生物は誕生していた

 仰望界の末期、魔法の在り様が確立された頃には、この世界の形は読者の皆様が宇宙と認識出来る状態となっていた。

 数多の星々が彩る漆黒の大宇宙。

 小さな世界イッツ・ア・スモールワールドと呼ばれていても、それは原初世界から観測した場合の話し。

 第一世界からすれば、無限と表現するに足る遠大な宇宙がそこには広がっていた。

 原初の神とカレが定義し呼ばれ、その権能を行使する事で世界は形作られた結果がこの宇宙。

 煌めく星々、広大な空間、様々な表情を見せる惑星達。

 生物達は自然と誕生していた。


 カレが何か手を出すまでもなく命は誕生していた。

 偶然の連続によって発生した、文句の一つも無い知的生命種が誕生していた。

 カレがこの世界を造り上げた結果起こった様々な事象に揉まれた結果、偶発的に命は誕生していた。


 彼等は知的生命種。

 知性を携えた生命体。

 彼等は自然と魔法を用いる術を身につけ、文化文明を発展させていった。


 様々な時代の文明が存在した。

 惑星地表面で生活を営んでいる文明。

 惑星を飛び立ち、複数の居住可能惑星に移住している文明。

 銀河規模に待て版図を広げた文明。


 カレはそれにちょっぴり手を加えるだけで、理想のゲームを遊べる世界へと変化させていった。


 能力を明確に表現し、数値化した。

 様々な能力を生み出し差別化した。


 彼が作りたかったゲームが完成した。


 この世界を愉しむ為の仕掛けも、物語も用意した。

 後はこれをサービスとして売りに出すだけ。


 カレはこの時代を興行界と呼んだ。

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世界が都合が良いのか、そこに在る物が都合が良いのか、それに合わせたから都合が良いのか。 Uzin @Uzin

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