第3話 TEAM DAIWA-X 103HiL編

 超絶久々に三ヶ森の中古釣具屋「ワールド」行ってきた。

 お目当ては中古のワーム…だけのはずやったんやけど、イレギュラーなコトっち、起こるよね~。

 金もないのに、仕事もしてないのに、勢いに任せてリール買っちまったもんね。

 まぁ、安いっちゃけど。


 いきなり作業シーンに入るのも何なんで、まずは購入に至るまでのドラマで増量してみることに致します。


 でゎでゎ。


 昼飯食ってボーっとしていたら釣具屋に行きたくなってきた。

 思い勃ったらすぐ実行。

 ボンタンジャージに着替えて、ハイラックスでGO!


 土手走っていると「心凍らせて」by加納ひろし(←注意!高山厳じゃないよ。Spotifyには無かった)がブチッ!

 そして電話の呼び出し音。

 相手は隣町に住んでいるほぼ同時期に会社辞めたオイサン。

 出てみると「家にいる」とのことなので、そのまんま家へ。

 そして近況報告。

 オイサン、今の会社は合わないらしく、もうすぐ辞めるとのこと。

 職安行きの約束をすると別れて釣具屋へ。


 店に到着し、クルマを駐車場にぶち込むと、さぁ物色だ!


 っち、へ?


 店内に入ったら模様替えしてあって、どこに何があるか全然分からんごとなっちょーし!


 彷徨うことしばし。

 なんとか中古ワームのコーナーに辿り着く。


 デビューして以来、なかなか手に入らんDEPSのカバースキャットの真ん中の大きさのヤツを探してみる。が…やっぱ、甘かったねぇ。

 無いし。

 考えることはみんな一緒なんやね。

 でも、ちょい前買おうとしていたデスアダースティックの5インチ発見。安かったのでカゴにin。


 次はゲーリー。

 これはまだ何も決めてない。いいのがあったらその場で決めるつもり。

 まずディッシュワーム発見。これは最近新品売ってないき、買っとかなくてゎ!

 あとは…4インチシュリンプ発見。しかも二つある!両方買っとこう。


 欲しいもの大体揃ったからプラグのコーナーへ。


 そーいや子供の嫁さん、ピーナッツ集めよったな。いい色のがあったら買ってやろ。


 見てみるけど、ありふれた色しかない。

 諦めて自分が欲しいヤツを探していると、CB100のキレイなヤツ発見。かごの中に。

 さらに探すとCB50も発見。これもなかなかの状態だったのでかごの中に。


 あとは小物類を少々、ね!

 スイベルとハリとオモリとetc. etc.…。


 必要な物は揃ったのでレジに行きかけて…


 そーだ!


 いらんこと、思い付いたよね~。


 なんか、オモシレーリール無いかな?


 と、ね。


 まずはショーケースから。

 現行型とか一つ前の機種しかない。しかも高い。


 うん、まぁ、わかっちょったけどね。


 なら、ボロのワゴンとお触り自由の棚はどーだ?


 ちょっと彷徨って…ワゴン&棚発見。

 ワゴンの中には、少しも欲しくならない古くて低いグレードのスピニングたち。


 ガッカリして棚に移動する。

 ここには両軸受けリールとちょいマシなスピニングが置いてある。

 ベイトの混じった両軸受けリールのスペースを見ていると、REVO SXの左巻き発見。


 これにしようかな?


 買うかどーか悩んでいたら、他にもブラックMAXが何個かある。


 これならぶっ壊けてもいーな。REVOぶっ壊したら勿体無いし。


 弄りながら、どれをカゴに入れようか悩んでいたら、


 !


 目についた歪なカタチのベイト。


 あ…これ、見覚えがある!チームダイワの左巻きやん。


 サムレストを見ると「TAEM DAIWA-X103HiL」と書いてある。


 T.D.-XはT.D.シリーズの中間グレードで、今でゆートコロのジリオンにあたる機種。


 値段を見てみると1650円。


 安いな。部品取り用かな?


 とりあえず動作確認。

 クラッチ切ってスプールを弾くと…割とすぐ止まった。

 スプールを軸方向にずらすけど、カタカタ音がしない。メカニカルを緩めて弾いてみると、さっきより回った。今、マグダイヤルは「5」。OFFまで回して弾いてみると、さらに回って止まった。


 ブレーキはちゃんと機能している。ここは合格やけど、回転性能が…TDならこげなもんやないはず。スプールベアリングはオイル切れかな?それとも死んどるんかな?

 とにかくベストな状態とはとても言い難い。

 ハンドルを回してみると、ゴトゴト音。


 これ、グリスアップしたら治まるやか?


