3-12 言の葉遣いは躊躇わない⑦


 パレルノ山は古い時代の呪石鉱山であり、リクシャマー共和国の帝政時代にまで遡ると、文献上にその存在が確かに確認できる、実在の古代世界である。大地の飛散、球化、浮上と度重なる地殻変動を経て地上からはその姿を消してしまっているが、その記憶は世界槍の内部に刻まれて、第一階層の裏面のひとつとして再現されている。


 旧リクシャマー帝国領土内最大の鉱山であったパレルノ山には、マグドール商会が地下深くまで掘り進めた大規模な坑道が蟻の巣のように広がっており、そこには現代では枯渇寸前の貴重な呪石資源が埋蔵されているという。第一階層の中央迷宮が攻略され、【騎士団】が最初の拠点である【時の尖塔】を作り上げると、国や企業は喜び勇んで裏面であるパレルノ山の資源採掘に乗り出した。


 そして、その全てが失敗に終わった。

 呪石から放出される呪波汚染によって異常発達した地質と植生によって採掘は上手く行かず、特殊な成長を遂げた動物や古代人が警備用に開発した呪術機械や生体守護者などの怪物たちの手にかかって余りにも多くの人命が失われるに及んで、ようやくこのパレルノ山という古代世界の危険性が理解されるようになってきたのである。


 第一階層の裏面は四つあるが、他の三つは駆け出しの探索者が挑むには丁度いい水準の古代世界である。しかしパレルノ山だけは別だ。この地はとある理由により、第二階層や第三階層を超えて、第四階層の裏面と並ぶほど危険だと言われている、初心者が間違えて足を踏み入れて死亡する定番の危険地帯である。


 探索者協会は【扉】の手前に注意書きを設置しているのだが、どうしてか無視して挑んだ挙げ句、帰らぬ人となるケースが後を絶たないという。

 尤も、坑道内部に深く侵入せず、外側の山道を進むだけならばそこまで危険性は高くない。せいぜい第二階層から第三階層の中間辺りの難易度だ。


「それでも気は抜けないけどね」


 手で庇をつくって、メイファーラが前方を見回した。パレルノ山は呪力の偏りの為、木々が異常なまでに繁茂している場所と逆に枯死して禿げ山になっている場所とに分かれている。荒れ果てて乾いた山道を進んでいると心が荒みそうになるが、この地形には利点もある。


「この辺りは見晴らしがいいから、哨戒がわりと楽だよ。反対側の方でも木登りすればわりとなんとかなるかも。狭い坑道内とかだと先が見えづらくてちょっと大変かなあ」


「メイファーラさんがいてくれて、とても助かっています。奇襲を受けず、常に先手を取れるというのはやっぱり大きいですね」


「お役に立てているようでなにより。それと、あたしのことはメイって呼んでくれていいよ。その代わり、きみのことをアズって呼ぶから」


「――うん、わかった。よろしく、メイ」


「こちらこそよろしくね、アズアズー」


 メイファーラは右側で束ねた髪の一房を揺らしながら、穏やかに微笑んだ。

 親しみやすくて感じのいい声の調子に、ここが戦場だということを忘れそうになる。

 本当は出会ってすぐに距離を詰められるのはあまり好きじゃない。

 けれど、彼女には私が黒衣や鎧の内側に築いている障壁を優しく取り払ってしまうような雰囲気があった。


 けどアズアズは無い。

 それは止めて欲しいと告げると「ごめんね」と舌を出された。

 可愛いから許す。


 そう、メイファーラは可愛い。

 ハルベルトは神々しいまでに美しく、ミルーニャは毒を含んだ愛らしさが小悪魔的だが、メイファーラは何というか、普通に可愛いのである。

 この癖のある面子の中で彼女の存在は癒しだった。


「調子こいてる」


「は?」


 唐突に、ハルベルトが難癖を付けだした。


「兜をしてないのは種族特性を活かすためだからいいとして、メイファーラの鎧は軽装甲にも程がある。それに何、その短いスカートは」


 どうして急に年配の人みたいなことを言い出したんだろう。ミルーニャを黙らせてからやや落ち着いたと思ったのに、またしても急に機嫌が悪化している。


「うーん、そう?」


 メイファーラは自分の姿を見下ろした。確かに私の全身甲冑に比べれば圧倒的に露出が多く、身体を覆う装甲は必要最小限だ。動きやすさを重視した斥候用軽鎧を、更に軽量化した特化型呪動装甲なのだろう。


