれを見せることによる他者の感情への干渉だ。そして誰かの感情を揺さぶろうとする直前でそれをいきなりやめてしまえば――観客は拍子抜けしてしまう。


 俺が選んだ方法は、肉体の操作による表現を停止すること。

 つまりは『アピールをしない』というアピール形式だ。

 弛緩した相手には、隙ができる。そして緩急をつけて攻めるのは戦いの常道だ。

 そして、モデルが真にアピールすべきものはただひとつ。

 主役は、あくまでトリシューラだ。


「『きぐるみ妖精』のブランドイメージは、『滅亡』」


 服から聞こえてくる音声がステージに響き、曲に合わせて着物が展開・変形していく。やわらかな布は微細なパーツと共に分離と合体を繰り返し、これまでとは全く別の顔を覗かせる。今や俺が身に纏う衣装は最初のものとはかけ離れた代物に成り果てていた。高速で変形する衣装にトリシューラの言葉が被せられた。


「常識の破壊なんて使い古されたイメージじゃない。ポストアポカリプスの世界でサヴァイブなんて陳腐な未来ガジェットは使わない」


 各方面に喧嘩を売るトリシューラの声。

 否、トリシューラという知性体を宿した衣装である以上、これは紛れもなく彼女そのもの。俺はいま、トリシューラを着てステージに立っている。


「言葉の意味そのまま、物理的暴力であらゆるものをぶっ壊すという強い意志! それがこのドレスのテーマだよ! つまり死ね!」


 攻撃的な意思に呼応して服が変形を完了。

 鋭角のたもとが、次々と射出されて多方向から映像を投影する花のようなドローンが、かろうじて着物らしさを保っていた衣装のシルエットをぶちこわしにしていく。それはもはや手弱女が身に纏う窮屈な衣服ではあり得ない。


 着物と思われた衣装は、その実ただの布ではなかった。

 和風テイストを取り入れた装甲板、それも3Dプリンタで出力した無数の部品を精巧に組み合わせ、トリシューラの脳内図面に基づいた曲芸的な立体裁断と超工業的縫製技術によって完成させた『杖』技術の粋。それがこの服『トリシューラ』だ。


「『きぐるみ妖精』の服を着て、なりたい自分にチェンジ! 纏って鎧って強くなる、これが強化外骨格きぐるみの真骨頂!」


 『強化外骨格妖精ドーラーヴィーラ』が示すヴィジョンは破壊にして創造――つまりは混沌。

 広がった布の内側から迫り出した無数の砲身とミサイルポッドが一斉に火を吹いて、凄まじい破壊をもたらした。

 炸裂したエネルギーは観客たちの血潮を熱くさせ、天井まで飛び上がるほどの衝撃を与え、喉が裂けるほどの絶叫を迸らせた。

 弾け飛びそうな心臓、腹の奥は熱く燃え上がり、興奮でろれつが回らなくなる。

 視線を外すことができないほどクレイジーなステージ、目玉が飛び出して体中の骨がばらばらになってしまいそう。地下空間をかつてないほどに震撼させる俺たちの渾身の『マジカルアピール』――ステージというちっぽけな枠組みすら粉砕し、『きぐるみ妖精』は誰よりも高く飛翔して叫ぶ。


「私が一番、私たちが最高、この『きぐるみ妖精』が世界を蹂躙する破壊者の名前だ! 震えて敬い、畏怖と共に興奮しろ!」


 俺たちが示す『物語』は、モデルという媒体に乗せたデザイナーの苛烈な意思。

 再生者たちは今まで味わったことのない未知の衝撃に言葉も無い様子だった。

 『マジカルアピール』はアイドルが持つ『必殺』だ。

 それを真の意味で実現するには、トリシューラの『杖』のセンスが必須だった。

 再生者という観客相手だからこそできる、全力のアピール。

 曲が終わって静まりかえった会場から、ぽつりとこんな声がした。


「『きぐるみ妖精』じゃなくて『き○るい妖精』の間違いでは」


 かろうじて無事だったスマルトの呆然とした呟き。

 にっこりと笑顔を作り、トリシューラと共に脳天を射撃。

 ゴム弾が顔面に直撃し、割れた仮面の奥からわりと普通な面相が現れた。


「完全勝利だよ! やったねアキラ姫!」


 身に纏ったトリシューラが満足げに飛び跳ねる。

 俺はそんな彼女の感情に思いを馳せながら、身に纏う装甲をそっと撫でた。




 評判は上々だった。

 「最高に刺激的」「あんなにぶっ飛んだアピールはじめて」「トリシューラ様に壊されたい」「脳味噌がシェイクされたかと思った」「ぼくもあの服ほしい」

 ――などなど、再生者だからこそ可能な感じ方で俺たちのアピールは普通に受け入れられていた。カーインからはめちゃくちゃ引かれたが。何故だ。


 そんなわけで対決ライブは観客からの圧倒的支持により俺たちの勝利となり、晴れてランキング十一位として認められたのだった。

 ライブのあと、スマルトがこちらに挨拶に来た。


「驚かされたよ。あれは負けを認めるしかない。こう、色々と無理だ。勝てない」


 若干怖がっている気配があったが、気のせいだろう。

 紳士的な態度を崩さず気さくに話しかけてくるスマルトの態度からは暗さや落ち込みといった感情が見られない。

 少し気になって、質問する。


「スマルト。あなたが試合前に会いに来た理由、あなたのマネージャーから聞いた。もし良ければ、ここから先は協力して最下層を目指さないか。実のところ、私たちの目的は一致して――」


「何のことだい? 私は君とはこのステージが初対面のはずだが?」


 スマルトの言葉に、思考が停止する。

 意味が分からない。これはつまり、どういうことだ?

 隣でそれを聞いていたトリシューラは息を呑み、即座に答えに辿り着いた。


「そうか、ラリスキャニアの分身と変身、疑似餌ルアーの能力――やられた。これ、ラリスキャニアの戦略だ」


 まさかこの場面で出て来るとは思わなかった名前。

 勝利に浮かれそうになっていた気持ちが一気に引き締められていく。


「待て、トリシューラ。それはどういう」


「ラリスキャニアは最初に私たちと対決した段階で、再戦時には私たちが『マジカルアピール』を出してくると踏んでたんだ。だからスマルト戦を強引な因縁演出で盛り上げ、強くなった私たちが『マジカルアピール』を出すところを観察してたんだよ。十分にこっちの必殺技を研究して万全の態勢でこっちを迎え撃つのがラリスキャニアの狙いってわけ」


 おそらく、相性の良いスマルトに勝利してランクアップする算段を最初からつけていたのだろう。 

 全ては初見殺しを回避するため。

 『空組』に敗北した時と同じ轍を踏まないように、慎重に立ち回った結果としての迂遠な戦術――だがそれは奏功した。ラリスキャニアはこちらの情報という貴重なカードを手に入れ、最善の対策を打ってくることだろう。


「次のステージ、もしかすると今のままじゃ勝てないかもしれない」


 勝利の余韻に浸る間もなく、頭上に暗雲が立ちこめる。

 瓦礫と屍が積み上がる廃墟の中、俺たちは厳しい表情で立ち尽くした。



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