 なんとかなりそうな、なんともならないような…けどこの値段は魅力的。

 ぶっ壊してもオブジェにすればいいし。


 とゆーワケで、購入が決定したのでした。


 家に帰ってバラす前に子供に写メ送ったら「ウケるね」と返ってきた。

 子供も家族持ちやもんで、かなり他人事。ミリオネアGS3000の時みたいには呆れんやったよね。






 出会いのドラマはこれくらいにして、ここからは新幹線の技術(笑)を最大限駆使し分解&組み立て。


 まずは大まかに。

 ライトサイドプレートを外す。

 マグダイヤルの中心のスクリューをコインとかで緩め、反時計回りにずらすと外れるよ。


 スプールを抜く。


 これで、ギヤケース+フレーム、スプール、ライトサイドプレート(マグ側)とゆー3つの基本的なパーツに分かれたよ。ここまでは注油する時や糸の巻き換えの時バラすよね。



 ここからがマジバラし。

 どのパーツからやり始めてもいいけど、とりあえずライトサイドプレートからいこうかな。


 ・ライトサイドベアリングを外す。

 ライトサイドベアリングリングを精密ドライバーで外し、ベアリング側を下にして軽く叩くと外れるからね。

 外したベアリングは脱脂するよ。

 これより先、ベアリング関係の脱脂はOFFICE ZPIのF・0パーツクリーナー使用。

 ライトサイドプレート側の作業はこれだけでおしまい。とゆーのも、マグユニット注油するトコないし。しかもバラしたら元に戻せなくなる可能性がある。だから、やらない。



 次にスプール。

 ・スプールピンを抜く。

 ベアリングリムーバーと呼ばれる治具を使って抜くとベアリングが外れるからね。

 ベアリングは脱脂するよ。

 注意!

 スプールピンは小さいので無くさないようにね。



 そして、ギヤボックス。

 まずは工具無しで外せるパーツを外すよ。


 ・メカニカルブレーキのノブを緩め、外す。


 ・ピニオンシャフトを抜く。


 ここから先は工具が必要な工程あり。


 ・ハンドルキャップを外す。

 裏側からマイナスドライバーで爪をシャフト側に押すと外れるよ。


 ・ハンドルナットを外す。

 でったん注意!

 逆ネジだからね。普通のネジと思って回すと閉まるよ。ナットの材質、真鍮だから力任せにやると壊してしまう可能性があるからね。

 窪んだところにあるから工具はソケットレンチかメガネレンチ使うのがいいよ。普通のスパナやモンキーレンチ、ラジペンやプライヤーだとシッカリかからないから、角を潰す可能性ある。


 ・ハンドルを外す。

 ハンドルの裏側にはワッシャーが入っているから無くさないようにね。


 ・スタードラグを外す。

 これも逆ネジだからね。

 スタードラグワッシャーという細いワッシャーが本体側に入っているから、スタードラグにくっ付いて外れた場合、無くさないようにね。


 ・ドラグスプリングワッシャー×2とドラグホルダー+ドラグリーフスプリングをまとめて抜く。


 ・ハンドルベアリングワッシャーBを抜く。


 ・ハンドルベアリングを抜いて脱脂する。


 ・ハンドルベアリングワッシャーAを抜く。


 ・レフトサイドプレートを外す。

 プレート表面にある3つのビスを外す。

 レベルワインドのガイドになっているバーが隠しネジになっているから、フレームのライトサイドプレート側から緩めるよ。

 プレートを引き抜いたら中身が丸見えになったよ。


 もしも万が一、何かの間違いでこの様子に興味を持ってくれた人いたら、近況ノートの「古いリール買ったよ」にレフトサイドプレート外した写真載せてます。見てちょんまげ。


 外す順番はどれからでもいい。ここは自分のやった順番で進めていくよ。


 ・ヨークスプリング×2を外す。


 ・ヨークとピニオンギヤを外す。

 それぞれグリスを拭き取り洗うよ。


 ・ドライブギヤ+ドラグワッシャー+ウォームシャフトギヤを組みになったまんま外す。

 ギヤはグリスまみれなので洗うよ。


 ・ギヤシャフトを外す。

 ギヤシャフトリテイナーを固定してあるビスを緩めるとギヤシャフトが抜ける。

 ギヤシャフトはグリスまみれなので洗うよ。

 注意!

 ギヤシャフトリテイナーとキックレバーを繋いでいるキックレバースプリングをなくさないようにね。


 ・フレームからギヤシャフトベアリングを抜き、脱脂。


 ・クラッチカムからクラッチレバーを外す。


 ・クラッチカムを外す。

 注意!

 クラッチカムスプリングをなくさないようにね。とても強いバネだから飛ぶ可能性があるよ。飛んだら無くすからね。


 ・クラッチカムベアリングを抜き、脱脂。


 この時点でフレーム側にはレベルワインドが残っているけど、この時代の左巻きって構造が全然違うのよね。具体的にはリールの後方にウォームシャフトがあって、そこから金属のプレートを介して駆動するようになっているのよ。バラせんことはなさそうやけど、経験ないし説明書がないからやめとく。無理して壊したり、部品無くしたらいよいよオブジェ一直線だからね。


 ・フレームに付着したグリスを可能な限り拭き取る。


 レフトサイドプレートをバラすよ。


 ・ピニオンリングを外し、ピニオンベアリングを抜く。

 ベアリングは脱脂。


 ・ギヤシャフトが通る穴のところにくっ付いているドラグワッシャーを外し、洗浄。

 これはドライブギヤ側についていることもあるはず。


 ・クラッチリングを外す。

 ギヤシャフトが通る穴の内側に入っているからドライバーで突いて外し、洗浄。

 ワンウェイベアリングに付着したグリスは丁寧に拭き取っておこう。


 これで今回の分解はおしまい。




 さぁて!

 ここからは組んでいくよ。


 レフトサイドプレートから組み立てるからね。


 ・ピニオンベアリングにグリスを注し、レフトサイドプレートに装着。

 ピニオンリングで固定する。


 ・ワンウェイベアリングにグリスを注し、クラッチリングを挿入する。


 ・ドラグワッシャーを乗せる。

 これ、多分ドライブギヤ側に組んでも問題ないはず。



 フレーム側を組み立てるよ。


 ・クラッチカムベアリングにグリスを注し、フレームに装着。


 ・クラッチカムにクラッチレバーを装着。


 ・クラッチカムスプリングを装着。

 とても強いバネなので、ラジオペンチなどを使った方がいいよ。

 飛ばさないよう注意だよ。


 クラッチの摺動部にグリスを注すよ。


 ・ギヤシャフトベアリングにグリスを注し、フレームに装着。


 ・ギヤシャフトをセットし、ギヤシャフトリテイナーをビスで固定。


 ・キックレバースプリングをキックレバーからギヤシャフトリテイナーに掛けるよ。

 支持部、摺動部にはグリスを注すよ。


 ・ウォームシャフトギヤとドライブギヤの歯にグリスを注して、ギヤシャフトに装着。


 ・ドラグワッシャー両面にドラググリスを注してギヤシャフトに装着。


 ・ピニオンギヤとヨークにグリスを注して装着。


 ・ヨークスプリングにグリスを注して装着。


 ・サイドプレートを装着。


 この時点でクラッチがちゃんと機能しているか、回転部分は滑らかに動くか確認してね。


 ・ハンドルベアリングワッシャーAをギヤシャフトに装着。


 ・ハンドルベアリングにグリスを注しサイドプレートに装着。


 ・ハンドルベアリングワッシャーBをギヤシャフトに装着。


 ・ドラグホルダー+ドラグリーフスプリングをギヤシャフトに装着。


 ・ドラグスプリングワッシャー×2をギヤシャフトに装着。


 ・スタードラグワッシャーをギヤシャフトに装着。


 ・スタードラグをギヤシャフトに装着。


 ・ハンドルワッシャーをギヤシャフトに装着。


 ・ハンドルをギヤシャフトに装着。


 ・ハンドルナットを締め、ハンドルキャップを取り付けるとレフトサイドプレート側は出来上がり。



 スプールを組むよ。


 ・脱脂したベアリングをスプールシャフトに装着し、ベアリングリムーバーを使ってスプールピンを圧入する。



 ライトサイドプレートを組むよ。


 ・脱脂したライトサイドベアリングをプレートに装着。ライトサイドベアリングリングで固定。



 組み立てはこれにて完了で~す。

 あとはスプールベアリングにオイルを注して、スプールシャフトにグリスを塗布し、各部分の動きを確認してみましょーね。


 買った時にしていたゴトゴト音はしなくなった。

 スプールベアリングは極めて怪しいかな。クラッチ切って回すとガラガラに近いシャラシャラ音がする。巻く時もこの音消えないもんね。




 組みあがった嬉しさで早速糸を巻いてみるのだけど、左巻きのリール全然使えないボク。

 スプールに糸結んでいざ巻いてみると、ぎこちないのなんの。やっていて笑いが出るレベルやし。まるで生まれたての小鹿のようにカクンカクンしながら巻いたよ。


 糸巻いたらやっぱし投げたくなるよね、釣り人として。


 T’ZLACのBASS SPECIAL TBB662MLにセットし10gシンカー着けて庭で投げてみる。

 クラッチ切って、バックスイングからの~…ビュッ!ヴ――――ン。


 お~!フツーに実釣に使える飛距離。


 巻こうとして、


 あれ?


 思わず左手に持ち替えてしまうよね~。


 違う、そうじゃない。by鈴木雅之

 左手はハンドル巻く手でしょ!


 再度持ち替えて巻いてみるものの、カクンカクンして全然スムーズに巻けない。

 でも、メンテしたリールが飛ぶようになるのは嬉しくて。

 しばらく投げまくりましたとさ。

 いつか実践投入してみよう!っち、バラすかな?バラすよね。

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