「あの、お言葉ですが。お師様こそ山歩きには向かない無防備な格好なのでは」


「うるさい。弟子の癖に生意気」


 自分の超ミニなスカートを棚に上げたハルベルトは、私の指摘を一蹴した。

 多分短さではハルベルトの方がだいぶ際どい。

 いや似合ってるから構わないといえば構わないのだけれど。


 二人とも、脚がすらりと長くて羨ましい。

 そして身長が私よりずっと高くて並ぶと結構な劣等感がある。

 それでもハルベルトは男性の平均に迫るメイファーラの身長には届かず、並ぶと目線がずれてしまう。


 挑むように見上げるハルベルトの視線を受けても、メイファーラはのほほん、としたままだ。

 メイファーラはスカートの裾をぱたぱたと揺らしながら首を捻った。


「うーん、可愛さ重視?」


 デザイン性は呪力を生み出す。

 物理的な防御性能より、呪術的な防御性能を重視するというコンセプトの呪動装甲だということらしい。

 『可愛い』というのは立派な呪術障壁となり得るのだ。


 その理屈は理解はできるのだが、それでも鎧にミニスカートってどうなんだろう、と思ってしまう。落ち着いた赤地に白のラインが走り、菱形模様が並ぶデザインそのものは正直好みなんだけど。


「うん? 下ならスパッツ穿いてるから大丈夫だよ?」


 メイファーラは何を思ったのか、スカートの裾を摘んで引っ張り上げた。

 ハルベルトが硬直し、後方で沈黙状態のミルーニャが転ぶ音がした。

 「ね?」と同意を求めるメイファーラだが、こっちはそれどころではない。えっと、これはどういう反応をするべきなのだろう。


 ハルベルトが無言でメイファーラのスカートを引っ張って元の位置に戻し、下からじっと睨み付ける。


「あ、ごめん。はしたなかった? 他に誰もいないしいいかなって」


「――あざとい。やっぱり調子こいてる」


 傍目から見てもいらいらとしているのが見て取れた。これはまずい。

 ハルベルトは憤然とした様子で私の兜内部に夥しい量の呪文を送信したかと思うと「それを全部暗記すること。900秒後に試験するから」と無茶な要求をしてくる。

 何故とばっちりがこちらに来るのだろう。とはいえ文句を言うわけにもいかず、必死になって複雑怪奇な文字列を頭の中に叩き込んでいく。


 メイファーラの先導に従って山道を進む。遭遇する怪物たちの集団に先制攻撃を仕掛けては殲滅し、対処が無理そうな大集団はやりすごして、一行の足取りは順調そのものと言えた。

 入り組んだ道は傾斜がきつくなったり緩やかになったり、かと思えば急に下り坂になったりと忙しない。


 硬い地面とそこら中に散らばっているごつごつとした石、そして所々に生えた枯れ木が、こちらから生気を奪い取ろうとしているような錯覚さえ覚える。この場所は、ひどく乾いている。


 とはいっても、修道騎士として訓練を積んでいる私とメイファーラ、そして探索者としてそれなりの経験を積んでいるらしいミルーニャにとってはこの位の荒れた道はなんでもない――とまではいかないが、少々歩いただけでへばるようなことはなかった。

