第116話 八方塞がりの中酷
中酷は最早一人では立てない国家となっている。それを悟られまいと国民の目を背けようと日本が放射水をそのまま放出したと処理水問題を取り上げた結果、国民は海続きで危ないのかと国産の水産物まで売れなくなった。投資目的で無計画に需要の数倍の供給を行った結果、鬼城(ゴーストタウン)化。腐り行く資産を作り上げた。中酷政府は、資産が大きく目減りする以上に価値を失うことになることを国民に知られまいと関連するネガティブな真実の投稿を検閲削除に躍起になっている。頼みの外貨獲得も秀欣平の逆らう者はスパイ。中酷で商売するなら海外企業が特許・得意とする技術を共有させろという法案は、海外企業の欲に曇った目を覚まさせ中酷の醜態・真実を知らせるものとなり投資の引き上げと繋がった。
国民は、出費を控え預金に勤しむ。その銀行が倒壊する不動産業との繋がりにより共倒れになる不安が付き纏いいつ取り付け騒ぎが起こるかわからない。財政を立て直す起爆剤となるはずだった無計画で取り組んだEV産業は不動産と同じく一挙に作り過ぎ供給過多を引き起こしている。頼みの海外と言えば、電気自動車の不都合に気づき生産販売を抑制する始末。海外にも輸出できない。
慌てて作った電気自動車の不都合な真実。中酷や缶酷に適切な処理という概念はない。ないから処理方法など当初から考えていない。河川・大気・土壌汚染が発生し、その結果、人が生存するには適さない環境を生み出していた。「死の村」だ。奇形児を含む異常出産率、免疫力の弱い子供たちの白血病や癌の発症率が40倍に。川に茶褐色の沈殿物が見られたり、農産物汚染、奇形の家畜、内モンゴル自治区バオトウのように草木が生えない現象も現れている。
さらにいい加減な鉱物発掘により化学物質が雨に溶かされ風に流され有害物質を広範囲にまき散らしている。被害は子供を中心に広がりを見せ、医療崩壊を引き起こしている。不安がる国民に対し政府は当初、花粉だといい、後に雷雨喘息だ心配ないと説明した。しかし、原因究明に勤しんだ医師からは放射能が検出されているから注意と対策をの声が上がったが削除された。
謎の感染症がまた中酷で子供中心に広がっている。中酷政府は報告を受けても動き方が分からずプライドから海外の手も借りられない。こんな時、中酷の取る対策はカンニングだ。コロナで手を焼くと「そうだ、海外に広めれば自国の問題だと取り組み解決方法を見出してくれるだろう。それを登用し、国民には我が国が見出したと発表しよう」と。WHOを傘下に置き、前回は上手くいった、今回も同じ手で。取った方法は比較的反論してこない国の渡航をしやすくし、表向きは外貨獲得、本音は治療法を探らせるため。中酷が甘い顔を見せた時には自分たちで解決できない問題が潜んでいるか罠に掛けようとしているときで決して友好的ではない。なぜなら、中酷政府は中酷人以外はゴミだと考えているからだ。
中酷で流行っている呼吸器疾患は八月には流行していた。数か月たっても原因が分からないでいる。対処に困った中酷は「冬の到来」を理由に報告を行った。WHOも日本も原因追及に勤しむべきだ。といっても調査隊を受け入れないだろうが。受け入れて化学鉱物によるもの、放射能も、となれば大変なことになるからだ。あのパンディミックを再び味わいたくなければ、原因が第三者機関で明らかになるまで渡航制限を行うのが水際制作だろう。君子、危うきに近寄らず、だ。
そんな中酷も欧米諸国や日本から高品質の半導体市場から除け者にされ、更なる発展が見込めなくなった。不動産、一体一道の借金で手の打ちようがなかった。
暗殺を恐れ、国内で粛清を推し進め姿を極力現さなかった秀欣平も背に腹は代えられず米国に出向いて金の無心に走るが相手にされず、処理水問題で世界の不信感を買った中酷は日本を皮切りに先進国からの援助を受けられないでいた。
瀕死の重傷。恫喝主体の戦狼外交で交渉術を学んでこなかったで頭の下げ方が分からない。そこで比較的組し易い日本を脅そうと尖閣に空母・遼寧を乗り込ませ発着訓練と称して脅してきた。それを海自が偵察・監視。自慢の軍事は海自の監視下で右往左往。海自にしてみればレトロなアトラクションを観ているようなもの。怖いのは暴発・事故だった。これが実戦であれば監視下にある遼寧・搭載戦闘機はすぐさま撃沈間違いないしだからだ。その脅威に中酷は焦っていた。上げた拳の降ろし方が分からない。強気に出て軍事的なトラブルを起こせば、独裁者と秀欣平を名指しする米国からの締め付けもある。台湾有事など夢のまた夢。尖閣での脅しも効かない。八方塞がりの中酷。体裁は仲間のロシアも今は物乞い状態。北朝鮮はミサイルを持っているが餓死寸前の兵では使い物にならない。ハンバーグで寝返る怯えた猫。百歩下がって缶酷を観れば国も国民も借金大国。嫌われ度ランキング一位で有力な他国との仲介役にもならない。
餓死するか、国民の暴動が早いか、今、ロシア・缶酷・中酷は生き残りのチキンレースに突入していた。いや、缶酷は違う。薄氷に立っていることも分からず飛び跳ねているのが現状だ。
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