4-119 醜い野獣①
トリシューラは肩撃ち式のロケットランチャーを構え、塔の外壁に向けて発射した。戦車の装甲すら貫通する威力が炸裂し、轟音と共に爆発のエネルギーが撒き散らされていく。粉塵が晴れた後、無傷の外壁を見たトリシューラは舌打ちした。
「やっぱ無理か。『塔』ごと破壊するより直接本体をどうにかした方が早いみたい。相手のフィールドで戦わされるのは不愉快だけど、この際仕方無い」
トリシューラは不満げに唇を尖らせながらそう言った。
彼女の言うとおり、状況は切迫している。
暴徒たちが雪崩を打って押し寄せてきているのだ。
第五階層の住人たちは見境なしに暴れ、狂乱している。
アレッテ・イヴニルの扇動によってガロアンディアンとラフディという二つの勢力は相争うように仕向けられたが、人が入り乱れる観客席でそんな区別など出来ている者はいない。そこかしこで同じ勢力同士での乱闘が繰り広げられている。振り回した拳や網棒が狙った箇所に命中する事の方が珍しいほどだ。
より動きやすいスペースを求めて観客席からフィールドに溢れ出す暴徒たち。
しかしそこでもまた見境のない乱闘を繰り返す。
というよりも、地面に降り立った途端に更に凶暴化が促進されているように見えた。とくに、大地の民の荒れ狂い方が凄まじい。
目を血走らせ、大気を震わせる雄叫びを繰り返し、重量級の肉体で突撃する。
ちびシューラが分析を行った結果、足裏から膨大な呪力が彼らの体内に流れ込み、それが彼らを凶暴化させているのだと判明した。
アレッテが言っていた球神に血を捧げる儀式とやらの影響らしい。
アレッテの目的は不明だが、儀式が完遂されればより面倒な事になるのは目に見えている。速やかに塔の最上階にいるであろうあの魔女を倒して事態を収束させる必要があった。問題は、立ちはだかる大地の民がそれをさせてくれるかどうかだ。
「強行突破するよ!」
それでも道は一つだった。
アレッテの思い通りにさせれば何が起きるかわからない。
レオも同じ気持ちらしく、カーインに事態の解決に当たるように命じていた。
トリシューラが一人一人に指示を下していく。
「消耗が激しい
それぞれが了承の意思を示し、一気に状況が動き始めた。
まずトリシューラが殺到する暴徒に向かって呪符を投げつける。
事前に警告されていた俺たちは目と耳を塞ぐ。直後、凄まじい音響と閃光が群衆を一瞬で無力化した。更に催涙ガス、電気銃といった非殺傷性の武器で次々と暴徒の大海を引き裂いていく。
「こんなこともあろうかと! 色々備えておいたんだよ!」
警備用のドローンたちも奮闘しており、暴徒の無力化は比較的順調に進んでいるように見えた。妨害者さえいなければ、全ては上手く行ったことだろう。
再生者として甦った大地の民――ラフディ側の戦士や呪術師たちは暴徒鎮圧用の装備で対処出来るような相手ではなかった。何度傷付いても立ち上がる耐久力に、不屈の精神。更には『マラード王とラフディの民を守る為に』という大義まで掲げているのだ。その士気は高く、こちらを殲滅する意思を投槍や呪術に込めて投げ放ってきている。こちらの呪符を無効化する呪術を幾重にも張り巡らされてしまっては、『杖』の大量生産呪具も意味を為さない。
「ここは私に任せて先に行って!」
迫り来るラフディの大軍勢の前に立ちはだかったのはたった一人。
アルマはユニフォームに身体を簡素に覆うプロテクターという軽装のまま、迫り来る大軍勢に拮抗しようとしていた。無謀にも見えるが、トリシューラは「任せた!」と一言だけ残してフィールド中央の塔を目指す。
丸盾を構え、鋭い槍を構えた一団が一斉にアルマに襲いかかる。圧倒的物量によってアルマが押し潰される光景を誰もが予想したその瞬間、彼女の普段の印象から離れた冷ややかな声が響いた。
「――凍れ」
同時に、アルマの目の前で何もかもが音もなく停止した。
正確には、彼女が前方に伸ばした手から発生している不可視の力場によって強制的に動きを止められているのだ。
(【氷盾】のステイシス・フィールドはアキラくんの【氷腕】とは比べものにならない防御力を持ってるから、アルマの心配はいらないよ!)
