School Festival

第二十一話


 しばらく連絡が来ないから「僕の教え方が良くなかったんだろうか」だとか「何か気に障ることでも言ってしまっただろうか」と怖がっていたんだけれど演劇部顧問のミナミ先生に連れられて部室までやってきたウチダ君を見て、どうもそういうことじゃなさそうだむしろとんちんかんな方に話が行っているのかもしれないと思う。


「喜べ。ギリギリで来てくれた助っ人だぞ。二年のウチダカズミ君だ」


「よろしくお願いします」


 慌てて「待って待って待って、クラス委員の仕事はどうするのさ」と問いただしてみれば「安心してください。ちゃんと引継ぎしてきたんで」と自慢げに胸を張るので立候補したのを途中で放り出すのはダメだろう、いや代わってくれる子がいるなら問題ないのか? とこちらの自信がなくなってくる。

 けっきょく彼には音響の操作を担当してもらうことになったのであと一人どうしても足りなければ当日は副顧問のカヤ先生を呼んで照明をやってもらえるから公演できるぞと言われて嬉しさの余り跳ねるようにイズミさんとハイタッチをした。

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