第119話 虚空国家

 張りぼて国家、中酷。巨大な消費力をチラつかせ他国を恫喝・威圧して従わせる。適度なバランスが取れているときは、目先の収益に翻弄されながらも「忍」の一文字で期待はされても敬遠はされなかった。他国の我慢が中酷の発展に寄与した。中酷は奢りと勘違いの国であり、民度だ。中酷の誇りは外資と経済成長の闇である特定民族に強いてる低賃金での労働力から成り立っている。さらに人気のない製造品を優位にするため政府が湯水のように注ぎ込む助成金だ。損をしても市場シェアを獲得し、主導権を握り独自の基準を設け、大儲けを企む。まともな経済活動を行う他国の企業は太刀打ちできない。いい例がコードレスイヤホンだ。米国の企業が開発し200$で売り出すとその技術を盗み低賃金で製造し20$で販売し市場を席捲する。開発投資した企業が馬鹿を見る悪夢を見せられる。

 張りぼて国家を主導する秀欣平は、虚構というメタボを纏、「我が国と商売したければ技術を寄こせ!」と高飛車に出たせいで海外は中酷の発展の幻想から目を覚まされる結果を招いた。中酷が独活の大木だと気づいた海外は坊主憎けりゃ袈裟まで憎いの勢いで期待が疎遠に変わり、中酷からの撤退を急務とした。その結果、製造工場は閉鎖され失業者を多産する。拝金主義で愚かな秀欣平は、取り返しのつかない失態を招いてしまった。

 若者の出業率が50%を目前とし、雇用先を捻出するように軍への入隊を促進。一人っ子政策で親の愛情を一心に浴び、我慢を学ばず甘やかされて育った彼らが軍隊という規律の世界でどれほど耐えられるかは言うに及ばずであろう。

 中酷や缶酷でいう愛国心は日本とは違う。軍国主義の日本の時のように真実が知らされず国の情報だけを信じ、常に自分たちが優秀だと勘違いし、他国を観ることもなくなる。日本の感覚で特攻隊という悲しい事実も「お国のために、家族のために」という意識は中酷や缶酷では希薄でなく皆無だ。自らが逃げるが当たり前だ。その象徴が富裕層の移住だ。中酷のGDPを支えていた虚空の不動産投資は化けの皮が剥がれ、修復不可能な経済的ダメージを齎すことは間違いない。富裕層は自国を立て直すなど微塵も考えることなく沈みゆく船を見捨て我先に逃がさるのを選んでいる。そこに愛国心などない。

 秀欣平は海外に流出する資産を抑制しようと制度を改めるが役人は賄賂を貪り機能していない。拝金主義は国だけではなく、国民も同じだ。張りぼて国家の特徴は見栄だ。中酷や缶酷は何でも一番を謳いたがる。尊敬・敬意は自らが公言することではなく他人が自然な形で評価されるべきこと。見栄国家は、他人の認知を待っていては生涯評価されないことを熟知しているから殊更声を高める。日本が開発能力の高い米国が断念したレールガンの開発・実用化に成功した。中酷はお得意の盗用で告示したものを発表。しかし、自慢したいはずの性能映像が一切公開されない。流石、映画村国家中酷。見た目だけでも後れを取っていないとアピールするが創作・技術能力が欠如しているから機能までは追いつかないでいた。日本を陥れることに熱意を刈られるマスゴミは中酷の軍事力を過大評価しながら後れを取っていると言いつつ軍拡は反対だと辻褄の合わない砂上の論理を積み重ねている。

 黒煙を吐くステルス機、カタパルトを使用すれば走行不能。何より独自開発でないからメンテナンスが出来ない。兵器はすべて使い捨ての見せかけであり、購入先が劣悪が明らかになった露西亜製では心もとない。

 世界に消費での影響力が弱まる中、唯一高飛車に出られる国が露西亜だ。資金不足と経済制裁を受けるロシアは天然ガスを中酷に売りたがっている。表面上は同盟国を振舞っているが中酷は露西亜の要望の足元を見て強奪に似た価格交渉を持ちかねている。それに露西亜は甘んじていない。中酷の高官が米国と通じていると報告し、外相を更迭させた。中酷の海外がらみの更迭は死を意味していた。露西亜は情報戦で秀欣平政権を揺るがせることを証明して見せた。

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