と、ちびシューラによる解説。
続けて、アルマは僅かに口の端を持ち上げてラフディの戦士たちに向けて侮蔑の言葉を送る。余りにもわざとらしいが、興奮した彼らには効果覿面だった。
「は、情けない。ラフディの戦士っていうのはその程度? そんなんじゃトントロポロロンズだって平気で跳ね返せるよ」
【
言葉だけではない。纏う雰囲気が既に他と隔絶していた。
ふと気が付くとアルマを視界の中に収めてしまう。
問答無用で意識が引き付けられ、結果として彼女へ攻撃してしまう――そんな存在感があるのだ。『目が離せない』。まるで呪的な力によって顔を鷲掴みにされているかのように。
(気をしっかり持って! 私たちは先を急ぐんだからね!)
ちびシューラの言葉で我に帰る。アルマがたった一人で大勢を引き付けてくれているうちに、先を急がなくては。
見境無しに暴れ、時折襲いかかってくる暴徒たちを撃退しながら進む。
ただ暴れ回っているだけの人々は対処が楽でいいのだが、問題は明確にトリシューラに狙いを定めている連中だ。
彼らは肉体の欠損を第五階層の物質創造で補っている――俺と同じ呪術的なサイボーグである。迷宮労災に加入もできずここに流れ着いた不法移民や貧困層――義肢を手に入れ、レオたち【公社】が援助することでその状況は改善された。
それは俺の浅はかさゆえの思い込みだったのか。
「破壊しろ! 我々から貴い労働の権利を奪う機械の魔女を打ち壊せ!」
煽動者の叫びに賛同しながら機械の腕を振り上げてトリシューラに襲いかかる暴徒たち。俺が足払いで目の前の男を倒し、グレンデルヒがつまらなさそうな表情で催眠呪術によって無力化していく。カーインの貫手が閃く度、次々と男たちが地に臥していった。
元探索者とはいっても、長く前線から離れて訓練もできなかった彼らはあまりにも呆気なく無力化されていった。しかし、その中に一人だけ異様な速度で動く者がいた。正真正銘の『怪物』――俺は一瞬、その男の姿を見失った。
カーインが側面からの一撃を受けようとして、ガードごと吹き飛ばされる。
追撃しようとしたその男に銃撃と呪術が集中。飛び退いて距離を取ったその男は、片手片足が白骨死体という再生者だ。顔には無惨な火傷の痕。一見すると無精髭が伸びっぱなしの穏和そうな中年男。だが垂れ気味の目は昂ぶる戦意と確信的な狂気に染まっている。
どこかでこんな目を見たことがあった。
純粋、潔癖、高潔。その究極たるグロテスクさ。
どこまでも善良に正義を信じ、その果てに傲慢な殺戮に至る。
聖なる狂信者。キロンに似ているのだ、この男は。
「分不相応な技術を破棄せよ! 不自然な機械は全て壊すべきだ! 機械女王トリシューラ、その偽りの命、今度こそ貰い受ける!」
ちびシューラは露骨に嫌な顔をした。
(『上』がこの混乱に乗じて修道騎士を送り込んできてる――ってわけじゃなくて、アレはただの暴走みたいだね。めんどくさいなあ)
守護の九槍第八位、ネドラド。
今は『元』が付くらしいが、極めつけに厄介な奴がやってきてくれたものだった。どうやら無自覚なまま操られてラクルラールの手駒になっているようだが、それを説明して引き下がるような手合いには見えない。
トリシューラの襲撃に失敗して以来、しつこく再襲撃の機会を窺っていたらしい。【ラッダイト運動】なる特殊な呪術武芸の使い手であるこの男はトリシューラの天敵だ。当然俺とも相性が悪い。まともに戦いたくない相手だった。
一撃でも喰らえば即座に戦闘不能になりかねない。
カーインが吹き飛ばされた今、俺たちとネドラドの間に障害は何も無かった。
