第4話 人生の魔物退治!
「魔物はいねが~魔物はいねが~魔物はいねが~」
秋田県の出身でもないのになまはげのセリフをもじったオリジナルの言葉で拓哉は森の中で目を血眼にして魔物を探し続けてかれこれ20分ぐらいは経過したと思うが見つかる気配が無い。
「あれれーおかしいぞー?本当に何もいない……」
某頭脳は大人体は小学生の少年の様なセリフを吐きながら拓哉は頭を捻る。
「やっぱり町の近くということもあって冒険者とかが狩っているのかもしれないな。ならどうしようもないけど。もっと奥へと進めば手つかずの野良魔物と遭遇すればいいな」
そんな淡い期待を胸にさらに奥へと進むと10分ついに魔物を見つけることに成功した。視線の先には猪がいた。地球にいる猪の大きさはオスなら体長110~170㎝、メスなら100~150㎝、体重80~190㎏の間だと言われているのだが目の前にいるあいつは2mは余裕で超えているんじゃないかと思う。体の色は赤みがかった茶色い毛が生えていて黒い模様がある。今猪は必死に土を掘っているのでこちらには気が付いていない。
「異世界産の猪って化け物サイズじゃん。でも、俺のことに気づいてないみたいだし今がチャンスじゃないか?魔物を買い取ってもらうとき状態がいい物の方が価値が上がるというのが定番だし魔法で一撃で仕留めるためにはどうしたらいいかな……」
背中にある弓を使うのは無しだな。使ったことがない弓を使って外しでもしたら襲われるかもしれない。魔法があるとはいえ初戦闘なんだから油断は禁物だろうな。となると魔法一択だけどなるべく傷つけないで仕留めるにはどの魔法が最適なんだ?
先のウォーターボールみたいに勢い良く攻撃したらどでかい穴が開くだろうし、カッター系の魔法は切断してしまうだろうしな。……あっレーザー光線とかいいんじゃないか。
「そうときまればイメージ、イメージ」
光を一点に集めて高速で的を貫く。そんなイメージを固める。
「これならいけるぞ。レーザー」
目にもとまらぬ速さで打ち出されたレーザーは猪の脳を貫いた。化け物猪は攻撃されていると感じることなく一瞬で命を刈り取られて絶命。ドスンと音を立てて地面に倒れこんだ。
「よし、やったか!」
拓哉が確認の為に猪の死体に近付くと既に事切れていた。死体はとてもきれいな状態で傷口が光の熱で焼けたみたいで血も流れていなかった。
「うひょー、レーザーやべぇ……。これは無闇矢鱈に使えないな。これは魔物に対しては有効かもしれないけど人には使いにくいわな」
またしても使いどころが難しいが強力な魔法を生み出してしまったので異世界人には極力見せないようにしようと心に誓った。
「でも、こんなデカい猪をどうやって町に運ぶか……。神様から貰ったウエストポーチは普通のポーチだったし、アイテムボックスのスキルも無いし…」
魔物を倒したのはいい物の2mは優に超える猪をどうやって運ぶかが課題であったがこの問題は直ぐに解決した。
「そっういえば神様が時空間魔法が使えるって言ってたな。ラノベでもアイテムボックスは空間魔法だったりするもんな」
まずはアイテムボックスをどういう魔法か思い浮かべる。空間に穴をあけてそこに収納したい物を放り込む。取り出したいときは取り出したい物を念じて取り出す。
魔法が出来たので早速使ってみると地面にブラックホールの様な黒い穴が現れて猪を飲み込んでしまった。
「お~出来た!アイテムボックス万能!でも、猪1匹でいくらになるんだろうか?心配だしもう何匹か魔物を狩っておくか」
ということで再び森の奥へと進んでいくことになった。次は先よりも早く魔物がみつかった。
「2匹目は頭に角があるウサギね。地球にいるウサギと姿は変わらないけどあの角に刺されたら痛そう。ウサギはどうやって仕留めよう。試しにこの弓を使ってみようか」
拓哉は神様から貰った弓を早速構えて狙いを定め弦を力いっぱい引っ張りタイミングを見計らって手を放す。すると矢は獲物を貫く。
「やったー初めて弓を使ったけど体が弓の使い方を知っているかのように動いたぞ。もしかしてこれも神様が用意してくれたか体の力なのか?」
神様はハイエルフにしたときに弓の使い方を本能的に分かるようにしてくれたのだ。
拓哉はその後も猪やウサギを狩ることが出来たので町を目指すことにした。
転生ハイエルフが5000年ぶりに目を覚ますとかつて栄えた文明は滅びていました…… 猿のコルク @www123
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