第29話 一匹狼
この付近では、相も変わらずモンスターが少ない。マンパワー(モンスターを人として数えるならばの話ではあるが)は手長どもに比べ圧倒的に不足しているため時間と共にこの付近にもモンスターは増えるだろうが、モンスターを見つければ俺たちも狩るか、もしくは登録してしまうため、下手をすれば数か月から数年ほどの時間を要する可能性もある。拠点周囲の安全性の担保という面で考えればマイナスの側面のみではないため、この状況でどう効率的に生活をするかということが目下の課題と言えるのではないかと、俺は今、そんなことを考えていた。
「俺の手札の中での最速はヘクシー。ただ、この階層に限って言えば小回りが求められるから、カゲロウが1位か。だが、単独行動は危険を伴うかも…。近衛は拠点周辺の警戒に、いや、
味さえ気にしなければ、手長の死体を焼いて乾かしただけのものは大量に作ってある。水も、木を登って筒にでも掬ってしまえば重力の支配下に戻ってくることがわかっているから、衣食住のうち、少なくとも食住に関しては最低限のものがある状況である。とりあえずカゲロウを単独で探索に出し、マーチと近衛を警戒に当て、ひとまず飽きるまでは当面の行動指針でも考えてみることにした。
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考えてはみるものの、そう簡単に出てくるのであればそれは良案たりえない。賢者が時間を対価に生み出せるからこそ、その案は価値があるのだ…。
と、存在しない誰かに言い訳してみる。こういった時間というものは、結果を伴わなければただ無為に浪費した事実と相違ない。しかし、今回のそれには体を休めるという目的が副次的に存在していたため、ただの消費ではない。これもまた、心に住む誰かへの言い訳である。
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考えてみるうちに、下手に俺が拠点から出ないほうがいいのではないかという結論に至る。カゲロウの逃走能力は俺よりも高いし、上下の移動も含めると逃げきれない相手はそういないだろう。もしいるならば、その相手には俺も逃げきることはできまい。そして、カゲロウが消費1であるために、20/21のリソースを拠点防衛にまわせるということ。拠点は現段階では、すなわち三階層が発見されるまでは大事にしたいから、守りたい場所に居る安全性は高いだろう。そして、カゲロウのほうが移動速度が速いこと。逃走能力にも影響するその事実は、俺という足手まといがいないほうがモンスターを早く発見できるということを示している。
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~待機中~
ただひたすら、カゲロウのことを待つ。その間は何もすることがない、と思いきや、能力考察やまだ使っていない武器、能力の確認、使用できるものがあれば使ってみるなど、実はまだまだやることは多い。というわけで、ひとまず今の手札を再確認するか…。
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クラブ:近距離武器
1-カゲロウ(ナイフ)
2-仕込みナイフwith◉8
3-毒針
4-棍棒
5-槍
6-仕込みナイフwith◉10
7-仕込みナイフwith◉1
8-レイピア
9-大剣
10-長剣(ヘクシー)
♠:遠距離武器
1-リボルバー
2-吹き矢with♣3
3-弓
4-ショットガン
5-対物ライフル
6-ロケットランチャー
7-カービン
8-アサルトライフル
9-マシンガン
10-スナイパーライフル
◉:防具
1-片手グローブと展開盾
2-胸当て
3-腹巻
4-眼鏡
5-肩当
6-ヘルム
7-膝当て
8-靴
9-全身鎧
10-空中機動盾
♥:回復
1-包帯(外傷、欠損に効果なし)
2-丸薬(病)
3-丸薬(毒)
4-丸薬(状態異常)
5-予防薬(毒)
6-予防薬(病)
7-全回復(70%)
8-包帯(外傷、欠損に有効)
9-内的異常に有効(再使用まで9h)
10-外的以上に有効(再使用まで10h)
✚:バフ
1-身体強化
2-嗅覚
3-聴力
4-無音移動
5-動体視力
6-耐性
7-防御
8-移動速度
9-攻撃力(非登録)
10-攻撃力(登録)
▲:デバフ
1-攻撃(単体)
2-防御(単体)
3-速度(単体)
4-鈍化(単体)
5-可視化(単体)
6-老衰(単体)
7-セム{若化(単体)}
8-攻撃(範囲)
9-速度(範囲)
10-能力阻害(単体)
♦:貨幣
同一数字のカードと交換化。また、登録品に付属する消耗品に対し、数字×10だけ交換できる。
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―――――あとがき
今回初めて、
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