男の身体が僅かに沈む。直後、その姿が霞んだかと思うと瞬時に真横を抜けられる。しまったと思ったときには既に遅く、ネドラドの拳がトリシューラを襲う。
「この愚か者共が!」
寸前で割って入ったのはグレンデルヒだった。トリシューラを突き飛ばしてネドラドの拳を受け止め、そのまま至近距離で極大の呪術を放とうとする。
しかし、あの男を機械の身体に憑依させていたのが失敗だった。
グレンデルヒは一撃でバラバラに解体され、瞬く間に無力化されてしまう。
距離を取ったのも束の間、続けてトリシューラを狙うネドラド。
その時、ネドラドの手が顔の前で閃いた。
白骨化している指先に、銃弾が挟み込まれている。
テンガロンハットを被った男が、両手に巨大な拳銃を構えてネドラドの前に立ちはだかっていた。ゼドは陰気な声で嘆息するように言った。
「――追加で割り増し料金を頂くぞ。この男相手に通常の護衛報酬ではとても割に合わん。急げよ、そう長くは持たん」
元守護の九槍と四英雄の激突を尻目に俺たちは塔へと急ぐ。
トリシューラが事前に武器を持ち込んでくれていたお陰で、ある程度の敵は接近される前に撃退できていた。暴徒鎮圧用のゴム弾であるため殺害には至らないが、その衝撃は相手を無力化するのには十分だ。
一方、同じタイプの銃をフルオートで全弾命中させているトリシューラは何かがおかしい。次々と障害を排除して、俺たちは目的地へと辿り着く。
塔の入り口、その前に門番のように立つ影が五つ。
いずれも再生者として甦った大地の民の精鋭たち。
ラフディーボールで対戦したチームの中核メンバーたちだった。
「来たか」
ルバーブは静かに口を開いた。
丸々とした見事なあんこ型の力士体型。
眼光鋭くこちらを睨め付け、落とした腰が地を踏みしめる足に圧倒的質量を押しつけ続けていた。今すぐにでも蓄えられたエネルギーを解放できる姿勢だ。
他の四人も漂わせている剣呑さが尋常では無い。追いついてきたカーインが交戦状態に入り、即座に
戦闘が始まっても、ルバーブは動かないままだった。
ただじっと俺とトリシューラを睨み付けている。
狙いはただ一つ。
頭を獲れば戦いは終わるのだ。
ふと、ルバーブの髪に変化が起きていることに気付く。
ざんばらで癖の強い乱れ髪。艶やかなマラードの長髪とは対照的な――口の悪い言い方をしてしまえば汚い印象のある髪だ。その至る所に、小さな棘球が引っかかっている。指で環を作ればその中に収まってしまうほど小さいが、恐らくあれはラフディーボール。当然、棘を炸裂させる機能を有した兵器なのだろう。
彼は髪に呪力を通して強度を高めることにより、大量の火力を保持したまま戦えるようにしているのだ。弧を描くように波打つ髪は、あるいは棘球を絡ませる為の癖毛であったのかもしれない。民族的な装飾のように揺れる大量の棘球がルバーブに爆弾じみた気配を与えていた。すなわち、一触即発。
「一応訊いておくね。アレッテ・イヴニルを倒しに行くところなんだけど、協力してくれない? あいつはあなたの主を騙していた、私たちの共通の敵だよ?」
トリシューラの問いに、ルバーブは一言で返した。
「おお、球神よ、我に加護を与え給え」
ネドラドと同じ目をしていた。
絶対的な規範を信じ抜き、唯一の正義、美しい善を貫こうとする気高い意思。
思考は無い。慣性のまま前に進むだけの存在だ。
戦いは避けられない。ルバーブはここで打倒する必要があるのだ。
「最初からこれが狙いか。ラフディーボールっていう競技の選択がまずかった――いや、そもそもこの『流れ』、私たちも操られた結果なのかな?」
