第2話

「報告書」

 今回の実験により、対象Aの知的能力が人間以下だと言うことが分かった。

 また、対象Bへの接触により、実験は中止。


 しかし、ナノシステムは構築する事が可能だと分かった。

 また、ログにより今までのCPUと比にならない程に低エネルギー駆動が可能かつ、より複雑な演算が可能だと分かった。

 このシステムは、ニューロンに等しい働きをし、脳への接続も可能だ。

 金子博士。上記により、より最適化したシステムの開発をお願いしたい。

 また、システム「アメジストV5」も同様に開発をしてほしい。

 今のアメジストでは、応用力が低く使い物にならない。

 プロセッサーのデバックでもかなり処理に時間がかかる。


「者」でもいい。とにかくお願いします。




~メッセージ~


 青木博士。「アメジストMX1」開発を開始しました。

 ですのでしばらくお待ちください。

 今、お腹の中にいますので。

 その赤ちゃんの脳を一部摘出して、ナノマシンに換装します。

 キメラになってしまいますが、仕方ありません。

 これ以上の応用力が必要でしたら、人間である必要があります。

 赤ん坊をお渡しする事になるかもしれませんが、申し訳ありません。


 ですが、このようにする事しかありません。


 ちなみに性別は女性です。

 おそらく、人間と同じ体内構造を持ち合わせる為、生理や恋愛が発生するかもしれません。しかし遺伝子的には人間そのものですので、安心してください。

 


~メッセージ~


 例の子供が到着しました。

 見た目は、完全に中学生ですが、本当に生後一年ですか?

 妙に、僕に懐いてますし、大丈夫なのですか?


 それに生成したプログラムが暗号化? されていて実行できません。

 彼女は「このプロセッサーなら実行できるよ」と言って、物理的に半導体を吐き出しましたが、使い方が分からず使用できません。

 これは、彼女に任せて良いのでしょうか?


~メッセージ~


 彼女に全て丸投げしても大丈夫かと思います。

 実験を続行してください。

 今、双子を孕んでいます。

 「石英」と「水晶」です。

 また、生まれ、成長しだい送らせていただきます。

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明日と言う液体を 生焼け海鵜 @gazou_umiu

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