あの世は欠陥まみれ
リョク
あの世は欠陥まみれ
気がついたとき、俺は空を見上げていた。
「…どこだここ…」
起き上がり、辺りを見渡す。辺り一面青い空、足元は白い雲。
雲?というところに一瞬違和感を感じたが、
今までのことを思い出した俺は、すぐに腑に落ちた。
「あの世か」
そうだ、ここはあの世だ。
そして俺は、ここにくる前に自殺した。理由は過労死。
過労の原因は簡単。
俺に大量に仕事を残したまま、上司が定時にもならないうちに、さっさと帰ってしまうからだ。
あの野郎、ただでさえヘビースモーカーで仕事中も喫煙室に入り浸っているくせに。
おかげさまで、本来上司がやるべき仕事の約8割を俺が引き受ける羽目になっていた。
そして、それによる残業続きで疲れ果てた俺は、
そんな上司へ今までの恨みつらみを書いた遺書を残し、ビルから飛び降りたのだった。
そうか、俺死んだのか。
本当に、死ぬと雲の上に行くんだな。
そんなの絵本や漫画の世界だけだと思ってたが…
俺は立ち上がり、キョロキョロと辺りを見渡す。
足元の雲はふんわりとしながらも感触があり、
抜け落ちることなく自分の足をしっかり支えていた。
雲の上ということもあって、夏なのに涼しく風が気持ちいい。
そして、少し息苦しい。標高が高く、空気が薄いからだろうか。
「いや…待て、何だこれ。」
薄すぎる。何だここ。何度息を吸っても、息苦しさが治らない。
初めは落ち着いて深呼吸を繰り返していた俺も、吸っても吸っても
酸欠が治らない状況に焦り、やがて、雲の中に倒れ込み、
胸を掻きむしりながら酸素を求めた。
「こんなところで何をしてるんだ?」
俺が苦しそうにしていると、1人の男が話しかけてきた。
男は白衣のような真っ白い服を着ており、背中には羽が生えている。
天使だ、男の。見たかったような、できれば女性の姿で見たかったような…
そんな俺の思いも束の間、先程から続く息苦しさはピークに達し、
視界がぐにゃりと歪み始める。
「頼む…助けてくれ…息がくるしいんだ…」
出せる力を精一杯振り絞り、かろうじて目の前の天使に助けを求める声を出す。
どうやら天使に今の俺の様子が伝わったみたいだ。
「やれやれ…またか…どこが痛む?」
天使の言葉の意味を考える余裕もない俺は、胸のあたりを叩く。
「胸だな!ちょっと待て」
天使はそういうと、ポケットから何か赤黒いものを取り出し、俺の胸に押し当てた。赤黒いものは光を帯びながら俺の中に吸い込まれて行く。
そして…
光が消え、赤黒いものが完全に取り込まれると同時に、
俺の息苦しさは完全に止まった。
「やれやれ…最近の死体はこれだから…」
治ったと喜ぶ俺に天使はうんざりした表情を見せる。
何だこの口の悪い天使は。本当に天使か?
もしかして本当は白衣を着た悪魔か何かで、実は地獄に来てしまったのではないか。
いや、それよりも…まず、聞きたいことがある。
「それより俺の中に入れた物は何です?」
赤黒いものの正体だ。
何やらグロテスクなものが体の中に入っていったような気がするが、
あれは人の体の中に入れてしまっていいものなんだろうか?