トリシューラの呟きは一つの可能性を示唆していた。
これまでの俺たちの行動、その原因から結果まで何者かの掌の上であったという恐れがあるのだ。もしそのような存在がいるのだとすれば、そいつは遙かな高みで訳の分からない呪術自慢でもしながら操り糸を垂らしていることになる。
「考えても仕方無いだろ。その時はその時だ。操り手が見つかったらぶっ飛ばせばいいだけの話でしかない」
「だよね。前のラクルラールだって倒せたんだから、高次存在くらい幾らでもやっつけてやろう!」
さしあたってはアレッテ・イヴニルだと気合いを入れて、トリシューラは塔へと急ぐ。ルバーブが動くより先に俺は駆け出した。役割分担はこれ以上なく自明だった。俺はここでルバーブを。トリシューラはアレッテを。
「あとは任せる、トリシューラ!」
「ここは任せたよ、アキラくん!」
咆哮するルバーブの背後で、浮遊する黒い魔導書が項を捲り続けていた。
同様に、俺の背後でも同じ装丁の書物が鈍い光を放っている。
共に王の従者でありながら【断章】を保有しているのは、主の有り様を傍らで記録する役目を担っているからだろうか。王たちが【断章】を奪い合うというコルセスカのゲームの主旨からかなり離れてしまっていた。
見方によっては、この戦いは主の運命を背負ったものだと言う事もできる。
お互いに負けることはできない。
王の片腕として、王国を勝利に導くのがその責任だからだ。
防御に優れた右腕を前に、攻撃に優れた左腕を右腕の後ろに隠すようにして半身に構える。【氷腕】の機能は衰えているものの未だ健在だ。ルバーブの猛攻の盾となってくれることだろう。
(アキラくん、気をつけてね。大地の民に多い長い髪――掴むのは有効そうに見えるけど、自殺行為だか)
本体が離れていても俺の助言者として機能し続けるちびシューラ。頼れる相棒に言われるまでも無く、髪が強い呪力を帯びた呪物であることは骨身に染みて知っている。カーインなどは長い髪を振り回し、先端の髪留めを鈍器として使ってくる程だ。物理的な威力もそう馬鹿に出来ない。
「換装・五十番!」
(No.50――【エンバーディープ】エミュレート!)
蒸気機関の腕に換装して腰を落とす。
緩んだ膝。吹き上がる蒸気と間断のないピストンの音。義体の歪な重量バランスを補正しながらゆっくりと重心を前に移していく。
派手な義肢の目と耳を引き付けるギミックは虚仮威しだ。
形式だけの『架空のレトロさ』が生み出す偽りのリズムにルバーブが気を取られた瞬間、音の隙間を縫うようにして前進する。踏み出すと言うより滑り出す。摺り足に似た足運びで間合いを縮めていく。
ルバーブの応手は意外にも後退。
頭部を軽く左右に振って髪に絡まった棘球を数個ばらまいた。
脳内通信に【サイバーカラテ道場】からの警告。
【弾道予報】が最適な回避ルートを提示、同時に両手が閃いて幾つかの棘を纏めて弾き落とす。幸いと言うべきか、サイズが小さいため棘の威力も控え目だ。
カーインと
いつかの再現。
現代のサイバーカラテと古代のサイバーカラテが大地を震撼させていく。
ルバーブは最初、中距離で棘球をばらまいて牽制。こちらが怯んだ隙に一気に攻め込むという意外なほど慎重な攻めを多用してきた。
どうも様子がおかしい。前に戦った時は積極的に前に出てきて打撃や掴みを主とした近距離での戦い方を好んでいたような気がするのだが。
守るべき主がすぐ傍にいない今は、自ずと戦い方も変わってくるということか。
外見に反して動きは疾風のようだ。瞬く間に間合いを引き離して、とても拳が届かないような距離で拳を引いて構えをとる。その仕草に【サイバーカラテ道場】が反応する。膨大な呪術のデータベースに類似する動作がひっかかったのだ。
即座に回避行動に移る。予想通りルバーブの拳に異変が起きていた。手の甲に生えたごわごわとした体毛が急速に伸びていく。瞬時に硬化すると、それは凄まじい長さと量を誇る棘の束になった。全身の体毛を硬化させて武器にする【ラフディの棘の民】が得意とする呪術だ。毛は呪物。この世界の常識が俺に牙を剥く。
びっしりと束ねられた針先の奥には影が作り出されていた。
針先の表面に入射した光が隣り合う針先の表面で反射を繰り返していくと、針束の奥は真っ黒に見える――棘の束が抱えた闇が、更なる漆黒の棘を生み出した。
ルバーブはぼそりと呪文を唱えた。
「【
実体の棘と、非実体の棘。銀と黒の刺突の嵐が猛然と襲いかかる。
背筋が粟立ち、記憶が刺激される。
魔将エスフェイルが多用していた、あの防御を貫通する黒い棘の連射呪術!
防御は無謀、かつてのように掴み取るのもこの物量では難しい。何より、実体と非実体が入り交じっているせいか軌道が次々に入れ替わって【弾道予報】が正確に機能しない――同じ呪術でも使い手が違うとこういうやりづらさがあるのか!
横殴りの集中豪雨とでも言うべき棘の弾幕を駆け回って必死に躱す。
外れた棘はフィールドで乱闘中の暴徒たちを次々に貫いていく。
響く絶叫。苦痛の大合唱を指揮棒のように制御するルバーブの棘は、敵味方など区別せずに貫通を繰り返した。
「お前のとこの国民も巻き添えか、見境なしだな!」
「民の血と苦痛は球神の供物となるだろう。それは喜ぶべきことだ」
冷酷な返答にぞっとする。
この男は、こんなパーソナリティだっただろうか。
俺が抱いていたのは、『マラードの民』を自分が傷つけることに抵抗感を覚えるような忠臣のイメージだった。
「さっきから球神球神って、そんなに信心深かったのか? お前が仕えているのはマラードと球神、どっちなんだよ!」
「王の権威とはすなわち神によって与えられしもの。その二つは同じこと」
王権神授――Divine right of kings.
古めかしい『権威の後付け』だが、ルバーブが言っているのは恐らくもっと古代の原始的な価値観だ。祭司を中心とした呪術社会。
眩暈のするような浮遊感。酩酊にも似た世界観の乖離。
足場は確かな筈なのに、大地はこんなにも頼りない――ここは俺の居場所ではない。トリシューラの『杖』が余りにも遠い。
母なる大地より冷たい金属の床が俺には馴染むのだと改めて実感する。
それもまた違う呪術性でしかないのだとしても。
「俺の主はトリシューラだ。お前の神とは相容れない」
「大地の加護あれ」
蒸気を噴き出す巨大な腕と大地を揺るがす掌打が激突し、無数の棘を氷の腕が停止させる。防ぎきれなかった一部の棘がこちらの肩を貫通し、幻肢操作アプリによって拳の形状に変化させた蒸気がルバーブを殴りつける。
互いに小さなダメージを刻みつつ、決定打には届かない。
破損が深刻な左腕を換装し、攻撃に変化を加えて勝負に出ようとする。
相手も同じ事を考えたのか、左腕を前に出して何かをしようとしていた。
また棘の呪術かと身構えたが、ルバーブは予想外の動きに出る。
「確か、このように唱えるのだったか――アトリビュート」
それは、良く知っている響きだった。
外部の
「五十五番――【釘のナタリエル】」
それは、俺と全く同じ【キュトスの姉妹】を参照先にしたサイバーカラテの技術に他ならなかった。
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