第十四話


 ウチダ君と別れてから快速や各駅停車を乗り換えながら電車に揺られてやっと最寄り駅に着いたので改札に定期を通して構内を出ようとしたところを聞きなれた声に引き留められたので振り返るとミウちゃんが両手に買い物袋を提げて立っている。


「シュントくんどうしたの? 確か部活、六時までだったよね?」


「後輩と勉強会。ミウちゃんは何してるの?」


「ふふ、よくぞ聞いてくれました! これを見なさい!」


「……牛肉?」


「そう。半額になるまで粘ってたの。いっぱい買ったからシュントくん食べにくる? どうせ今日もコンビニで済まそうとしてるんでしょ?」


「いいの? ありがとう、流石にずっとあれだけだと気が滅入りそうでさ……。リク君がご飯作ってくれてた頃に戻りたいよ」


「すっかりお兄ちゃんに胃袋掴まれちゃってるねー」


「リク君、料理上手だったから」

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