チカラの使い方

第1話

　最近身の回りで行方不明者が多数出ているらしい。が、その神隠しに遭うのもある意味で貴重な体験だといえるのではないだろうか。

　僕は今身体を手術台に拘束されている。

　目の前には白衣を被った怪しい人影達が僕の周りをズラリと囲んでいた。

「お目覚めのようだね？　気分はどうだい？」

　白スーツにマントを羽織ったおっさんが不敵に哂いながら出てきた。気分なんてものは良くないに決まっているだろ。

「おやおやあまりの恐怖に言葉も出ないか。無理もない。私は世界を統べる秘密結社〇ョッカーの科学者〇〇博士！」

　おいおいおいおい大丈夫か色々と。なんでそんな大物がいるんだよ。これ〇面〇イ〇ー案件じゃないか。

　神隠しの正体は秘密結社による人攫いだとは誰が予想できただろうか。

「君を栄えあるシ〇ッカーの怪人に改造するために捕まえさせてもらった」

「さぁ人間の非力な身体と凡庸な頭脳を捨て去り地球侵略の力となるのだ！」

　お前達の都合で捕まえてきて随分勝手なことを言ってくれるじゃあないか。そして、誰が非力で凡庸だって？

　僕は超能力者だ。テレパシー、サイコキネシス、透視、予知、千里眼、etc･･････なんだってできる。

　そこからは僕の一方的な蹂躙が行われ秘密結社とやらはあっけなく壊滅した。

　何故僕が捕まったかだって？

　神隠しに友人が巻き込まれるという予知を見たからそれを未然に防ごうとした結果だ。ちなみに僕は運もいい。毎回欲しい星5鯖が出るくらいには。