アトラクトライト
かわら なお
期待されたから生まれた劣等感といつも戦ってきた
上には上がいると知っていた
だから歯を食いしばって耐えて ひたすら努力して
他人を蔑めば俺が上にいるような気がしたんだ
あいつなら
あいつには勝てないと知っていたから
あいつへの劣等感におかしくなりそうで
何もかも許し憧れだと言うあいつが大嫌いだった
どんなに耐えてもどんなに努力しても
俺はあいつに勝てない
その現実をいつも突きつけられた
一番になりたかった
あいつを超えた証が欲しかった
あいつに負けない強さが欲しかった
俺が殺したあの人も
俺に憧れるあいつも
俺に優しくしてくれることが
無性にイライラして
腹立たしくて
俺を惨めにさせた
友達だと言ってくれるダチも
友達だと笑ってくれるあいつも
友達だとついてきてくれるあいつにも
俺は何も伝えられない
何も言ってやれない
何も
誰よりも劣等生で
助けてくれなんて望んでない俺を
お前は助けようとした
そのことが俺をイラつかせた
誰がお前に助けてくれなんて言った
俺がお前に何をした
思い出せよ
思い出してくれよ
お前なんかに助けられた俺は一体なんだ
お前以下になった俺には何が残る
お前なんかと蔑み 劣等感を抱える俺が惨めになるだけじゃねぇか
ふざけんな
俺が
俺が
俺が
俺が1番にならねぇと意味がねえんだ
悔しい
悔しい
悔しい
悔しい
もう負けたくない
負けない
もっと
あいつより強く
強く
あいつの正しさも優しさも全部が嫌いだった
俺が間違いだって証明されてるようでイライラした
これ以上俺をイラつかせないでくれ
これ以上俺を惨めにさせないでくれ
これ以上情けない俺にさせないでくれ
頼むよ
俺が間違いだったと証明しないでくれ
俺が全部
俺が正しいと証明する
アトラクトライト かわら なお @21115
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