 つまり全く問題は無い、と思われたのだが。


「ちょ、ちょっと待って――」


 いつのまに最後尾まで下がっていたのか。ふらふらとした足取りでこちらを引き留めるハルベルトは、息も絶え絶えにこちらを引き留める。


「歩くの速すぎ。このままだと、目的の素材を見逃す可能性がある。ここは速度よりも正確さを重視すべき」


 ハルベルトの提言は正論に聞こえるが、荒く息を吐き、中腰になって手をついた膝ががくがくと震えていては説得力など皆無である。ミルーニャはあからさまに見下した表情で思い切り鼻を鳴らした。喋れたらとんでもない量の罵倒が飛び出していたに違いない。


「ここからあっちの方まで迂回していけば、金箒花が群生してる位置まで辿り着けるっぽいよー? もうちょっとだから頑張ってー」

 

 メイファーラの予測は極めて正確で信頼性が高い。

 何しろ彼女は序列第七位の天使【透徹のシャルマキヒュ】の加護を受けた眷族種、【ジャスマリシュの天眼の民】だ。


 【天眼の民】が有する超知覚は千里眼と呼ばれ、可視光線よりも波長の長い不可視光線を知覚することさえできるという。探索において千里眼の持ち主が斥候であればその集団の戦闘能力は格段に上昇すると言われている。その能力は採取依頼でもいかんなく発揮されていた。


「ぐう――屈辱」


 ハルベルトはぷるぷると震えながらも、ミルーニャが差し出した手に縋ってどうにか歩みを再開する。後衛同士で仲良く助け合っているのかと思ったら、ミルーニャはなんだかもの凄い優越感に満ちた表情でハルベルトを半ば引きずっていた。面倒見がいいんだか意地が悪いんだか、よくわからない。仲があまり良好ではないのは明らかだけど。


 そんな二人の前を歩きながら、私はふとメイファーラに問いを投げかけた。どうということはない、些細な疑問である。


「ねえ、空はどうして青いんだと思う?」


「うわあ?!」


 自分では大した事の無い問いかけだと思っていただけに、メイファーラの驚きようは逆にこちらがびっくりしてしまうほどだった。

 ビーンズ式詠唱の直撃を受けた鴉のように慌てたメイファーラは、すぐに落ち着きを取り戻して「どうしてそんなことを?」と訊ね返してきた。

 当然の疑問なので、用意していた理由を口にする。


「寄生異獣と同化したおかげで知覚能力が上がったから、今でこそ色彩というものが理解できるけれど――私は元々、色彩を知らなかったから。それで気になった。他の種族の人達は、私が色のない世界だと思っていたこの世界を、今までどんなふうに捕らえていたんだろうって」


 メイファーラは少しだけ考え込んだ。指先を顎に当てて少しだけ頭を捻る。


「えーと、それはつまり、唯一絶対の正解が欲しいとかじゃなくて、アンケート調査みたいなものってこと?」


「そんな感じ。【天眼の民】は他の種族とは異なる視野を持っていると聞いているから、聞いてみたくて」


「そっかー。そういう事だったか」


 なにやらふむふむと納得している。それから自分の身体を見下ろし、続いて尻尾のように揺れる髪の毛をいじりながら「やっぱ見た目かな――あれのせいで距離感あったのかな。くそうラーゼフせんせーめ」とよく分からないことをぼそぼそと呟いた。しばらくして、気を取り直したようにこちらに向き直った。


「えっとね、視野が違うって言っても、視力はともかく、あたしたちは普段は霊長類の色覚と殆ど変わらないんだ。見ようと思った時にだけ『天眼』が開いていつもとは違うものが見えるようになる――丁度、端末の電源を入れたりする感じかな。だからそこまで特別な答えは返せない、ごめん。せいぜい、生き物の体温が分かったり、お日様の光に『量』を感じたりするくらいかな。だから、切り替えてる時はちょっと青空が重くて眩しい感じがするよ。ああ、あとは、杖使いの人が持ってるような端末の液晶画面あるでしょ、あれが変な感じに見える」


