第4話
奏はアイマスクをしながらも幽霊を感じているのだろう。いや視界を遮られている分余計に幽霊の霊気を感じているのだろう。周りをキョロキョロしないでずっと正面を向いている。俺もうっすらと今まで感じだことない感覚に襲われていた。透明のなにかが見えるのだ。死が近づいているから幽霊が見えるようになってきたのか?
そんなことを考えていると、お化け達がパレードをするとこらまで来た。すると透明で見えてたものが一気に人の姿として見えた。そしてなかには事故でなくなっていたであろうぐちゃぐちゃの状態で彷徨っている幽霊がいた。
ああ、奏が避けていたのはあのグロい幽霊か。あんなのが憑いてきたら毎日みなくちゃいけないのはつらいな。というか吐き気をもよしそう。
他には親子の幽霊が楽しそうに踊ってたりしている。カップルの幽霊もいるな。まぁ泣き叫んでいるものもいるが。断末魔を上げている幽霊もいる。できるだけ目が合わないようにしないと思っているが、どうしても言うれをチラッチラッと見てしまう。そんなことをしてるとホンデッドマンションの出口に来た。
そしてアトラクションから降りると、さきはアイマスクをはずした。
「ふぅー思ったよりいっぱいたよ。前より増えていたし」
「私は全く見えなかったわ」
「俺も見えたぞ。さきが何を避けていたのか分かった」
「見えるように覚醒したってことだね。高校生だとよくあるよ。うちの本家や分家もこの年で覚醒することはよくあるし」
俺は死が近づいてきてるから見えるようになっただけだと思うが。まぁこれは言わなくていいだろう。いらぬ心配をかけるからな。それにしても幽霊多すぎて少し酔ったわ。磁場が安定していなかったからな。これが幽霊がたくさんいるらいる理由だろう。心霊スポットもこんな感じなのか。
「そうなのか。幽霊が見えるとかあの中二病だったときを思い出すな」
そうあのときは呪術を自分で考えて、それはなにか見えない現象がそこで起こっているはずだと思い込んでいた。まぁそもそも霊気が見えないのに呪術なんか使えるはずないんだがな。俺のことを省いたやつを呪ったりしたんだが、効果はでないはずなのになぜかそいつは腹痛を起こしたり骨折したりしていたな。あれか、恨んでいる念が強すぎて呪術関係なく呪ったのか。なにそれ俺どんだけ思念が強いんだよ。ふっなら呪術を覚えれば俺最強だな。
「いきなりにやっとするの気持ち笑いよ」
ぐさ、美少女に言われるとダメージがでかい。くっやっぱり俺笑顔は邪気が込められているのか?おっと中二病がでたな。もう卒業したはずなんだが。
「悪いぼっちでいると周りを気にしなくていいから癖でな」
「理由が悲しいんだけど」
「ぼっちって周りの目線気にならなくなるなね勉強になったわ」
悲しいだと、ほっとけ。人に合わせなくて良いとか最高だろ。リア充とか人に合わせるのに疲れるし、常に中心のやつの顔色をチェックしなきゃならない。ひとつ間違えば非リア充になる。群れなきゃ行動できないとかそいつは弱いからだ。つまり一人でいる俺は最強。ぼっち万歳。青春できないなも残念に思ってなんかないぞ?こうやってお金使えばできるしな。お金持ちぼっちが一番すごいんだろう。
「友達作ってみたら?そうすれば一人でいるときの癖が治るかもよ」
「俺は群れないんだよ。それにぼっちは別に悪くないぞ。好きなことを他人の目を気にせずできるしな。それにリア充の青春なんて人に迷惑をかけてもそれは青春だから良いみたいな免罪符があるのが許せん。ボッチの方が人に迷惑をかけていないで一人でいるのを謳歌している。別に青春に憧れてなんかないからな」
ふっ完璧な持論だ。
「でも青春代行頼んだってことは寂しかったんだよね?」
ぐさっ、そこ言葉が刺さる。これが言葉威力。なめてたぜ。なんともリア充に言われるときついな。ああ、そうだよ俺は彼女作ってて青春したかったからこれを利用したんだよ。まぁ彼女に関してはもう死ぬから無理だが。
「まぁそうかもしれないな」
リア充を毛嫌いするってことは嫉妬も混じってるからな。青春ね、一度で良いからお金なしで味わってみたいものだ。お金があることが分かれば彼女はできるだろう。だがそれは本物ではない。俺は本物の愛が欲しいのだ。
「次はカリブの海賊に乗るか」
「次で多分ラストだね」
本当はパレードまで見たかったが時間がとれなかったから仕方がない。さき達は人気者だからな。それぞれ夜のデートがあるらしい。相手は大学生らしいが。こんな美少女を食事に一緒に連れていくとか、周りからの視線がやばそうだな。
「それで次は入れるの?」
「今日は楽しかったし入れる予定だ」
「それなら一ヶ月くらい前からいれておいた方がいいよ」
「なんでそんなにお得な情報を教えてくれるんだ?」
まるで俺だけ特別のような感じになる。ああこれが狙いか。特別のような感じをさせて次を取らせる。さすが人気があるだけある。男の転ばせ方を理解してるようで。
「うーん単純に肩肘張らなくていいからかな?好かれるためにこれをやんなきゃいけないって感じがないから。それに楽しかったし、またどっか行きたいなと思って」
そう言って奏は優しく背面にたくさんの美しいタンポポ畑があるかのように微笑んだ。俺はその微笑みに見惚れてしまった。人気者はやはり俺と生きる世界が違うんだと思った。
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