第8話朝の出来事
「それでお兄ちゃんはなんにもいわないってことはいいんだよね?」
無言は肯定か。もし可憐があーんしてくれたらとか考えてしまった。どんだけ引きずっているんだよ俺は。希みたいな美少女からしてもらえるのに他の女子を考えるのはダメだろ。
「はい卵焼きあーん」
俺は口を開けてパクッと食べた。うん甘くて美味しいな。俺の好きな味だ。やっぱり希が作る料理は格別だ。俺は噛んで飲み込んだ。
「いつも通り美味しいぞ」
「よかったー。お兄ちゃんの口に合うようにいつもより甘くしたんだよね。みりんとかを使って」
あーだからこんな甘かったのか。納得したわ。マックスコーヒほどじゃないが平均的な卵焼きに比べれば遥かに甘い。
「ありがとな。俺の好きな味付けで作ってくれてお陰で元気出たよ。これなら友達に怪しまれることもない」
あれでも友達なんて、三人しかいないじゃん。気づくやつがそもそも少ないわ。なら心配そのものがいらないな。それから何回か、あーんをさて食べさせてもらって、最後の方は自分で食べた。
「ふぅーごちそうさま。後は片付けるから。学校の用意してきていいぞ」
「分かったありがとう。お兄ちゃん」
そう言うと、上品に立ち上がり、くるっと後ろを向いて歩いて、階段を上がっていた。俺もお皿をお盆に置いて、立ち上がりリビングに向かって、皿を洗面台で洗った。
少し経つと、希がパタパタとしながら、階段を降りてきた。メイクはなちゅなるメイクだから、そこまで時間はかからなかったんだろう。素材がいいから、無理に化粧を濃くする必要がないからな。
それにしても希の制服はいいな。スカートが短く、ほどよい肉つきのいい、雪のように白く、スベスベそうな肌をした太ももが露になっている。胸元は少し空いており、背の高さにしてはでかいロマンの塊の谷間が覗こうと思えば、覗けるくらいだ。まぁそんなことしたら変態扱いされるからしないけどね。全体的に今時の女子高生って感じだ。おまけに美少女だから。どこかのアイドルのようにも見える。
あんなに足をだして、冬は寒くないのかねー。今は春だけど。あんなに胸元を空けていたら、男の目を釘つけにしそうだ。お兄ちゃんそいつらの目を潰しちゃう♪だからボタンを閉めてほしい。
「希胸元のボタン閉めた方がいいぞ。暮らすの男どもに見られるぞ」
「お兄ちゃんは前閉めないと心配?」
「心配に決まってる。何かの拍子に見えちゃう可能性があるんだから。それに犯罪にも巻き込まれやすいしな。クラスメイト下心ありで、近づいてくるだろうしな」
「ふーん分かった。前は閉めるね。お兄ちゃんも早く用意してね」
ふぅー俺が希の胸元を他の男に見せたくないというキモい独占欲はばれてないよな。妹なのにクラスメイトに見られたくないという俺も、相当シスコン拗らせているな。
階段を上がり、俺は部屋に入って、制服を手に取ったとき、ふと俺と可憐が二人で満面の笑みで写真に写っている写真が目に入った。俺はそれを見て、苦虫を噛み潰して、その写真を押し入れに押し込んだ。その写真を見るたびに、悲しさが込み上がってくるからな。そして制服を着た。
俺はリュックを背負って、ドアを空けて、階段を下り、玄関にある家の鍵と自転車の鍵を取って、家からでて、家の鍵を閉めた。そして自転車が置いてある場所に向かうと、希が自転車にまたがっていた。
「何で希が後ろに乗っているんだ?」
希とは友達付き合いがあるからといって、周三しか一緒に登校していない、しかも駅から、離れたところまでだ。近づきたいというやつが俺に近づいてくるからだ。
「一緒に登校したら、兄がいることばれるぞ。隠していたいんじゃないか?」
「私結構告白されるじゃん。だから一緒にいることで、彼氏いるよーということをアピールしようと思って」
どんだけうざいんだよ。俺を彼氏代わりにするなんて。それってつまり、俺は学校でものすごく嫉妬の視線を浴びなきゃいかないのか。俺の安心できる場所は家だけか。今から引き返して、学校休もうかな。
「現実逃避してるところ悪いけど、もう少しで電車くるよ」
「まじか、仕方ない腹をくくるか。しっかり捕まっておけよ」
俺が自転車にまたがると、希が体を密着してきた。いや捕まれといったが、密着しろとは言ってないんだが。む、胸が当たっている。男の夢がつまった塊が。こんなに胸って、柔らかいんだな。女子の神秘だな。
理性を何とか持たして、行くしかないか。こいうときは自分の好きな女子を思い出すんだ。、俺は可憐が好き、俺は可憐が好き、俺は可憐が好き。
何か額田のことも思い出して、悲しくなってきた。とりあえずもう時間ないし、行くか。俺は馬橋駅に向かって、自転車をこいだ。
馬橋に近づくにつれ、市立流山高校の生徒達がちょこちょこ見えてきた。
はぁーここから、嫉妬の死線を受けるとなると、気が滅入るな。
ついに馬橋駅に到着して、希に降りてもらった。自転車を駐輪場に置いて、二人で馬橋駅に向かって歩いた。駅に入ると、いろんな視線を浴びる。嫉妬、羨望、戸惑い、面白いものを見たような、そんな色々の視線を受けて、俺は心のなかで、ため息を着いた。いつか襲われなきゃいいが。
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