「何って…フワだけど?」
「フワ?」
名前を聞いても良くわからない、本当に体にいれてしまっていいものなのか
ますます不安になってきた。
「ほかの言い方だと、肺のことだ。」
ここまで聞いて、俺はようやく安堵した。肺のことなら分かる。
人体に必要な器官、これがなければ呼吸ができない。
天使が入れてくれた肺のおかげで、俺は今呼吸をできているわけだ、
ありがたや、ありがたや。
…だがその話を聞いて、別の疑問が発生した。
「何で俺の肺をお前が持ってるんだ?」
俺は天使をにらみつけた。
さては、盗んだのか?俺が意識を失っている間に。
「違う」
天使は否定した。
だが、どうもこいつは怪しい。俺は信じられなかった。
「違う?なら何故俺の肺は無かった、そして何故お前は肺を持っている?」
「偶然にしては出来すぎてると思わないか?」
「俺が寝ている隙に、さっきの光を使って俺から肺を盗み出し、俺が目を覚ましてから慌てて戻したというのは筋が通ってると思うがな。」
俺は捲し立てるように責め立てる、お前が犯人だと。
それでも天使は否定する。駄目だ、このままでは埒があかない。
「だいたい、お前の肺を盗んで俺はどうするつもりなんだ?」
天使が逆に質問してきた、とぼけやがって。
ここが本当にあの世ならば、寿命や病気で死んだ人間がごった返しているはずだ。
そしてそんな奴らの体の部位のほとんどが、病や老化に侵されている。
そんなまるで老人ホームや介護施設のようなあの世に、俺が飛び込んだ。
若い…という年齢ではないが、老人に比べれば全然若いし、病人に比べれば健康的な体だ。
そんな奴らは間違いなく、俺の体を欲しているに違いない。
つまり、若い成人の臓器は高く売れるということだ。
どうやら俺がたどり着いたあの世は、とんでもない場所かもしれない。
「臓器売買でもするんだろう?」
どうだ?これが俺の推理だ、まいったか。
「あの世に、お金なんてものはない。」
俺の天才的な推理は、天使によって一蹴された。
「え、そうなの?」
俺の口から、情けない声が出る。
「ああ、ここにはない。そもそもお前に入れたフワは、お前のものではない。」
どういうことだ?と俺が聞くよりも先に、
天使が服から何かを取り出すと、俺の目の前に広げた。
それは、俺の体の中に入っていたものと似ていた。
「それは何だ。」
「さっきとは別のフワだ」
「お前、俺のだけじゃなく他の奴らからも…」
「違うといっているだろう、これは落ちていたから拾っただけだ」
「落ちていたぁ?」
どうやら変な話になってきたぞ、と俺は首をかしげた。
「ああ、今地上では医学が発達しているだろう?」
首を傾げる俺をよそに、天使が語り始める。
「そのせいで、人間は体のどこかが壊れても壊れた部分を削除したり、
他の人から貰ってくることで、生き長らえるようになってしまった。」
「別にいいことじゃないか。長生きできるんだから。」
「いや良く無い、そのせいであの世に来るまでの間に、人間の体がバラバラになってしまうんだ。」
どういうことだ?俺は質問する。
天使は辺りをキョロキョロと見渡し、何かを見つけると。
それを拾い上げてこちらに見せてきた。
「つまりこういうことだ。」
「なんだこれは?」
さっき俺に見せた肺と同じく、赤黒い色をしている。
「これは、ミノ、レバー」
胃と肝臓の事だろうか。しかし、胃や肝臓にしてはどちらも醜く膨れ上がっており、
素人目で見ても、何かの病気にかかっているように見える。
「こういう風に、使えなくなって死んだ人体の一部が少しずつこちらにやってくるんだ。」
天使は、落ちていたミノとレバーを布でくるみ、大事そうにしまう。
成る程、たしかにあの世では人の体の一部が欠損して落ちている。
「切除された臓器は死に、あの世に来る。だがそれとは別に、残された人間は生きているからこちらには向かってこない。」
「待ってくれ」
天使の話を遮るように俺は叫んだ。今の話はわかった、
だがその話が今の俺にどう関係するのかがわからない。
俺は健康体も同然のまま死んだ。肺を切除した記憶もない。
「俺は別に病気にかかった記憶はないぞ」
俺の質問に、天使は首を振った。
「逆、お前の肺はまだ死んでない。だから無い。」
死んでない?どういうことだ?
「俺はここにいるじゃないか。」
「そうじゃない、お前、ドナーか何かの登録をしているだろう。」
「…へ?」
予想外の質問に、俺は首をかしげた。
ドナー登録?…俺は生前の記憶を遡る。
「あっ…」
あったよ、心当たりが。
確か4、5年ほど前、綺麗なお姉さんのアンケートに答えるついでに
そんなカードを作成したことがあるような…
「やっぱり…」
「ここ最近多いんだよ、こういう中途半端に死んでくるやつが。」
天使は呆れたようにため息をつく。
「ってことは俺の肺は...」
「ここにはない。」
天使の断言に、俺は震え上がった。ってことはつまり…
「んじゃぁ、俺の体の中に入っているのは...」
「拾ったやつだ、おそらく肺ガンで死にかけた、別のやつのフワだな。」
やっぱり、なんて世界だここは。
「さっきお前の代わりに入れたのはこんな感じのものだな。」
天使はそういうと、また別の肺を取り出して見せてきた。
なるほど、確かにさっき俺の体に突っ込まれたものに似ている。
そして先ほどは気づかなかったが、赤黒く変色している理由が分かった。
たばこの炭が、大量に肺にこびりついていたのである。
「こんなものが俺の体の中に。」
俺は絶望した、同時に少し気持ち悪くなってきた。息が苦しい。
肺に取り込まれる空気も少し重くなったような気がする。
「まぁ、こんなにボロボロなっても、あの世ではちゃんと機能するから安心しろ。」
天使がフォローしてくれるが、俺の気分は一向に晴れない。
勢い作ってしまったとはいえ、誰かを助けようとして作ったカードだ。
まさかそんな思いの結果がこんなことになってしまうなんて。
恩を仇で返されたような、そんな気分。
こんなことになるんだったら。
「カード…作んなきゃよかったのかもなぁ…」
俺はつぶやく、天使はすこし間をおいてから、そうかもなと返事した。
「いい奴はすぐ死ぬし、正直者は馬鹿を見る。地上で習わなかったのか?」
「それは、死ぬ前くらいになってようやく気付いたよ。」
何せ俺は、上司の仕事を安請け合いして、過労で死んでしまったのだから。
「まぁ、これに懲りて次からはこんなことしないようにな」
次なんてあるわけないだろ、ばーかばーか。
「はぁ…俺の体…どうなっちまうんだ。」
「気になるのか」
「なるわ、俺の体だぞ。」
はぁ、とため息をつき俺は頭を抱える、そんな俺を見かねてか天使は
遠くのほうを指さして言った。
「あっちに、お前と同じように自分の体が死ぬのを待つ奴らがいる。」
「お前みたいなやつがいっぱいいる。そいつらと傷の舐めあいでもしたらどうだ」
もうちょっといい言い回しはなかったのかと心の中で突っ込みながらも
俺はその提案を受け入れた。
「そうだな、ちょっと見てみたいかも」
俺の返事を聞いて、天使は歩き出した。
「来い、案内してやる。」
口は悪いが、正直な奴だ、嘘をつくやつじゃない。
俺は天使の後をついていった。
道中、歩いているだけなのもつまらないので、俺は天使にいくつか質問した。
あの世のこと、体を探しているやつらのこと。どのくらいで元の体に戻れるかなど。
さらには、なぜ肺のことをフワとかいう謎の呼び方をするのか。
天使は答えた。
「地上では、死んだ臓器のことをそういうんじゃないのか?」
「よく、そういう名前で食卓に並んでるだろうが。」
それ、焼き肉のことだろ。フワって肺は肺でも牛の方の肺かよ。
「それは焼肉限定だ、人間の部位に使うような言葉じゃない。」
「いいじゃねぇか、いまお前の体の中に入ってるフワもいい感じに炭火焼だぞ。」
「たばこの灰だろうが。それに、炭火というよりかは燻しだろ」
「たばこ(スモーク)だけに?」
「うるせぇ!」
淡々とした道中は、ブラックジョークでにぎやかだった。
コンプレックスになりそうだった肺も、自虐ネタとして使えば
ウケとしては使えるかもしれない。
そんなことを考えているうちに、目的地へとたどり着いた。
「さぁ、ついたぞ。」
天使が立ち止まる。目の前には強大な雲があり、その上にはたくさんの生き物がいた。
どうやら天使の言い分だと、彼ら全員が自分の元の体を待っているやつららしい。
俺みたいな境遇の奴はいないかと、やつらを観察していたところ。
指をさしながら、天使が解説し始めた。
「アイツが確かお前と同じく、肺待ちの奴だ。」
天使は俺の説得を受けてか、臓器を食材の名前で呼ぶことを止めてくれた。
「知ってるのか」
「ああ、俺が連れてきたやつだからな。」
天使が続ける。
「あいつは肝臓、あいつは心臓…だったかな。そして代わりに肺が3つくっついている。」
「3つ!?」
俺は驚愕した、キメラでも作っているのかと聞くと、天使は首を横に振った。
「言っただろ、臓器だけ先に来ることもあるって。だからその分をぶら下げてるんだよ」
「体が臓器を待つ場合もあれば、臓器が体を待つ場合もある」
「今のお前の肺だってそうだ、体はまだこちらに届いていない。」
「脳死の場合なんて悲惨だぞ、なにせ一時的にとはいえ、他の奴の脳と競合して多重人格みたいになるんだ。」
「肛門だけあの世に来た奴もいたな。その時は別の奴にくっつけて穴を二つにして対処したっけ」
やっぱりここは地獄だよ。
「んで、アイツらがな…」
天使は続ける、今度は人間ではなく他の生き物について。
密漁か何かの被害を受け、毛皮がむしり取られ肌が露出したトラや、角が折れたサイ。
お次は、食べられそうな魚の一部。現世で食べられる部分だけを抜き取られたようだ。
本体は、一部が骨になりながらも、まだ魚屋さんで泳いでいるのだとか。
