第3話好きな人3
俺はビクッとしてなにかを盗んだと勘違いをされたかと思い、どれにしようか迷ってだけなのて盗む気はないんですという理由を考えて後ろを向いた。
そこにいたのは俺の顔を見て不思議そうにしている可憐だった。俺は安心してほっと胸を撫で下ろした。
「店員かと思ったぞ」
可憐は吹き出してけらけらと笑った。
「望くん窃盗した人と間違われたことがあるんだね。確かに後ろから見たらいろんなものを目移りして、キョロキョロして挙動不審ぽかったから間違われるのも分かるけど」
普通だったら肩叩かれたら知り合いだと思うが、俺は残念ながら10回ぐらい窃盗者に間違われているからそうは思わないのだ。やっぱりキョロキョロしながらぶつぶつ言うのが不味いのだろうか。これからは気を付けるか。
可憐はひとしきり笑ったあと、何をしてたのと聞いてきた。
「もやしとお菓子を買いに来てたんだ。どのお菓子を買おうか迷っていたんだよ」
可憐は手のひらをポンと叩きなっとした表情になった。
「だからキョロキョロしてたんだね」
可憐は制服を着ていた。てことはあれからそのまま来ているのか。俺は放課後のことを思いだし照れた。
「か、可憐は何を買いに来たんだ?」
緊張して噛みそうになったわ。変に思われてないといいんだが。可憐も付き合いが長いのか俺の心の声を読めるからな。
可憐はなにかを怪しんでいる顔をして俺のことをジーと見てきたが、特に問題ないと判断したらしく買いに来た理由を言った。
「私はチョコを買いに来たんだ。甘いものが食べたい気分だったから」
どうやら疑われていたが、読まれてはいないようだ。助かったわ。
「望くんのおすすめのチョコレートって何かな」
小首を傾げながらあざとく可憐は聞いてきた。あざといがものすごく可愛い。計算してやっているほうが女子は可愛く感じる。
俺はふむと顎に手を当て少し考えた後白いダースのチョコレートを取った。
「このチョコレートはクリーミーで甘くて美味しいぞ」
俺はこのチョコレートを甘いものが食べたいときは必ず買っているからな。他のチョコレートよりも一段ぐらい甘い。これにマッカンを飲むと口のなかが最高に甘くなって幸せになる。ましすく最強である。
「へ~これミルクの味がするんだ~。じゃこれにしようかな」
白いダースを手に取りそれを身ながら可憐は言った。俺は酸っぱいのを食べたいと思いすももとその汁が入ったお菓子を手に取った。
「俺はもう帰るが、可憐はどうするんだ?」
「私も帰るよ。一緒に帰ろう」
「それじゃレジに行ってくるから出口で待っているわ」
俺は可憐がうんと言ったのでレジに並んだ。レジて俺の番がくると明らかに作り笑顔の店員がいた。だが俺は別に気にしない。なぜなら俺もバイトては作り笑顔だからだ。自然に笑顔になるのって難しいよね。
会計を済まして、俺はマイバックに買った品物をつめた。袋はもらわないのかって?袋をもらうとマッカンが一年間で本以上飲めなくなるからな。だから無駄出費は防ぎたいのだ。俺はしまい終わり出口に向かった。
出口に着くと可憐が待ってましたみたいな笑顔になり俺を出迎えた。
「望くんもマイバック持っているんだね」
「まぁ100均のだが。袋は有料になったからな少しでもお金を節約するためにな」
「じゃー帰ろうか」
可憐は家に向かって歩き出したので俺も可憐の隣を歩く。だがなぜ可憐の様子がどこかおかしい。なにかを言いたいが言い淀んでいる様子だ。
はっまさか俺に告白をしよえと思っているのでは。教室できっとどれだけ好きかを言って本人に合ったから我慢できなくなったんじゃないだろうか。きっと告白をして今の関係が壊れるのを恐れているんだろう。なら俺は可憐が一歩前に進めるように後押しをしよう。可憐と付き合ってもいいと思っているから。
「可憐なにか大事な話があるんじゃないか?俺はどんなことでも受け止めるし、可憐のそばに俺はずっといるぞ」
可憐は顔を赤くして照れていた。その後決心が固まったような顔をした。
「うん大事な話があるの。ここじゃなくて公園でいい?」
「分かったた四十分ぐらい後に公園でいいか?」
「いいよ私の言えも夜ごはんがもう作ってあるし」
俺たちは約束をして、いつものようにたわいのない話を笑顔でしながら家に向かった。
ちなみに可憐の家は俺の家の道路を挟んだ向かいの家だ。だから近所付き合いがあり、幼稚園から同じで家族ぐるみの付き合いがありどんどん仲良くなっていた。
俺は時が経つごとに可憐が可愛くなり離れていってしまうんじゃないかと思ったこともあった。だがここまで離れなかった。だけど離れそうな時もあった。それは俺の親の転勤で引っ越しそうになったのだ。俺はそのときはすごく焦った。俺は当時友達が可憐しかいなかったため友達と離れたくないと駄々をこねてなんとか着いていかないですんだ。その代わり家事を希と分担してやることになったが。
ちなみに希が残った理由はまた友達を作るのが面倒だからだ。あいつもぼっちの資質を持てているから適切な距離感を保っているのが居心地かよかったのだろう。踏み込んでくるやつはいなかったらしいし。
家に着くとまた後でと言って俺たちは互いの家に帰った。ちなみに希には白いダースを買っておいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます