3-59 死の囀り②




「何読んでるの?」


 端末から書籍画面を立体投影しているメイファーラに問いかける。

 視線の動きを読み取ってスクロールバーが下に動いていく。ごくごく一般的な読書の光景である。


「えっとねえ、こういうのだよ」


 そう言ってメイファーラは書籍情報を表示してくれた。

 相手のふわっとした口調に気が抜けていたのか、私は思わず、


「あっ」


 と声を漏らしてしまった。不覚である。

 小首を傾げるメイファーラに「何でもない」と誤魔化しを口にしてその場をやり過ごした。

 彼女が読んでいたのは、戦場小説あるいは迷宮小説と呼ばれるものだ。

 

「最近読み始めたの。ラーゼフせんせがおすすめだって」


「そ、そうなんだ」


 絶対わざとだ。

 許さない、今度会ったら影の触手で全身をくすぐってやる。


「まだあんまり読めてないけど、これすごい文字数でねー。なんだか読んでも読んでも終わらなくてちょっと疲れちゃうかも」


「申し訳ありません」


「ほえ? 何で謝るの?」


「なんでもないです」


 居心地悪く、呪動装甲の中でみじろぎした。

 そんなふうに会話していると、背後からプリエステラに声を掛けられた。


「二人とも、みんなの準備が出来た――けどさ」


 振り返ると、整列したティリビナの民たちの姿。

 パレルノ山を脱出する準備は整っているが、問題が一つある。

 拘束用の縄で雁字搦めに縛られて、目隠しをされた男と少女。

 ガルズとマリーだ。

 もちろん二人を束縛しているのは全て強力な呪具で、どのような高位の呪術師であっても抜け出すことはできない。ましてや、すぐ近くでサリアが抜き身の短剣を用意しているのだ。下手な動きをすれば二人の首は即座に飛ぶ。


「あれ、本当に連れて行くの?」


 眉根を寄せて苦言を呈するプリエステラに、私はやむを得ないというような口調を作って答える。


「仕方無い。ここに放置してたら世界の更新に巻き込まれて死んじゃうから」


「お願い、ちゃんとした裁きを受けさせるから、だから殺さないであげて!」


 必死に懇願しているのはリーナだ。

 彼女の目的は従兄弟であるガルズを捕まえて凶行を止めること。

 そして、自らの手で捕縛することで誰かに殺されないようにすることもだ。

 アルセミットには死刑があるので、槍神教の司教を複数殺害した上で爆破テロまで行った彼が火刑を免れることが出来るかどうかは正直微妙な所だ。

 クロウサー家という家柄が役に立つかどうかだが――何にせよ、私たちには捕縛してしかるべき機関に引き渡すことしかできない。

 このしかるべき機関というのが松明の騎士団なのか智神の盾なのかがまた難しい所なのだが、それは後で考えるとして。


「あのね、不測の事態――例えば【白焔】とか【死の囀り】とかに遭遇した時に、囮になって貰うって使い道もあるよ」


 私の言葉に反応してサリアが視線をこちらに向けた。兜に遮られて私の表情はわからないはずだけれど、確かに意思が通じ合ったのを感じる。

 私が『合流』したことを無言で確認し合う。


「え、えええ、ちょっとまってアズーリア隊長それは鬼畜過ぎるよ!」


 愕然とした表情で叫ぶリーナを手で制止して、私は続けた。


「たとえばの話。どちらにしても、いざという時に予備の戦力があるのと無いのとじゃかなり状況が変わってくる――というわけで、場合によっては貴方たち二人にも働いてもらうから」