内臓の一部が無いカエルなんてのもいた、どうやら体の一部が
ホルマリン漬けにされ、保存されているらしい。
これは死んでいるうちに入らないのか?と聞くと、
体がちゃんとこの世から消失しないといけないと答えられた。
つまり、保存されていたらアウトってことだ。意外とシビアだ。
「んで、一生元の体に戻れなさそうな人間がアイツらだ。」
俺はギョッとする。彼らは見るからにやつれた顔をしていた。
医学の発展のための教材として保存されている彼らの臓器は
未来永劫こちらには向かって来ることはないだろう。
彼らは一生元の体に戻れぬまま、一生、他人の臓器をぶら下げて生きるしかない。
「もうあいつらは10回以上も臓器を付け替えてるよ…」
その間に、何度も何度も臓器の持ち主があの世に向かってきており、
その度に臓器を付け替えなくてはならない。
俺は震え上がった。彼らもこんなことになるなんて、予想してなかっただろう。
俺はここで、肺がやってくることを待つことにした。
本当にここにはいろんな奴がいた。
周りと比べると、肺だけが足りない俺のことがマシに思えてきた。
過ごすうちに、何人かが元の体を取り戻し、
ようやく本当のあの世へと向かって行くのを見届けた。
元の体に戻るのには、人によって結構ばらつきがあるらしく、数十年待っていた者もいれば
運よく1日も経たずして合流できるものもいた。
そんな生活をしてから半年ほどたって、俺にようやく転機が訪れる。
俺の体の一部が戻ってきた…わけではなく、
どうやら俺が今使っている肺の持ち主が来たらしい。
「悪いが、今お前が使っている肺の持ち主が死んだようだ。」
天使はそういうと、肺の持ち主を連れてきた
「げっ…」
そいつの姿はなんと俺の元上司だった。なぜ、お前がここに。
「勝手に死なれちゃ困るよ君ぃ…」
俺に会うなり、上司は生前の俺の自殺について注意してきた。
話を聞くと、どうやら上司がここに来てしまったのは俺のせいということになっていた。
俺が自殺したことで、会社がひどいバッシングを受け、
遺書が残っていたことで、責任はすべて上司にあるということで叱責されたらしい。
「君のせいで会社を辞めることになり、この歳では再就職も厳しく…結局、私もここにきてしまった。」
つまり、俺が自殺したせいで上司がクビになり、クビになった上司は絶望して死んだ。
ということだろう。確かに、俺が死ななければ上司が死ぬことはなかったかもしれない。
「申し訳ないと思わないのかね、社会人として…というか人として」
そのことについて今までの俺だったら、すみませんでしたと頭を下げていたかもしれない。
ただ、今の俺は違った。申し訳なさより憎しみの方が勝っていたし。
何より、ここに来たときに、十分に思い知らされたからだ。
いい奴はすぐ死ぬし、正直者は馬鹿を見る。
天使が言っていた言葉だ。
「そもそも、上司がしっかり仕事していればこんなことにはならなかったんですがねぇ」
俺が反論すると、上司は目を丸くした。
いつも通り謝罪の一つでもされると思ったんだろうが、そんなことはしない。
「今更、なんでそんな昔のことを」
「自殺も昔のことじゃないですか」
「あの時は体を壊していたのでね…早く帰って病院に行く必要があったんだ。」
「ああ、だからこんな肺がボロボロだったんですね」
俺は胸に手を突っ込むと、肺を片っぽ取り出して上司に見せる。
上司はたばこの灰が大量に付いた肺を見て、返してくれと叫んでいる。
だが残念、お前の体の一部は今、俺のものだ。
「返しませんよ。これがないと俺酸欠で苦しんじゃうんですから」
ニヤニヤと笑いながら俺は赤黒い肺を元の位置に戻した。
「そうだ、私の肺と交換しよう。生前半年前くらいに移植してもらった健康的な肺だぞ」
今度は上司が肺を取り出した。なるほど確かに俺がつけているあの赤黒い肺とは違い
健康的な色をしている、これが別の人の肺だったら俺は素直に承諾していたかもしれない。
だが、今俺がつけている肺は俺の上司の肺なのだ。
お前に有利になる取引などしてやるものか。
「嫌ですね、俺は自分の肺にしか興味がないんで。」
俺はそう言うとじゃぁ交渉決裂ですねと付け加え、その場を去ろうとする。
「待ってくれ、頼む返してくれぇぇぇぇ」
上司が泣き叫ぶ、いい気味だ。
俺の中の憎しみが少しずつ晴れていく気がした。
「何言ってるんだ?お前の肺もそこにあるぞ?」
天使の言葉に、俺はポカンとした。
「え?」
俺の肺がここにある?何を言ってるんだ?
今ここにいるのは天使と俺の目の前の上司だけじゃないか。
「今、上司がつけている肺が、お前の肺だ」
「「え”」」
俺と上司は、顔を見合わせた。
あの世は欠陥まみれ リョク @macossann1987
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。