 後ろで話を聞いていたミルーニャが、無言で端末を取り出した。私が使っているような立体幻像を虚空に投影するタイプのものではなく、液晶画面に微細な画素を並べる光学ディスプレイである。メイファーラは「うえ」と呻いた。


「今は探索中で、『天眼』をそれなりに開いてるから、そういうのは酔っちゃうよ――やめて、お願いだからぐりぐり押しつけてくるのやめてミルーニャちゃん」


 懇願するメイファーラには構わず、ミルーニャは意地が悪い行為を楽しそうに続けた。喋れなくて鬱憤が溜まっているのだろうか。

 何とか責め苦から解放されたメイファーラに教えてくれてありがとうと礼を述べると、ミルーニャが何か言いたげにもがもがと口を動かす。気持ちは嬉しいけど後にして欲しい。


 そうこうしているうちに、私達はその場所に辿り着いた。弓なりにしなる緑色の枝。そこに放射状に咲き乱れるのは目にも鮮やかな金の花弁だ。


「綺麗――」


 思わず呟くと、後ろの方から疲れ切った声で注釈が付けられた。


「ぜえ、ぜえ――金箒花は、本来は初夏に咲くのだけれど、この辺り一帯の呪波汚染のせいで、植物としては、本来のエニシダから、大きくかけはなれていて――」


「お師様、無理しなくても」


「うるさい。弟子の分際で、師を心配するなんて、十年早い。それより、これを採取したら小テストだから」


 呪わしげに告げられてしまう。どう見ても強がりなんだけど、どこかで休憩を挟んだ方がいい気がする。ハルベルトのただでさえ白い顔色が、今は真っ青になっている。

 まずは急いで採取を済ませてしまおうと花の咲いている場所に近付いていこうとしたその時だった。


「アズ! 上だよ、気をつけて!」


 メイファーラの鋭い声。はっとして頭上を見上げる。天高く昇った太陽の輝き、その真ん中に陣取って、光の中から急降下してくる何かがあった。陽光の呪力に紛れて奇襲をしかけてきたのは、嘴を開いて甲高い鳴き声を上げる有翼の霊鳥。


「鴉?!」


 漆黒の鳥が鳴くと、簡易呪術によって発生した凄まじい突風がこちらの動きを一瞬だけ停止させる。先制攻撃からの【空圧】という教科書通りの戦術で私達の動きを封じ込めた鴉は、そのまま滑空して金箒花の方に向かった。


 全身に呪力が漲ったかと思うと、鴉の嘴がその小さな全長を遙かに超える大きさに巨大化する。がばりと口を開き、群生した花を根こそぎ奪って上空に飛翔していってしまう。

 目の前で採取素材を掻っ攫われた私達は、呆然と飛び去っていく鴉を眺めていた。しばらくして、ハルベルトが震える声で呟いた。


「やられた――あれはあっちのグループの使い魔。こちらの動向を監視しておいて、先に採取を行うことで妨害と点数稼ぎを同時にするつもり」


「ごめんなさい! あの鴉、直前まで全然見えなかった――言い訳だけど、あんなに完璧に気配を断てるなんて、相当な訓練を積んだ使い魔だと思う」


 申し訳なさそうに謝罪するメイファーラに落ち度は無い。

 対処出来なかったのは私だって同じだ。

 相手チームの一人、ナトと呼ばれていた男の肩には、確かに鴉が乗っていた。その事を思えば、予想できた事態であるはずだ。これは私とペイルの勝負であり、想定外の事態は全て私の落ち度。

 

「メイは悪くない。単純に相手が手強いんだと思う。あの使い魔の練度、並大抵のものじゃなかったから。あれが【三本足の民】が誇る三本目の足ってことなんだろうね」


「【松明の騎士団】の公式データによれば、あのナトという男の序列は二十六位」


 私の言葉を補足するようにしてハルベルトが言い添える。私が三十位、メイファーラが二十九位と言うことを考えると、完全に格上だった。ただ、数多くいる修道騎士たちの中で私達より格上の実力者がそうそういるとも思えない。きっと上位序列者はナト一人だろう。