「――やれやれ。いきなり襲いかかられて連れてこられたと思ったら、今度は強制労働か。ついてないな」


「ダメダメですー。【小鬼殺し】がいるなんて聞いてないのでもう死にたい」


 ガルズとマリーは苦言を呈しながらも逆らう様子は無い。

 ――パレルノ山到着直前に遡行したサリアは、転移門の手前で単独での偵察を提案した。


『まずは身軽な私が周囲を哨戒して、ガルズがいないかどうかを確認してくる』


『なら私も連れてって!』


 というやり取りがあり、空を飛べるリーナと人間の限界を超えた俊足を誇るサリアはティリビナの民の集落に向かう私たちとは別行動をとることになった。

 そして、今までの無数の周回から得た情報を元にしてガルズたちの位置を割り出したサリアが瞬く間に二人をねじ伏せ、ここまで連れてきたというわけである。

 考えてみると何から何までサリアの強さに依存した計画である。

 強すぎてもう全部サリア一人でいいんじゃないかなっていうくらい。

 他の二人もこのくらい強いんだろうか。怖い。

 

「小鬼殺しが目を光らせている以上、僕たちに打つ手は無い。大人しく従うとしようか」 


「ハル、念のため契約呪文で私たちに逆らえないようにしておいて」


「おっと、それは断らせてもらおうか」


「――どういう意味?」


 ガルズは肩をすくめて「どうもこうもない」と言う。


「現状、僕たちが助かる道はただ一つ。悪魔の九姉の記憶が襲撃してきて一時的に解放されることだけだ。その状況を乗り切った後、【小鬼殺し】の目を盗んで逃げ出せなければ僕らは逮捕連行即日処刑さ。死ぬことが確定しているのなら君らに協力する意味は無い。襲われたとしても抵抗せずに大人しく死んでやるつもりだ」


「みんな死ねばいいです末世到来ですわーいわーい」


 暗鬱に告げる言葉には本気の色があった。

 呪文で縛れば、彼らは宣言通り何もせずに死ぬだろう。

 それでは意味が無い。


「なら、いっそここで殺しちゃう?」


 メイファーラが朗らかに物騒な事を言う。彼女は悪魔の九姉が二人同時に襲撃してくるという未来を知らない。明確な脅威を潰しておくという意味では彼女の言葉の方が正しい。けれど。


「ううん。やっぱり生かしたまま連れて行こう。ちゃんとした手続きに則って裁きを受けさせないと。だよね、リーナ」


「う、うん。あの、ありがとう、アズーリア」


 どうやら、彼女に配慮した結果だと思われてしまったらしい。

 未来の知識を持っていることを隠さなくてはならない以上、好都合ではあるのだが、罪悪感で胸が少しだけ痛んだ。

 意外にも、反発しそうだと身構えていたペイルからは何の反応も無かった。

 ミルーニャは私の言うことならと受け入れてくれたが、ハルベルトは私の態度に不審を抱いたようで、胡乱げな視線を感じた。

 兎にも角にも、そういう経緯で奇妙な道連れを加えて坑道を進む事になった私たち。以前と違うのは、浮遊する絨毯に乗せられた二人の囚人が最前列にいること。

 そして、サリアが常時二人の動向に目を光らせているために、先行して敵の撃滅が不可能になっていること。

 それでも敵が接近していることはわかるため、その度に足を止めて私とハルベルトが呪文を叩き込み、撃ち漏らした敵をメイファーラとリーナが個別に仕留めていくというやり方で進んでいく。

 サリアが縦横無尽に活躍していた時よりは多少進みは遅いが、充分に順調な進行だった。

 ただし私とサリアは常時緊張したままだ。

 【死の囀り】カタルマリーナは完全に気配を断って接近してくるので、事前に襲撃を察知することが極めて困難だ。

 周回ごとに出現の時間も場所も異なるので、対処がしづらいことこの上ない。

 法則性なども全く見いだせない為、その場その場で対応していくしかないという結論に至った。執拗にプリエステラを襲おうとするビークレットの方がまだわかりやすい。

 それを見越して、『いつものように』私は事前にプリエステラに言い含めておいた。


「エスト、もし【白焔】が出てきたらサリア、さんが相手をするから、貴方はティリビナの民を落ち着かせて、確実に誘導することだけ考えて。怪我をした人がいたらイルスさんと一緒に治療をお願い」

