第二話


 疲れたのでお風呂に入って夜ご飯も帰り道にコンビニで買ったもので済ませた頃にはもう時刻は十時を越えていて、スマートフォンから通知の音が流れたので確認してみればこの前知り合った後輩からメールが来ている。


『古文で分からないところがあるんですけど、明日カフェ奢るんで教えてもらえませんか』


 別に部活が同じというわけではないし中学が同じだったわけでもないのだけれど文化祭の書類提出の際に困っている彼を偶然見つけて手伝って以来やけになつかれてこうして度々呼び出されている。

『じゃあ問題文の写真撮って送って。休み時間にでも解いておくから』と液晶に打ち込めば瞬きする間もなく既読が付き『ありがとうございます! 会えるの楽しみにしてますね』とすっとんきょうな返事が返ってきた。


 ブルーライトが眩しいせいか目がしょぼしょぼとするので今日はもう寝ようと思ってベッドに横たわれば瞼にとりとめもない夢か空想かさえ分からないような幻が勝手に浮かんでは消えていく。

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