Sadhuzag

第四十一話


 家に帰ってスマホの電源を入れると幾つも鳴り響いたのは通知音。どうしたことだろうかと思って見ればイズミさんとウチダ君とそれから見慣れない名前の省庁からのメッセージが送られてきていてどうしようかと思いつつ最初に確かめることにしたのがイズミさんからのメールだということに自分の浅ましさを感じる。


『今日はすみませんでした』


 と、それだけ書かれていることにこれ以上暴かれることはないんだなと安堵を覚えて今度はウチダ君からのものを見れば『今日はすみませんでした』と全く同じ文章から始まっていてどこかおかしさを覚えてしまうけれど彼の体調が悪そうだったことを思い出すと笑うのはなんだか不謹慎な感じがしていけないと頬を軽く噛んで引き締めつつ続きを読んでいくと余りに余裕がなかったせいで険しい態度を取ってしまったことへの謝罪、駅とは反対方向まで付き合ってあげたことへの感謝が連ねられていて、情けない態度しか取れなかったことに苛立たれたわけじゃないんだとほっとした。

 ついでとばかりに政府からの通知を見ればここらの近所でサデュザーグが現れたからしばらく外出しないようにとのことだったんだけれど丁度その出没地点がさっき別れた公園だったので心配になって『近くで出たらしいけど、大丈夫?』と送ってみればすぐに既読がついて『大丈夫ですよ』と返ってきたので今日はもうお風呂に入って眠ることにする。

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