 

「え? うん、わかったけど、どうしたの急に」


「くれぐれも、自分一人だけが犠牲になってみんなを守るとか考えちゃ駄目だからね。全員無事に生きて帰れないと、私いつまで経っても家に帰れないんだから」


「はあ?」


 このやり取りも、もう何回目だろうか。

 いつもなら悪魔の九姉による挟撃という状況に追い込まれた後、さしものサリアといえど神話に登場するような魔女を二人同時に相手取ることはできずに苦戦してしまう。その結果プリエステラは結局この言葉を無視してしまうのだけれど――今回は状況が違う。

 暗がりを松明の紋章で照らしながら歩いていくと、やがて『その時』が訪れた。

 闇の彼方にぼんやりと浮かび上がる半透明の女性。


「お姉、様――?」


 ハルベルトの呟き。私は左手の籠手を外し、槌矛を展開して杖形態に変形させる。サリアが素早くガルズの目隠しをはぎ取り、喉元に短剣を突きつけた。


「浄界を使え。ただしティリビナの民を死人で上書きしたら殺す」


「はいはい、仰せのままに」


 ガルズの金眼が輝き、狭い坑道が塗りつぶされていく。

 背後に現れた白き焔の貴婦人をも取り込んで、世界が変質していく。

 そこは夜の世界。

 一面の闇に塗りつぶされた、漆黒の空間だ。荒れた土。死臭が満ちる大気。風は湿り気を帯びて冷たく、頭上で輝く四つの月は現実の月齢を無視した満月だ。

 私の全身に、無尽蔵と思える程の呪力が漲っていくのを感じる。おそらくは夜の民の甲冑を影に着込んでいるサリアも似たような感覚に奮い立っていることだろう。夜の世界を創造できるガルズを引き込んだ、これが本来の目的だった。

 私たち二人の戦力はこれで格段に上昇した。

 これなら、勝ちの目も見えてくる。


「サリア、後ろお願いっ」


「任されたっ」


 サリアは勢いをつけてガルズの背中を蹴飛ばしてカタルマリーナの前に放り出し、そのまま後方に疾走していく。

 私は杖の天青呪石から伸ばした拘束帯をマリーに巻き付けて、ぐるぐると回転させて前に投擲した。


「これちょっと扱いひどくないですかー」


「死にたくなければ戦え」


 冷たく言い放って、周囲を振り返って声を張り上げる。


「行くよみんなっ! 私とハルとリーナであれを抑えている間に一気に突破して! メイは感応遮断してティリビナの民の護送を継続! ミルーニャ、エスト、ペイル、イルスさんはメイと一緒に転移門に向かって! 護送が最優先!」


「まかせてー」


 メイファーラがティリビナの民を引き連れて進んでいく。

 そうはさせまいと文字を帳面に書き付けようとしていたカタルマリーナの真下から、漆黒の影が飛び上がって翅ペンと帳面を弾き飛ばす。


「悪いけど、貴方の術は全部縛らせてもらう」


 私は己の影――アストラル界にある本体を蠢かせて、無数の触手として解き放った。攻性投射。その一つ一つが個別の攻撃呪文プログラム。時間だけは沢山あったから、相手に通用しそうな構成をハルベルトやカタルマリーナの呪文を参考にしながら片っ端から真似したのである。

 途方もない戦いの記憶――私の呪術師としての技量は、お師様とそのお師様の死闘という最上の手本を幾度も見せられたことによって格段に上昇していた。

 突然に実力が跳ね上がった私は、この世界が夜であるということを差し引いても異様に映ったらしい。仲間達からの奇異の視線。

 けれど、今だけはそれが私に都合良く働いてくれた。


「任せていいんだよね――頼りにしてるよ」


「アズーリア様――どうかご無事で。これ、使って下さい!」


 私を庇って死んでいくことが最も多かったプリエステラとミルーニャが、膨れあがった私の呪力を信じてこの場を任せてくれた。ミルーニャが手渡してくれたのは魔導書【死人の森の断章】だ。設定は以前のまま。アカウントを消さないでいてくれたらしい。