「ペイルは二十五位、イルスが二十七位」


「それ、もうちょっと早く教えて欲しかったです、お師様」

 

 というか、知らなかった私が悪い気もした。

 メイファーラは名前だけ知っていたが、詳しい能力までは知らなかったとのこと。


 ミルーニャは目の前で起きたあんまりな出来事にしばらく放心していたが、やがて憤然としてメイファーラの腕をしきりに引っ張る。

 次の採取に向かおうということらしい。ミルーニャの切り替えの速さを見倣って、私たちも次の目的地に向かう。


 ところが、事はそう上手く運ばなかった。

 今度は鴉の襲撃を充分に警戒していたのだが、それだけでは足りなかったのだ。

 あろうことか鴉は遠く離れた場所を徘徊していた怪物たちをわざわざこちらの方まで誘導してけしかけてきたのである。


 低威力の呪術攻撃で挑発された古代の怪物たちが群れをなして襲ってくるのをどうにかこうにか凌いでいる間に、鴉はまたしても私達の目の前で金箒花を奪って見せた。

 まんまと目論見が成功した鴉はこちらを馬鹿にするように――あるいは憐れむようにしてかあ、と一声鳴いた。


 はらり、と一房の花がこちらに落下する。せめてもの情けのつもりだろうか。

 ハルベルトは花を拾うと、ぼそりと呟いた。


「これ、呪力が上手く浸透していない普通の花。つまり、質が悪くて呪具の素材にならない」


「ば、馬鹿にしてえええええ」


「むぐー! むがー!」


 籠手をがっしりと握りしめた私とじたばたと足を踏みならすミルーニャの怒りが、その時確かに一つのものになった。

 私達は共感によって怒りと憎しみと殺意という繋がりを獲得したのだった。

 声にこそ出さないが、雰囲気や態度からハルベルトもかなり苛ついているのがわかる。


 メイファーラも最初に相手を察知できなかったことで斥候としての矜持をいたく傷つけられたらしい。

 四人分の暗い感情が膨れあがったことで、アストラル界から負の呪力が現実世界に漏れ出してきていた。余りの呪力に、足下の屍が耐えきれず自壊していく。


「あいつ、また戻ってきたよ。上の方でぐるぐる回ってあたしたちを見張ってる」


 メイファーラの千里眼が鴉の存在を察知したようだ。

 気取られたことに気付いたのか、それとももはや気配を隠すことを止めたのか。

 挑発的な鳴き声がパレルノ山に響き渡った。


 私達四人は、無言で視線を交わし合った。このままただやられっぱなしで本当にいいのか。否、断じてそうではない。

 報復だ。やられたらやりかえさなくてはならない。

 

「――槍神に誓って、あの鴉とその飼い主たちに痛い目見せてやる」


 敗北と喪失――その借りは必ず返す。半年前、第五階層の暗い森で外世界から来た異邦人に向けて言った言葉を想起し、繰り返した。

 

「悲しみではなく、怒りを抱くこと。そして怒りは闘志に変えること」


「憎しみを戦意に乗せて、復讐の槍を突き上げろ」


 私の祈祷の言葉に、メイファーラが唱和する。喋れないミルーニャがもがもがと口の中で何か言いながら調子を合わせてくれた。そして最後にハルベルトがぞっとするほど低く呟いた。


「焼き鳥が食べたい」


 ぐううっ、とハルベルトのお腹が可愛らしく鳴った。お昼時という時間帯が、わだかまった情念に飢えという起爆剤を投下したのである。私の師匠はちょっとだけ頬を赤らめて、そのままきっと頭上を睨み付ける。私達の思いは今、一つだ。


 私達は徒党を組んで復讐を行う。複数の復讐者を敵に回すという恐ろしさを、これからあの使い魔は嫌と言うほど思い知ることになるだろう。

 反撃開始だ。終わったらお昼にしよう。

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