第126話 北朝鮮が握る米軍の運命

 北朝鮮の金鄭云総書記が缶酷との統一政策の放棄を宣言した。露西亜の戦況不利と孤立化で存在感を得た北朝鮮は露西亜を後ろ盾に缶酷を支配する方針を明らかにした。その背景には缶酷の経済崩壊と自国の資金源枯渇が強硬手段に出る覚悟を決めさせた。覚悟は表面上のものであっても国内の餓死が迫る中、強奪へと舵を切りかねない。押し入っても何もないのが現状だが、数日間の食料は得られるだろう。

 露西亜は北朝鮮に弱みを見せ、付け込まれた。挙句の果てに砲弾を手に入れた露西亜は旧式の砲弾によって大砲を失う結果に。これには露西亜のプチンも頭を抱えざるを得なかった。それに対し北朝鮮は弾道ミサイルの推進力不足を克服し、戦闘意欲に自信を持つ結果に。その高揚感を我慢できない北朝鮮は缶酷攻撃を想定したミサイルを大量に発射。貴重なミサイルを消費するのも大型ミサイルで充分だと考えた結果だった。北朝鮮は缶酷を奇襲し飢えた兵士を缶酷に雪崩れ込ませ、略奪によって自国政府へのストレスを発散させようと目論んでいる。知能の低下は後先を考えられず感情に任せてその場凌ぎに走る。脳を破壊する大量のカプサイシンか栄養不足かいずれにせよ奈良の鹿の学習能力にも劣る無様さを顕わにしている。

 中酷は北朝鮮を暴発させるか先陣として突っ込ませ、その状況を見て支援か壊滅かの選択を行い、国際的に救世主として存在感を主張しようと目論んでいる。噛ませ犬として餌を与えていた北朝鮮が露西亜にご執心。それに苛立ちを覚えた中酷・秀欣平は北朝鮮にお灸を据えた。

 北朝鮮の資金源は海外で収入を得る労働者の賃金と仮想通貨へのサイバー攻撃で得たものが大半を占め、僅かだが石炭の瀬取などによる闇流通などがある。2022年12月8日には、北朝鮮のIT技術者が国籍などを偽って国外で仕事を請け負い、外貨稼ぎを行っていることが明らかになっている。摘発されたのはフィッシング詐欺で使うスマートフォンのアプリを販売し外貨を獲得していたものだ。また、暗号資産関連の企業や交換所に攻撃を仕掛けて暗号資産を盗んだり、求人情報を装い、ウイルスに感染させるリンクや添付を送りつけたりしている。

 無駄に発射したミサイルの費用は、850億円を上回る。この金額は国民に必要な食糧86万トンのうち、84万トンを賄え、すべての国民にファイザー製の新型コロナウイルスワクチンを接種することもできる規模だ。独裁国家の特徴である国民は国家の使い捨ての駒以外の何物でもない。中酷の低迷も秀欣平の独裁政権・神になるための政策であり、人民の苦悩など元々付け入る隙など微塵もない。缶酷は初代大統領が国民の無能化と洗脳を促進させるため漢字を捨て表音文字を採用し、読解力を低下させ、反日感情を焚き付け洗脳を成し遂げている。反日感情は初代大統領が両班の関連で得ていた特権を日本に奪われたことへの逆「恨」みが全て。そのために歴史を日本を悪として歴史の改竄に留まらず創作し国民の感情と思考を洗脳した。被害者意識を植え付け国内のストレスを昇華させることに成功した国だ。

 北朝鮮が中酷の鈍化・劣化を嘲笑うように露西亜に接近。それに業を煮やした秀欣平は北朝鮮の金鄭云総書記の手綱を引き締めに罹った。中酷で働く北朝鮮労働者がデモを行ったのを機に。デモのきっかけは賃金の未納だった。中酷は既定の賃金を支払っていた。秀欣平はそれを金鄭云総書記への脅しに使った。秀欣平は敢えて北朝鮮労働者にどれほど搾取されているかを知らしめた。それを聞いた労働者は苦渋を舐めるしかなかった。しかし、噂が他の労働者に伝わるのは暴動のトリガーに成り兼ねない懸念から秀欣平の要請を聞くしかなかった。

 国内情勢が悪化に歯止めをかける対策がない今、自分の地位を守るのは台湾の掌握だった。その障害は米国の参入。その米国は露西亜、イスラエルで起きている紛争、海峡を守るための対策で多大な兵器と経費を割いていた。さらに秀欣平は米国の弱体化を狙い北朝鮮に缶酷への敵対心を剥き出しにさせた。北朝鮮が暴走すれば米国も関わらずにはいられない。缶酷には米軍の戦闘機F35がある。それを北朝鮮に渡すわけにはいかない。しかし、米軍は北朝鮮が缶酷に侵攻するとは考えたくなかった。標的となった缶酷も犬の遠吠えとしか受け取っていない。万が一でも北朝鮮が缶酷にミサイルを撃ち込めば、その混乱に乗じて中酷が台湾侵攻を仕掛ける。そうなれば流石に米軍と言えども対応に苦慮する。最悪は考えたくない。弱い犬ほどよく吠えるではないが無視し続ければ、構って構っての苛立ちが爆発しかねない。2024年は現実の紛争と新たな紛争のきな臭さに戦々恐々の幕開けとなった。

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