読ませていただいて、『本当によかったな』と思える作品でした。作品にすごく入り込むことができました。面白かった……。『これはすごい!』、と興奮すらしましたね。
作品の内容としましては、行方知れずの恋人がふらっと家に帰ってきて……というようなものなのですが……。
設定は、ホラーとしてはベターです……、でも、その味付けが普通じゃないんですよ……。ではなく香り付けでしょうかね……。
それから、短編としての完成度が高すぎます。ホントに、見事としか言いようがないほどに。
序盤は、思わず吐き気がしました……血みどろな光景が広がるとかではないのに……。
中盤には、思わずクスリとさせられて。
終盤には感動して、目が潤みました……。
こちらの作品、読んでぜったいに損はないです。
めっちゃオススメです! ぜひぜひ!
今回の企画で集まった中、最もユーモアにあふれ笑えた作品がこれです。
溺死した恋人がゾンビと化し戻ってくる。絵面だけ見るとまるで笑っている場合ではないんですが、それが不覚にも面白い。なぜならこの溺死体くんはやたら能天気で(どうも生前からそういう性格だったらしい)こんな姿になっても恋人は自分を温かく出迎えてくれるはずだと固く信じているからです。
当たり前ですが、恋人からすればただただ迷惑でしかないわけで。
家族の所に行けよ→こんな姿を見せたくない→私には見せていいのかよ。
…という人間として至極まっとうですがどこか間違っている駆け引きは爆笑ものでした。
そして、そんなゾンビ君に唯一残された魅力のアピールポイントとは?
はたして恋人たちの運命やいかに?
ホラーだって別に笑える作品があろうと構わない。
そうした考えがエンターテイメントホラーなのです。ただせっかくホラーなのだから、他のジャンルでは出来ないこともやってみたい。それを実証してみせたのがこの作品と言えるでしょう。モラルブレイクの先にあるどこかシュールな笑い。
それがホラーコメディのあるべき姿なのではないでしょうか?