 私は無数の触手でカタルマリーナの細い身体を締め上げ、虚空に固定する。

 その隙にメイファーラ率いる一団が浄界の向こうへと脱出していく。事前に、こういう事態になったら脱出を可能にしておくようにガルズに言っておいたのだ。どうやらサリアの脅しが効いたと見える。

 背後ではビークレットとサリアが激闘を繰り広げ、私、ハルベルト、リーナ、そしてガルズとマリーがカタルマリーナと対峙することになったわけだが。


「うええ冗談きっついよこれ」


 リーナは半泣き半笑いで呻いた。

 【死の囀り】カタルマリーナの亡霊は、私の触手を容易く引き千切ると、腹話術の人形を放り捨てた。

 途端、巨大化した人形が襲いかかってくるが、これをハルベルトの【毛むくじゃらの亀ペルーダ】が迎撃。

 ガルズの邪視、マリーが操る骨花の邪視、そしてリーナが大量の紙片を撒き散らせながら放つ【空圧】が揃ってカタルマリーナを襲う――のだが、全てが無駄に終わった。

 本物ではないただの残響とはいえ、悪魔の九姉の亡霊は圧倒的だった。

 口元の布がはらりと落ちて、美しい唇の形が露わになる。

 その歌声は、口が開く前に夜の世界に響き渡った。

 未来のカタルマリーナが歌った呪文が、時空を超えて未来から過去である今へと響いてきているのだ。

 ただの余波に過ぎないそれは、しかし絶望的な圧力を伴って私たちに襲いかかる。観念的な『前方』から吹き付けてくる『意味の暴風』に意識が飛びかける。

 ここに残ったのは呪術抵抗が強い者ばかりだが、それでもリーナが呻いて耳を押さえ、マリーがびくりと全身を痙攣させ、ガルズが膝をつく。

 幾度となくその攻撃に苦しめられた私は『本命』が来る前に対処すべく黒い魔導書を開いて【爆撃】を発動。

 無効化されることがわかっている爆発を目眩ましにして、杖から拘束の光を伸ばしてカタルマリーナの喉に巻き付ける。呪文使い相手への定石だ。

 だがカタルマリーナは呪文使いとしての極限たる超高位言語魔術師――技量においては言語支配者にも比肩すると言われた世界有数の使い手である。

 その左手が虚空に文字を描き、右手が大陸共通規格の手話で呪文を唱える。

 左右の地面から伸びていた私の影があっけなく霧散し、更には私の拘束帯が強力な呪力ではずされようとしている。


「ハル、極大呪文! 合図したらありったけお願い!」

 

 私は魔導書の呪文で杖の拘束を強化しながら必死に耐える。

 カタルマリーナが本気で歌い出せば状況は一気に悪化する。ハルベルトは即座に私の意を汲んで詠唱を開始する。

 【死の囀り】は無言のまま手だけで呪文を撒き散らしていく。

 虚空を走る文字列がリーナの【旋風】でかき乱され、手話による空間の歪みでマリーの腕がぐるぐると螺旋に捻れていくが、彼女は素早く自らの腕を切断して逃れる。骨花はとっくに破壊されて機能を停止している。

 ガルズは瞳から輝きを放ちつつ、長大な呪文をぶつぶつと唱え続けている。聞き取りづらい暗鬱な言葉の群れが途切れたと思ったら、空に暗雲が立ちこめていく。


「英雄たちよ、今一度現世に集い給え」

 

