割り切ったほうがいい人間の割り切れない話

第1話

　科学エッセイなんかで、真実はシンプルだと語られることがあります。法則はたいてい整数で表せるとか。

　漫然と聞いていると、なるほど、と思いますが、なかには「ホントかよ？」と疑問に思う人もいる。

　ある若者が反証としてあげた例は、円周率。完全な円の円周率は、3.141592653589 793238462643 383279502884 197169399375 105820974944 592307816406 286208998628 034825342117・・・・・と無限に続きます。

思いっきり整数を逸脱しているではないかと。

　頭の良い人は発想が違うなと感心しながら聞いていたのですが、不肖わたくしも閃きました！

　円周率が無限に続くのは、円はグルグルグルグル循環して終わりがないからでは？　この世界には一方向に進む線的なものと循環する円的なものがあるのでは？　もしそうだとすれば、真実はやっぱりシンプル。

　さて、こんな話が今の自分にどう関係するのか？

　すべてがシンクロニシティであれば、自分に無関係なことは何一つ起こらず、その意味に気づいた者のみが真実に近づける！

　ずぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅーーーーーーーーーーと停滞している自分は、思えば、思いっきりシンクロに鈍感だったわけですが、それはさておいて、

　割り切れないものは、循環する。

　割り切れると、過ぎていく……

　この宇宙のささやきをどう受け止めるか？

　自分のことだと難しいですが、他人のことで云うと、

「割り切りのいい人」は、いますね。どんどん進んでいく。でも、本当に割り切っているのではなく、自分を偽って割り切っているのであれば、進んでいるようでいて、また同じところに戻ってくるのではないか。

　そんなふうに見える人も、いるっちゃあ、いる。

　仏教の解脱（げだつ）は、際限のない苦の循環（輪廻転生）から出るということで、その極意は、悟り。悟りとは平たくいえば、究極の割り切りなのかもしれません。

　割り切ったお付き合いといえば、風俗？　援助交際？　不倫？

　悟りを目指していない縁なき衆生にとっては、割り切ることは、善でも悪でもなさそうです。

　問題は、割り切り方？　割り切る対象？　あるいは、適度なバランスが大事だということ？

　そう考えると、ともかく自分には、割り切りが少な過ぎる気はします。いろんなことを引きずっている。あまりにたくさんあり過ぎて、何から割り切ればいいのやら……。

（自分自身に見切りをつけるんだ！　我を捨てろ！）

　え？