これが“正しく不自由なき理想郷”だと思った貴方。その感性、ヤバイですよ

多くのSF等の作品にテーマとして登場するAIが人の生活をサポートする物語。我々の世界においても日々進歩し続けるAIは一歩一歩着実に世界に世間に常識に取りつかれつつあります。これはある意味それの集大成か……あるいは末路とも言うべき王道にアストレイな作品です。

人間関係の管理に留まらず、勉強や仕事はないも当然、娯楽も定められたストレスなき進行、食事さえも料理の形をした味のある美味しい何か──当然、人々はそれを疑問とも思わない。
何故ならばAIによる指示は一切の間違いはなく、どんなに無意味に見える行動にもきちんとした理由があると疑わないからだ。これが真に正しき世界、この世界における人間の極めて模範的な生き方なのである。

きっとこの世界に犯罪はない。でもそこにあるのは間違いなく狂気。今こうして読んでいる我々にとっては異常にしか見えない世界である。だってそうでしょう? 人って楽をしたがる生き物なのに、苦労を重ねるんですから。

ショートなストーリーに技術の進歩した未来がどんなものになるのかを考えらされる内容。平和なディストピアがどんなものか、興味のある方は是非とも一読を……!

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