第十八話
リク君とミウちゃんのご両親はもう帰ってきているので四人で食卓を囲みながらあれやこれやと話をするのだけれど興味津々と言った様子でクラスのことや部活のことを聞かれるのがくすぐったくて、でももっと話したいという気もして。
僕が幼なじみと付き合っているということは彼の告白を受け入れた日に報告されていたようでいつも事あるごとに「リクもシュント君に貰ってもらえるんなら安心だわ。寂しがり屋のくせに愛想がないから、ずっと心配で」と嬉しそうに笑っているのを見ると男同士で一緒になるなんてと幼少から仲が良かった隣人一家から拒まれてしまうのではないだろうかと抱いていた恐怖も今は薄れている。
「本番ももう近いんだろう?」
「そうですね」
「イズミさんとふたりでするんでしょう? スタッフさんとかは足りるの?」
「ダメですね。僕がリク君の代役やっても僕の仕事を代わってくれる人がいないので、準備だけできて本番はできなさそうな感じです」
「ミウ、あんた手伝わせてもらってきたらどう?」
「私十四日は学校あるよ」
「なら私がお邪魔しようかしら」
「ええと……」
「ほら、先生に相談してみたら案外いけるかもしれないし」
「よしなさい。シュント君も困ってるじゃないか」
「もう! 私だってけっこう本気なのよ?」
「なおさらタチが悪い」
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