 やがて黒々とした雲はガルズの周囲に降りてくると、その内部から次々と扁平な墓石が出現していく。

 雲葬――空の民特有の埋葬方法。雲の中から突きだした無数の墓、その数は七。

 びたりと、一つの墓石に血の気の失せた手が張り付く。

 更には他の墓石にも白骨化した腕や、腐敗が始まった手が張り付いて、雲の中から七人の命無き戦士たちが姿を現した。


「【骨組みの花】再結成だ――マリー、いくよ」


「わーい皆さんお久しぶりですー」


 ガルズとマリーを含めて九人――死人使いと死人で構成された、それは探索者の集団だった。

 長槍や槌矛、鉄槌などを構えた前衛が突撃し、斥候が呪符を巻き付けた投げナイフを投擲する。ガルズが後方から邪視で支援を行い、マリーが倒れた死人を【修復】したり前衛に飛び出して負傷者が撤退できる余裕を作ったりと忙しなく動き回る。その動きはとても統制がとれていて――全員を同時に操っているというのではなく、仲間の動きを信じ合ってきちんとした連携をとっているように見えた。

 【骨組みの花】――その探索者集団はガルズを残して全滅したと聞いている。調べた結果だとマリーもその一員であったらしいけれど、彼女はどうみても生きているようにしか見えない。

 その見事な戦い振りは、理想的な探索者集団そのものだ。

 壊滅以前の評判を聞く限り、ガルズがあのような凶行に走る理由が全くわからない。ガルズたちに何があったのか。こんな時だというのに、私はどうしてかそれが気になって仕方が無かった。

 ガルズ達【骨組みの花】が加わったことで、私たちの戦いは一気に安定し始めた。ハルベルトは延々と終わらない呪文を唱え続け、リーナの強烈な【空圧】と私の影の触手がカタルマリーナの左右の手から放たれる呪文をどうにか相殺していく。ガルズ達の攻撃は僅かだが、着実にカタルマリーナの防御障壁を削り本体に手傷を負わせつつあった。

 白骨死体の戦士が槍で腹部を貫き、腐乱死体の鉄槌が頭部を思い切り打ち据えた。カタルマリーナは半透明の身体をぶれさせて、一瞬だが存在が不確かになる。

 ほっそりとした輪郭が歪み、崩壊の兆しを見せ始める。

 その間にも左右の手は凄まじい速度で呪文を紡ぎ続け、未来から襲いかかる歌声が私たちの精神を確実に摩耗させていく。猛攻を抑えきれず、私の触手の間をかいくぐって不可視の呪力が死人を瞬時に灰にした。

 更には暗号化されていた文字列が突如としてその姿を現し、腐乱した斥候の全身を螺旋状の肉塊へと変貌させていく。


「リオン、ギザン!」


 ガルズが悲痛な叫び声を上げる。

 彼らはこの浄界――つまりガルズの世界で再現された死者であるから、また世界を展開し直せば甦らせることは可能な筈だ。

 だがその声に込められた感情は本物の苦痛だった。仲間を失うという悲しみ――それを、私はよく知っている。

 キール隊の皆。そして、今の仲間たちの、あり得たかも知れない結末での死。

 なんだか嫌な感じだった。

 ガルズとマリーは倒すべき敵だ。

 その事情を、内面を忖度してはならない。エスフェイルの時だってそうだった。彼の境遇を理解しつつも、倒すべき敵、憎むべき仇と見定めていたからこそかろうじて勝利できたのだ。

 敵の把握と理解は必要だ。

 けれど、共感しては駄目だ。殺せなくなる。

 そんな心の惑いが呪力をかき乱したのだろうか。

 カタルマリーナの喉に巻き付いていた拘束帯が引き千切られていく。未来から響いてくる歌声が力強さを増し、全身を襲う圧迫感が膨れあがった。


「うわあああやばいやばいこれ逃げよう死ぬ絶対死ぬって」


 リーナが涙目になりながら箒に跨って飛翔しようとするが、彼女はそうやって無理に前に出て突破しようとしては毎回カタルマリーナの呪文に掴まって肉の螺旋になる定めだ。このままだとまずい。


「遡ってっ、フィリスッ!!」

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